2019/5/14
提供:三菱UFJ国際投信
「投資環境ウィークリー」5月13日号より抜粋
業績見通しは改善しつつあったが
■ 米中通商交渉の不透明感強まる
先週の主要国株式市場は総じて下落、長期金利が低下し円高が進行するなどリスク回避の動きが強まりました。きっかけは楽観視されていた米中通商交渉の決裂であり、10日には米国は対中制裁関税を引き上げました。中国の対米報復措置が予想され、世界経済への不透明感が再び高まっています。日銀短観による大企業製造業の2019年度想定為替レートは108.87円であり、円高が進めば業績不安から日本株が更に下落する懸念があります。
■ 米中貿易摩擦激化懸念で景気不安が再燃
米企業の1-3月期決算は予想比上振れとなり懸念されたほど悪くなかった一方で、日本企業の決算は下振れしており米中貿易問題が深刻化すれば業績不安は高まる見込みです。海外投資家は今年1-4月に日本株を現物・先物計で1.4兆円買い越しており、米中交渉見通しが悪化すれば先物中心に売り戻しがでる可能性があります。米国が追加関税を拡大すれば消費財の物価上昇につながり、米国家計の負担が増し世界経済への影響は深刻となります。
■ 米中通商協議の継続、日本企業決算に注目
今後も米中通商協議は継続すると考えられますが、短期的に状況が打開されるのか不透明感があります。すでに米国は更なる追加制裁(非制裁対象の輸入品3250億ドルへ25%制裁関税賦課)を表明しているため、中国の報復実施や交渉が長引けば市場のリスク回避傾向が加速する懸念があります。今週公表の日本企業3月期決算は銀行、不動産、建設など内需関連が多く、2019年度の業績見通しが一段と慎重になるのか注目されます。(向吉)
今週の主要経済指標と政治スケジュール
5/13(月) |
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5/14(火) |
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5/15(水) |
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5/16(木) |
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5/17(金) |
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5/18(土) |
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注)★は特に注目度の高いイベント
(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、(伯)はブラジルを指します。日程および内容は変更される可能性があります。
出所) 各種情報、Bloombergより当社経済調査室作成
注)MSCI WORLD、MSCI EMは現地通貨ベース。
騰落幅、騰落率ともに2019年5月3日
(日本の株式と10年国債利回りは4月26日)対比
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査室作成
注)上記3図の直近値は2019年5月10日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査室作成
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