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日銀は消費・投資マインド転換を待つ長期戦の構え、米FRBも労働市場の一段改善を待つ

2016/09/27
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 先週注目された日米金融政策は共に実弾なし
  • 日銀の漢方処方で長期戦の構え
  • 米FOMC(連邦公開市場委員会)は「押し目待ちに押し目なし」か?

「投資環境ウィークリー」9月26日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

■先週注目された日米金融政策は共に実弾なし
先週、世界が注目した日米金融政策は共に実弾を発射せず、しかし株式市場は日銀の新たなイールドカーブ政策を好感し金融株主導で上昇、もっともドル円は一時1ドル100円割れ目前と、円高ドル安を窺う展開となりました。
■日銀の漢方処方で長期戦の構え
物価低迷という病の主治医である日銀は、西洋医薬(ベースマネー)の大量投与による従来の治癒法に、イールドカーブ操作という体質(デフレマインド)改善のための漢方薬療法を加えました(3頁参照)。単なる薬の増量(量的金融緩和の拡大)でない点は評価できましょう。しかし、日銀は長期戦を覚悟したといえます。日銀はイールドカーブを長期に亘り均衡カーブ以下に留め実質金利を一段と低下させ、実体経済における需要の回復(需給ギャップ改善)を促す方針です。現実の物価上昇が将来の物価上昇予想に繋がるとする日銀の適合的期待形成論では、実質金利の低下は消費や投資の需要増加に繋がる必要がありますが、現実は将来不安を煽り貯蓄率を高水準に押し上げています。「病は気から」。実質金利の低下が貯蓄ではなく需要へと繋がるには民間の消費・投資マインド転換が必要となり、そのためには消費や投資から得る期待収益へのコミットが条件となりましょう。もっとも、日銀がこの条件を能動的に提示するのは難しいでしょう。
■米FOMC(連邦公開市場委員会)は「押し目待ちに押し目なし」か?
先週、大方の予想通り利上げを見送った米FOMC、イエレンFRB(連邦準備理事会)議長は大きなリスクをとったと言えましょう。雇用の増加ペースは依然堅調さを維持、職を得るのを諦めていた人も新たに職を得るなど雇用率(雇用者/人口)の増加は続くもまだ伸びる余地はあるとし、FOMCはその証左を待つ選択をしたとしています。但し、失業率は既に4.9%と2008年世界同時金融危機前の低水準に達する等、労働市場の伸び代はさほど大きくない可能性もあります。仮に、首尾よくその伸び代が埋まったとの証左を得て利上げを講じても、FRBは物価上昇の加速に対し後手に回っている可能性が高いでしょう(ビハインドザカーブ)。しかし、現FRB執行部は歴代執行部の中でもビハインドザカーブに寛容です。「押し目(利上げ好機)を待つもその日は来ず」、今回の決定は、金融政策の正常化を図る機会を失うリスクが高まったとみています。もっとも、この待ちの姿勢は米株の高値更新、ドル安シナリオの蓋然性を高めることになりましょう。

◆米国:いよいよ米大統領選が市場のテーマとなりそうです。26日は初回大統領候補討論会が開催、民主党クリントン氏の立ち振る舞いや政策に注目です。
◆その他:26-28日、OPEC(石油輸出国機構)は非公式会合を開催、増産凍結合意できるか、イランの動向が鍵を握るとみています。(徳岡)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

9/26(月)

(日)臨時国会召集
(日)黒田日銀総裁 挨拶(大阪経済4団体共催懇談会)
(米)第1回 大統領候補者討論会(ニューヨーク州)
(米)カプラン・ダラス連銀総裁 講演
(米)8月 新築住宅販売件数(年率)
7月:65.4万件、8月:(予)60.0万件
(欧)ドラギECB総裁 議会証言(欧州議会)
(独)9月 ifo景況感指数
8月:106.2、9月:(予)106.3
(他)国際エネルギーフォーラム(アルジェ、〜28日)
(他)国際原子力機関(IAEA)年次総会(ウィーン、〜30日)

9/27(火)

(日)日銀金融政策決定会合議事要旨(7月28・29日分)
(日)8月 企業向けサービス価格(前年比)
7月:+0.4%
8月:(予)+0.3%
(米)7月 S&P コアロジック ケース・シラー住宅価格指数(20大都市、前月比)
6月:▲0.07%、7月:(予)0.00%
(米)9月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
8月:101.1
9月:(予)98.8

9/28(水)

(米)イエレンFRB議長 議会証言(下院)
(米)ブラード・セントルイス連銀総裁 講演
(米)エバンス・シカゴ連銀総裁 講演
(米)メスター・クリーブランド連銀総裁 講演
(米)ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 講演
(米)8月 耐久財受注(航空除く非国防資本財、前月比)
7月:+1.5%、8月:(予)▲0.1%
(他)OPEC(石油輸出国機構)非公式会合開催予定

9/29(木)

(日)黒田日銀総裁 挨拶(全国証券大会)
(米)イエレンFRB議長 講演
(米)ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 講演
(米)ロックハート・アトランタ連銀総裁 講演
(米)パウエルFRB理事 講演
(米)カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 講演
(米)4-6月期 実質GDP(確報、前期比年率)
1-3月期:+0.8%
4-6月期:(予)+1.3%(改定値:+1.1%)
(米)8月 中古住宅販売仮契約指数(前月比)
7月:+1.3%、8月:(予)0.0%

9/30(金)

(日)日銀金融政策決定会合「主な意見」(9月20・21日分)
(日)8月 鉱工業生産(速報、前月比)
7月:▲0.4%、8月:(予)+0.5%
(日)8月 完全失業率
7月:3.0%、8月:(予)3.0%
(日)8月 有効求人倍率
7月:1.37倍、8月:(予)1.37倍
(日)8月 消費者物価(総務省、前年比)
総合  7月:▲0.4%、8月:(予)▲0.5%
除く生鮮 7月:▲0.5%、8月:(予)▲0.4%
(日)8月 消費者物価(日銀、前年比)
除く生鮮食品・エネルギー
7月:+0.5%、8月:(予)+0.4%
(米)8月 個人所得・消費(前月比)
所得 7月:+0.4%、8月:(予)+0.2%
消費 7月:+0.3%、8月:(予)+0.1%
(米)9月 シカゴ購買部協会景気指数
8月:51.5、9月:(予)52.0
(欧)9月 消費者物価(速報、前年比)
8月:+0.2%、9月:(予)+0.4%
(英)4-6月期 実質GDP(確報、前期比)
1-3月期:+0.4%
4-6月期:(予)+0.6%(改定値:+0.6%)

10/1(土)

(中)9月 製造業PMI(国家統計局)
8月:50.4、9月:(予)50.4

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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