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イエレン議長の講演で米早期利上げ観測が台頭し、円安ドル高が加速

2016/08/30
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • イエレン議長の講演を受けて早期利上げ観測が台頭し円安ドル高が進行
  • 市場では年内の米利上げを十分に織り込んでおらず、今後の景気・雇用・物価次第では更なるドル高加速も
  • ドル円相場を見る上で、当面の注目材料は日銀の金融政策に関する「総括的な検証」

「投資環境ウィークリー」8月29日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

26日ジャクソンホール講演でイエレンFRB議長は「労働市場の堅調さやFOMCの良好な景気・物価見通しから、ここ数ヵ月間で利上げの論拠が強まった」と発言しました。市場では早期利上げ観測が強まり、米10年国債利回りが上昇し、為替相場ではドル高が進行しました。しかしFF金利先物市場が織り込む今年12月の利上げ確率は、まだ64%に留まっています。市場で年内の利上げが確信されるには、更なる景気・雇用・物価の改善が必要となりそうです。
ドル円相場は、米国の利上げ観測が強まることで円安ドル高が更に進展する可能性があるとみています。早期利上げ観測による米国株や新興国通貨の動向には、注意が必要ですが、米国では成長率に比べて政策金利が低いこと、国際的な資源安一服で新興資源国の景気が持ち直していることを考えると、これらのリスクは低いと予想されます。当面の円高リスク要因は、9月20-21日の日銀金融政策会合で発表される政策に関する「総括的な検証」です。「2年で2%の物価目標達成」を掲げた黒田総裁就任から約3年半が過ぎても、目標達成の目途が立たない状態です。年間80兆円の国債購入や10年国債利回りの低下余地に限界を懸念する声も聞かれます。各種報道によると黒田総裁は、検証結果によって金融緩和の縮小に向かう可能性は低い、と発言されたようです。しかし焦点は、先行きの金融緩和余地や物価目標達成の可能性を市場に説明できるのかという点です。

◆米国:年内9月20-21日、11月1-2日、12月13-14日に利上げが実施されるのか、今週は8月29日の7月個人消費支出(PCE)デフレーター、9月2日の8月雇用統計が焦点です。雇用統計は非農業部門雇用者数が市場予想の前月差+18万人を超えるのか、平均時給の伸びが前年比+2.6%から加速するのかに注目です。また、FOMC委員による講演などでの発言内容も市場の材料となりそうです。
◆日本:31日の7月鉱工業生産、1日の4-6月期法人企業統計調査に注目です。法人企業統計調査では経常利益が前期の前年比▲9.3%から改善するのか、設備投資が同+4.2%から回復するのかが注目されます。今週の日本株は、円高ドル安圧力が一服したことが株価の押し上げ材料となる見込みです。
◆中国:1日の8月製造業・非製造業PMI(国家統計局)が発表されます。特に、製造業PMIは、前月に49.9と今年2月以来で改善悪化の節目50を下回っています。昨年末より導入された景気刺激策の効果が一巡した可能性もあり注目です。
◆ブラジル:31日の4-6月期実質GDPは前年比▲3.7%と2四半期連続でマイナス幅縮小の見込みです。今後も国際的な資源価格の上昇やテメル新政権による財政経済改革への期待などで、市場では景気回復が予想されています。しかし早期利下げによる景気下支えは7月消費者物価が前年比+8.74%と中銀目標+4.5%を大きく上回る中では難しく30-31日の金融政策委員会は現状維持の見通しです。(石井)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

8/29(月)

(米)7月 個人所得・消費(前月比)
所得 6月:+0.2%、7月:(予)+0.4%
消費 6月:+0.4%、7月:(予)+0.3%
(米)7月 PCEデフレーター(前年比)
6月:+0.9%
7月:(予)+0.8%

8/30(火)

(日)7月 家計調査(実質消費支出、前年比)
6月:▲2.2%、7月:(予)▲1.6%
(日)7月 完全失業率
6月:3.1%、7月:(予)3.1%
(日)7月 有効求人倍率
6月:1.37倍、7月:(予)1.38倍
(米)8月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
7月:97.3、8月:(予)97.0
(他)ブラジル 金融政策委員会(COPOM、〜31日)
SELICターゲットレート:14.25%⇒(予)14.25%
(他)ブラジル 7月 失業率
6月:11.3%、7月:(予)11.5%

8/31(水)

(日)7月 鉱工業生産(速報、前月比)
6月:+2.3%、7月:(予)+0.8%
(米)ローゼングレン・ボストン連銀総裁 講演
(米)カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 講演
(米)7月 中古住宅販売仮契約指数(前月比)
6月:+0.2%、7月:(予)+0.7%
(米)8月 ADP雇用統計
(民間部門雇用者増減数、前月差)
7月:+17.9万人、8月:(予)+17.5万人
(欧)8月 消費者物価(速報、前年比)
7月:+0.2%、8月:(予)+0.3%
(印)4-6月期 実質GDP(前年比)
1-3月期:+7.9%、4-6月期:(予)+7.6%
(他)ブラジル 4-6月期 実質GDP(前年比)
1-3月期:▲5.4%、4-6月期:(予)▲3.7%

9/1(木)

(日)4-6月期 法人企業統計調査(設備投資、前年比)
1-3月期:+4.2%、4-6月期:(予)+5.5%
(米)メスター・クリーブランド連銀総裁 講演
(米)8月 米供給管理協会(ISM)製造業景気指数
7月:52.6、8月:(予)52.0
(中)8月 製造業PMI(国家統計局)
7月:49.9、8月:(予)49.9
(中)8月 Caixin製造業PMI(マークイット)
7月:50.6、8月:(予)50.1

9/2(金)

(米)ラッカー・リッチモンド連銀総裁 講演
(米)8月 雇用統計
非農業部門雇用者増減数(前月差)
7月:+25.5万人、8月:(予)+18.0万人
失業率 7月:4.9%、8月:(予)4.8%
平均時給(前年比) 7月:+2.6%、8月:(予)+2.5%

9/4(土)

(他)G20首脳会議(杭州、〜5日)

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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