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今週は円高・株安反転の条件を見極める- 日本のヘリコプターマネーの議論深化にも注目

2016/04/12
提供:三菱UFJ国際投信

荒武 秀至の今週の注目ポイント!

  • 円高傾向は今しばらく継続か - 米中が日欧通貨安牽制することに関しては利害が一致している(強者の論理)
  • 円高反転の条件はデフレ脱却と実質金利低下 - 政府は財政支出と金融政策の協業も検討する可能性
  • 円安、株高のリスクオン相場再来のカギ握る財政政策 - 今週は政策議論の深化を見極める週に

「投資環境ウィークリー」4月11日号より抜粋

PDFです。新しいウィンドウで開きます。 「投資環境ウィークリー」全文はこちら(PDF)

先週の金融市場は、米ドル安圧力が次第に緩和するも投資家のリスク回避姿勢は衰えず、世界的株安や金利低下、新興国通貨下落(対ドル)の展開となりました。中でもドル円は6日以降急落、一時1ドル107.67円を付ける等円全面高。しかし、こうした中でも週末にかけ2連騰した日経平均の動きには勇気づけられます。
 先週急落したドル円は週間ベースで▲3.2%のドル安円高。その背景は、直接的には@安倍首相の為替介入に対する消極発言がきっかけですが、ドルサイドではA米FOMC(連邦公開市場委員会)の慎重な利上げ姿勢、そして需給面ではB海外投資家の強い円需要などが挙げられます。中でもBでは、ドルベースの投資家は目下、自国短中期債投資よりも日本国債投資のほうが高いリターンを得られる、換言すると円買いがマイナスのコスト(ドル円ベーシススワップ拡大が定常化)である事が、従来のリスク回避の円買いとは異なり円を値持ちさせるため厄介です。また、政治的にはマイナス金利を導入し自国通貨安を促す日欧を牽制する米中の利害は一致しています(元切り下げで経済軟着陸を図りたい中国、ドル安で景気失速を回避したい米国)。これは、日本の為替介入は難しいとする市場の大方の見方の本質とも言え、円高の反転には米景気の浮揚、並びに中国景気の軟着陸が必要なことを示唆していると言えましょう。また上述Bへの対処としては、日銀がドルを市中に供給する策等も金融政策手段として検討余地がありましょう。

足元の円高是正策として為替介入への期待は高いものの、日本に真に必要なのはデフレ脱却による実質金利低下です。その点、目下期待される財政支出、特に今回はヘリコプターマネーと呼ばれる、財政支出の拡大を金融政策が直接ファイナンスしマネーサプライを増やす政策も検討の遡上に上りましょう。14日からの20ヵ国・地域財務相・中銀総裁会議(G20)では、2月の上海G20同様、各国の財政支出拡大策が議論の中心になるとみています。12日にはIMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを下方修正する公算が高い中、今次局面では世界的に頭打ちをみせる民間需要の刺激策がリスクオン相場、円安基調の醸成に必要とみています。


◆米国:企業景況感などの景気先行指標に反転の兆しが見えた米経済、13日の3月小売売上高(市場予想:前月比+0.1%)、15日の3月鉱工業生産(同▲0.1%)や4月ミシガン消費者信頼感(同92.0:前月91.0)等がこれを裏付けるか注目されます。但し、11日の米アルコアから本格化する今年1-3月期企業決算では、目下S&P500の1-3月期EPS予想は前期比▲7.6%(8日現在)と減益予想となっています。

◆中国:今週は中国経済指標が目白押しです。特に15日の1-3月期実質GDP(市場予想:前年比+6.7%)では、中国景気の底打ちを確認できるか注目されます。

◆原油:17日のOPEC(石油輸出国機構)加盟国、非OPECのロシア等がドーハにて開催する原油減産に関する会合は、世界の注目を集めましょう。(徳岡)

今週・来週の主要経済指標と政治スケジュール

4/11(月)

(日)黒田総裁 信託大会あいさつ
(日)2月 機械受注
(船舶・電力除く民需、前月比)
1月:+15.0%、2月:▲9.2%
(米)ダドリー・ニューヨーク連銀総裁 講演
(中)3月 消費者物価(前年比)
2月:+2.3%
3月:+2.3%
(中)3月 生産者物価(前年比)
2月:▲4.9%
3月:▲4.3%

4/12(火)

(日)3月 銀行貸出(前年比)
2月:+2.2%、3月:(予)NA
(米)3月 輸出入物価(輸入、前月比)
2月:▲0.3%、3月:(予)+1.0%
(米)3月 月次財政収支
2月:▲529億ドル、3月:(予)▲1,040億ドル
(他)IMF 世界経済見通し(WEO)
(他)ブラジル 2月 小売売上高(前年比)
1月:▲10.3%、2月:(予)▲5.9%

4/13(水)

(日)黒田総裁 講演(米コロンビア大学)
(米)ベージュブック(地区連銀経済報告)
(米)2月 企業売上・在庫(在庫、前月比)
1月:+0.1%、2月:(予)▲0.1%
(米)3月 小売売上高(前月比)
2月:▲0.1%、3月:(予)+0.1%
(米)JPモルガン・チェース 2016年1-3月期決算発表
(欧)2月 鉱工業生産(前月比)
1月:+2.1%、2月:(予)▲0.7%
(他)IMF 国際金融安定性報告書(GFSR)
(英)金融政策委員会(MPC、〜14日)
資産買入れ規模:3,750億£⇒(予)3,750億£
(中)3月 貿易統計(米ドル建て、前年比)
輸出  2月:▲25.4%、3月:(予)+10.0%
輸入  2月:▲13.8%、3月:(予)▲10.1%

4/14(木)

(米)パウエルFRB理事議会証言
(米)バンク・オブ・アメリカ 2016年1-3月期決算発表
(米)ウェルズ・ファーゴ 2016年1-3月期決算発表
(米)3月 消費者物価(前年比)
2月:+1.0%
3月:(予)+1.1%
(他)G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、〜15日)
(豪)3月 失業率
2月:5.8%
3月:(予)5.9%

4/15(金)

(日)2月 製造工業 稼働率指数(前月比)
1月:+2.6%、2月:(予)NA
(米)3月 鉱工業生産(前月比)
2月:▲0.5%、3月:(予)▲0.1%
(米)4月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
3月:0.62、4月:(予)2.00
(米)4月 ミシガン大学消費者信頼感指数(速報)
3月:91.0、 4月:(予)92.0
(米)シティグループ 2016年1-3月期決算発表
(他)IMF ・世界銀行 春季会合(ワシントン、〜17日)
(中)1-3月期 実質GDP(前年比)
10-12月期:+6.8%、1-3月期:(予)+6.7%
(中)3月 鉱工業生産(前年比)
1-2月:+5.4%、3月:(予)+6.0%

4/17(日)

(他)産油国会議(増産凍結協議、カタール ドーハ)

注)上記の日程及び内容は変更される可能性があります。

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