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【そうだったのか!ETF徹底解剖】 第3回 ETF投資のコスト 経費率だけで判断していいの?

2017/12/06

ETFはコスト効率がいい投資ツールであるとよく言われます。ただそれは、経費率が低いからというだけで語られることが多いように思われます。確かに、経費率はETFのコストの中で重要な位置を占めますが、それだけでコスト比較をするのは拙速です。ここでは、ETFと投資信託、および現物のバスケットを保有した場合を比較しながら、ファンド投資のコストを考えていきます。

コストのいろいろ

金融商品の保有に関するコストは大きく4つに分けることが出来ます。まずは買い付けにかかるコスト、次に保有期間中に継続的にかかるコスト、配当や分配金にかかるコスト、そして売却する際にかかるコストです。これらを総合したものが最終的なコストとなります。
保有コスト、及び配当・分配にかかるコストについては、保有期間中に継続的にかかってくるものとなるので、保有期間に応じて計算する必要があります。これを式で示すと、
トータルコスト = 購入コスト+(保有コスト+配当・分配にかかるコスト)×保有期間+売却コスト
(注:保有コストおよび配当・分配にかかるコストは1保有期間あたり)
となります。
以下、円ベースの投資家が、さまざまな商品を通じて同じ米国株式のバスケットのエクスポージャーに投資することを想定して、これらのコストの詳細について見ていきます。

購入時にかかるコスト

米国株の現物バスケットを直接購入する場合は、為替を円からドルに転換する際のスプレッド、および株式のスプレッドと売買手数料がコストとなります。
国内籍の公募投資信託を用いた場合は、まず販売会社に支払う販売手数料がかかります。これは最近では無料としているケースもあります。ファンドは現金を受け取り、ファンド内で為替をドルにして現物のバスケットを購入するため、現物のバスケットを購入する際のスプレッドや売買手数料がかかります。これを設定の申し込みをした投資家に負担してもらうために信託財産留保額が存在しています。信託財産留保額を解約ペナルティとして解釈して、追加設定の際には信託財産留保額を徴収しないファンドが散見されますが、設定時に徴収しないということは、新たに設定をしてきた投資家の取引コストを既存の受益者が負担していることになっているということを認識することが重要です。
国内上場のETFを市場で買いつける場合は、ETFのスプレッド(流動性にもよりますが、ここには為替のスプレッドと株式のスプレッドの両方が織り込まれていると考えるべきでしょう)とETFの売買手数料がかかります。また、ETFの純資産価額を基準として考えるのであれば、NAVやiNAV(インディカティブNAV)からの乖離であるプレミアム/ディスカウントも考慮する必要があります。
米国に上場しているETFを市場で買い付ける場合は、為替のスプレッドを支払ってドルを手に入れ、その上で米国市場におけるETFのスプレッドと売買手数料、プレミアム/ディスカウントなどが掛かってきます。

保有時のコスト

現物バスケットについては、自分でポートフォリオを管理しているために、信託報酬などのコストは掛かってこないと考えられます。ただし、自分でポートフォリオを管理することについて自分の手間をかけるという意味でのコストがありますので、この点は留意する必要があります。(また、厳密に言えば、インデックスのデータが必要な場合はその費用を自分で払う必要があるかもしれません。)
国内籍の公募投信および国内上場のETFについては、投資信託の管理に関わる信託報酬の他に、その他費用としてさまざまな費用がかかってきます。また、日本においては消費税が信託報酬に課せられます。
一方で米国上場ETFの場合、一般的には、経費率という中に日本でいうところのその他費用の多くの部分が含まれているとみなすほうがよいでしょう。(個別のファンドやそのストラクチャーによってさまざまなケースが想定されます。あくまで一般的な場合の事例です。)
それとは別に、すべてのケースに関して、ポートフォリオの運用に関わるコスト(リバランスの際の売買手数料など)とポートフォリオがベンチマークから乖離するリスクが存在します。(トラッキングエラーは厳密に言えば標準偏差なので、コストとは異なります。どの程度のトラッキングエラーのリスクを許容するのかは投資家によって異なります。)
また、保有している間、保有銘柄を貸し出すことによって追加的な収益機会が存在します(セキュリティ・レンディング)。この収益はファンドの純資産に反映されることとなります。さらにETFに関しては、投資家が直接保有している受益権をさらに貸し出すことが可能です(これはETFの二重のレンディングと呼ばれています)。これは非上場の投資信託にはできないETF独自の特徴ですあり、米国上場のETFに関しても最近ではその貸出サービスを提供している証券会社も存在しています。これらの貸株による追加収益は、保有コストを軽減する要素となります。(場合によっては保有コストを補完してなお収益が残るケースもあります。)

配当/分配金にかかるコスト

配当や分配金にかかるコストとは主に税金です。投資信託および国内ETFの場合は、保有株式の配当金から米国で源泉徴収をされたものを原資として分配金が支払われ、それに対して日本で課税処理がなされます。一方で、米国上場ETFはファンド内で受け取る米国株式からの配当については非課税で、分配時に現地で源泉徴収がなされます。このときの現地源泉税については、現物株式に直接投資したときの配当金と同様に、日本で外国税額控除の対象となります。一般的に、国内の公募投信についてこれはできません。
また、ドルの配当・分配金を受け取ってから、またはファンドの中において為替を円に戻す際に為替のスプレッドがかかってきます。

売却時のコスト

売却時のコストは購入時のちょうど逆になりますので、ほぼ同じ項目となっています。ただし、投資信託の販売手数料は購入時だけのものですので、売却時にはかかりません。

米国株式に投資した場合の手法によるコストの違い

*ファンドにより取扱が異なる

※上記は一般的な場合を説明したもので、すべての事象を網羅しているわけではありません。また、弊社はお客さまに税務上、会計上、または法律上の助言を提供しておりません。ご自身の税務、会計、または法律のアドバイザーにご相談されるようお勧めいたします。

まとめ

ETF投資のコスト=経費率という式は明らかに間違いであり、金融商品の選択にはさまざまな観点からのコスト分析が必要です。 金融商品、とくにファンドについて比較する際に、単純に経費率や信託報酬のみに目が行きがちですが、実際のコストは、購入〜保有〜配当・分配の受領〜売却というそれぞれの場面で異なるコストがかかってきます。本稿では、なるべく横比較が出来るように図示しましたが、ファンドのストラクチャーや個別のファンドごとにも細かい違いがあり、一概にこうすれば完全に比較できるという方法は残念ながら今のところありません。しかしながら、ある程度の金融商品への投資にかかるコストの考え方の整理はできたのではないでしょうか。
長期投資家にとっては、購入や売却のコストが高くても保有時のコストが低いことが重要でしょうし、短期の取引であれば多少保有時のコストの水準が高くても、取引にかかるコストが低廉であることのほうが重要でしょう。
また、今回は同じエクスポージャーの場合においてのコストについて議論しましたが、もし、同じ米国株でも異なる投資対象の商品同士(例えばスマートベータと時価総額加重)を比較するであれば、コストの分析よりもエクスポージャーの分析のほうが圧倒的に重要です。コストの分析を詳細まで突き詰めることは重要ではありますが、その他の部分のほうが最終的にパフォーマンスを左右する可能性が高いのであれば、そちらの分析を優先するべきであるということを忘れてはいけません。

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著者

渡邊 雅史(わたなべ まさふみ)

ウィズダムツリー・ジャパン株式会社 ETFストラテジスト

アクセンチュア株式会社にて金融機関向けコンサルティング業務に携わった後、バークレイズ・グローバル・インベスターズ(現ブラックロック・ジャパン)にて、ポートフォリオマネジャー、ストラテジスト、及びETF部門専任のストラテジストを歴任。金融ベンチャー企業に参画した後、2016年よりWisdomTree JapanのETFストラテジスト。ETF市場の分析、ETFを用いた運用戦略の立案・提案業務などに携わる。
慶應義塾大学総合政策学部卒、早稲田大学大学院ファイナンス修士(MBA)。
著書に『計量アクティブ運用のすべて』(金融財政事情研究会)(共著)

渡邊 雅史

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