“再生可能エネルギー動向、7月FOMCフェド・ウォッチ”
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先週(2022年6月14日号)、①燃料(Fuels)、②航空・防衛(Aerospace & defence)、③農業(Agriculture)、④原子力・再生可能エネルギー(Nuclear and renewable
energy)、⑤金および非鉄金属・貴金属(Gold and other base & precious
metals)を意味する「FAANG2.0」を取り上げた。その中で、④の「N」に関する原子力・再生可能エネルギーついて纏めておきたい。
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バイデン大統領は今月6日、太陽光発電を支援する大統領令に署名。バイデン政権は2035年までに電源構成の太陽光発電割合を4割に引き上げる目標を掲げる一方で、トランプ前政権が科した太陽光パネルへの緊急輸入制限と追加関税措置を継続していた。そのような中でロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰で上昇した光熱費を抑えるため、タイ、マレーシア、ベトナム、カンボジアのアセアン4ヵ国への2年間の関税免除を決定した。
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その恩恵を受けるとみられるのが、エンフェーズ・エナジー(ENPH)のような太陽光発電・蓄電システムを運営する企業だ。一方で、ファースト・ソーラー(FSLR)のような太陽光パネル製造メーカーは輸入業者との厳しい競争に晒されることとなるところ、バイデン大統領は6日に併せて国防生産法も発動。国内での太陽光パネル生産やクリーン・エネルギー関連機器の生産増強に乗り出した。太陽光パネル製造メーカーへの逆風は限定されよう。
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今年2月、バイデン政権は産業部門における気候変動対策を推進し、再生エネで水を電気分解して作る「グリーン水素」への取組みを対象とした95億ドルの投資を超党派インフラ整備法に基づいて開始している。ロシアのウクライナ侵攻を受け、化石燃料への依存を減らしたい欧州は、再生エネを使って自給できるグリーン水素を次世代エネの主役とする動きも根強い。
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15日に声明が発表されたFOMC(連邦公開市場委員会)後の記者会見でパウエル議長は「次回7月は0.50%または0.75%で、0.75%が一般的ではない」と発言したことから、FOMCでの政策金利変更の可能性について最新の実現確率を算出するCMEの「フェド・ウォッチ」でも0.75%利上げの確率がゼロとなった。それに伴い、15日の米国株式市場では主要株価指数が軒並み大幅高となった。ところが、17日になってミネアポリス地区連銀カシュカリ総裁やウォーラーFRB理事が次回7月FOMCでの0.75%利上げ支持を打ち出したことから、週明け20日は0.75%利上げ確率が9割を超えた。次回FOMCの大幅利上げ確率の変動を見て株価変動率(ボラティリティ)が高まりやすくなっている点は要注意だろう。主要株価指数については、コロナ禍前の2020年2月高値近辺の価格帯が意識されやすいように思われる。(笹木)
- 6/21号では、アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ、コノコフィリップス(COP)、ヘインズブランズ(HBI)、オラクル(ORCL)、プラグ・パワー(PLUG)、VF(VFC)を取り上げた。
ウィークリーストラテジー
S&P500業種別およびダウ平均構成銘柄の騰落率(6/17現在)
主要企業の決算発表予定
6月21日(火) | レナー |
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6月23日(木) | フェデックス、アクセンチュア、ファクトセット・リサーチ・システムズ、ダーデン・レストランツ |
6月24日(金) | カーニバル、カーマックス |
6月27日(月) | ナイキ |
主要イベントの予定
6月21日(火) |
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6月22日(水) |
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6月23日(木) |
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6月24日(金) |
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6月25日(土)26日(日) |
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6月27日(月) |
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- ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成
銘柄ピックアップ
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(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。 |
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- (※)決算発表の予定は6/17現在であり、変更される可能性があります。