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投資環境好転の持続性を考える − イベントリスクを意識しながらも前向きな投資姿勢で

2016/05/10
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 市場の3大懸念「原油安・中国失速・米国断続利上げ」が薄らぎ、投資環境は好転
  • ただし、安値拾いは歓迎ながらも、高値追いには引き続き要注意
  • 当面の注意点は、Brexit・原油・米銀融資・米国ドル安誘導・日米金融政策・ブラジル・ギリシャ

「投資環境ウィークリー」5月9日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

昨年春から下落トレンドを辿っていたリスク資産市場が、今年2月から反転上昇しています。その背景には、市場の三大懸念「原油安・中国リスク(景気失速と人民元安と中国株安)・米国利上げ観測」が薄らいだことが挙げられます。今後も“原油価格が今年1・2月の安値で底入れ”、“中国の景気と市場が安定”、“米国の利上げテンポは緩やか”となれば、良好な投資環境は維持されましょう。

一方、投資家のリスク志向が完全には回復しきれず、安値は拾いたいが高値を追いかけると火傷するリスクが意識されるのも事実です。“Sell in May”の格言のように、5月に高値で売却して下落した後の秋口に買い戻す相場展開となるかの見極めが重要で、注目点は英国の欧州連合(EU)離脱の国民投票(Brexit)・原油価格・米銀融資・ドル安転換の可能性・日米金融政策・その他要因等です。

まず、6月23日のBrexitで離脱の場合、スコットランド・北アイルランド・ウェールズの独立志向を刺激する英国分裂の危機、欧州大陸に政治的ドミノ効果、国際金融市場の混乱をもたらす恐れがあります。6月26日スペイン再選挙でも、反緊縮を掲げる第三党のポデモスに有利に働く見通しです。次に、原油価格上昇の持続性も疑問視されます。米国経済に占める鉱業の割合は約1.6%に留まるとはいえ、軟化すると再びエネルギー企業破綻に市場の矛先が向かう恐れもあります。

第三は、米銀の融資厳格化も要注意です。先週発表された米銀融資態度調査で、商工業向け融資(特にエネルギー企業向け)・商工業不動産向け融資(特に集合住宅向け)・自動車ローンは徐々に融資厳格化の兆候が窺えます。第四は、米国の為替政策がドル高容認からドル安誘導へ転換した可能性です。国内製造業への配慮と、新興国のドル建て債務膨張に歯止めをかける狙いがあると思われます。

第五は、日米金融政策です。日銀は、展望レポートのある1・4・7・10月会合で政策変更を行う確度が高まります。しかし、7月28-29日会合では、5月18日の1-3月期GDP・5月26-27日の伊勢志摩サミット・7月の参院選も終了後となるため、若干前倒しして6月15-16日会合で追加緩和の可能性もあります。他方、米連銀は6月14-15日の会合直後にBrexitを控え、次回利上げを9月ないし12月へ先送りする選択肢も残ります。最後にその他要因は、7月ギリシャ€58億の債務返済、ブラジル大統領弾劾審議、地政学的リスクも挙げられます。全体として、リスク資産市場は底堅く下値を切り上げながらも、上下変動の大きい相場展開が予想されます。

◆今週の焦点:米中景気が焦点で、米国は4月雇用者増加数が+16万人と予想を下回る一方、健全な消費が見込める13日の小売売上高とミシガン大学消費者信頼感、中国は、14日の鉱工業生産・固定資産投資・小売売上高に注目です。 (荒武)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

5/8(日)

(中)4月 貿易統計(米ドル建て、前年比)
輸出  3月:+11.5%、4月:▲1.8%
輸入  3月:▲7.6%、4月:▲10.9%

5/9(月)

(日)日銀金融政策決定会合議事要旨(3月14・15日分)
(日)4月 消費者態度指数
3月:41.7
4月:40.8
(米)カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 講演
(米)エバンス・シカゴ連銀総裁 講演
(欧)ユーロ圏財務相会合(ギリシャ金融支援協議)
(他)フィリピン 大統領選挙

5/10(火)

(米)大統領選 予備選挙
(ウエスト・ヴァージニア州(民主・共和党)、ネブラスカ州(共和党))
(独)3月 鉱工業生産(前月比)
2月:▲0.5%、3月:(予)▲0.2%
(仏)3月 鉱工業生産(前月比)
2月:▲1.0%、3月:(予)+0.6%
(伊)3月 鉱工業生産(前月比)
2月:▲0.6%、3月:(予)+0.3%
(中)4月 消費者物価(前年比)
3月:+2.3%
4月:(予)+2.3%
(中)4月 生産者物価(前年比)
3月:▲4.3%
4月:(予)▲3.7%

5/11(水)

(日)3月 景気動向指数(速報、先行CI)
2月:96.8、3月:(予)96.4
(英)金融政策委員会(MPC、〜12日)
資産買入れ規模:3,750億£⇒(予)3,750億£
(豪)5月 消費者信頼感指数
4月:95.1、5月:(予)NA
(他)ブラジル 3月 小売売上高 (前年比)
2月:▲4.2% 、3月:(予)▲4.6%
(他)タイ 金融政策決定会合
翌日物レポレート:1.5%⇒(予)1.5%

5/12(木)

(日)3月 経常収支(季調値)
2月:+1兆7,335億円、3月:(予)+1兆8,998億円
(日)4月 景気ウォッチャー調査
現状 3月:45.4、4月:(予)44.9
先行き 3月:46.7、4月:(予)46.2
(米)ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 講演
(他)フィリピン 金融政策決定会合
オーバーナイト・レート:4.0%⇒(予)4.0%

5/13(金)

(米)4月 小売売上高(前月比)
3月:▲0.4%、4月:(予)+0.8%
(米)5月 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)
4月:89.0、5月:(予)89.5
(米)ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁 講演

5/14(土)

(中)4月 鉱工業生産(前年比)
3月:+6.8%、4月:(予)+6.5%
(中)4月 都市部固定資産投資(年初来累計、前年比)
3月:+10.7%、 4月:(予)+11.0%
(中)4月 小売売上高(前年比)
3月:+10.5%、4月:(予)+10.6%

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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