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マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “JOLTS・FOMC議事録・雇用統計、バリューの銀行株”

“JOLTS・FOMC議事録・雇用統計、バリューの銀行株”

2022/1/12
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘

“JOLTS・FOMC議事録・雇用統計、バリューの銀行株”

  • 年末年始を挟んで堅調に推移していた米国株式市場は、5日のFOMC議事要旨(12月開催分)の公表によって一転。利上げ前倒しとFRBのバランスシート縮小への懸念に神経を擦り減らす相場へと変質してしまったかの様相を呈した。その前日に発表された11月の米雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が過去最高近辺にとどまるなかで自発的離職者数が過去最高を記録するなど、労働者が給与その他待遇面で強気で転職活動を行う一方で雇用者数が人材引き留めに苦慮していることが示された。7日発表の雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想の半分以下だったにもかかわらず、失業率が前月比0.3ポイント低下の3.9%、平均時給が同0.6%上昇と賃金上昇が加速したことも労働市場の需給が極めてタイトであることの表れと言えよう。
  • このような動きを受けて、CME金利先物市場では今年3月での利上げ確率が80%に達し、ゴールドマン・サックスは年内の利上げについて3・6・9・12月の4回の見通しを公表。バランスシート縮小も6月か7月に開始されるとの見通しが市場で優勢となり、6日と7日の米10年国債利回りは1.8%近辺でもみ合った。仮に0.25%利上げが23年までに6回行われれば、政策金利(FFレート誘導目標)上限は1.75%に達する。利上げが6回までという見通しが優勢のままであれば、10年国債利回りの1.75%超えは超長期の資金を運用する日本の生保や年金にとって魅力的な水準とみられる余地があろう。
  • 米国の銀行株は、ここ数年は長短金利の低下による預貸利鞘の縮小を受けて融資を中心とした商業銀行部門が伸び悩んだ一方、活況な金融市場の恩恵を受けた株式・債券のトレーディング部門、およびIPO幹事やM&A助言に係る投資銀行部門が堅調に推移していた。そのようななか、米国大手銀行株6行の21年度のBloombergにおける市場予想(1/10付)を見ると、JPモルガン・チェース(JPM)は、PER(株価収益率)が11.15倍、PBR(株価純資産倍率)が1.92倍。ゴールドマン・サックス・グループ(GS)は、PERが6.65倍、PBRが1.40倍。ウエルズ・ファーゴ(WFC))は、PERが12.07倍、PBRが1.28倍。バンク・オブ・アメリカ(BAC)は、PERが14.38倍、PBRが1.60倍。シティグループ(C)は、PERが6.37倍、PBRが0.71倍。モルガン・スタンレー(MS)は、PERが13.02倍、PBRが1.90倍。これらは、S&P500(PERが21.25倍、PBRが4.31倍)およびNYダウ平均(PERが19.02倍、PBRが4.51倍)と比較しても割安であり、グロースからバリューへのシフトの流れの中で無視できないだろう。その中でも、融資を中心とした伝統的な銀行業務である商業銀行部門に強い銀行が優位に立ちやすいだろう。(笹木)
  • 1/12号では、アルベマール(ALB)シティグループ(C)ゼネラル・モーターズ(GM)パランティア・テクノロジーズ(PLTR)レイセオン・テクノロジーズ(RTX)ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(1/7現在)

主要企業の決算発表予定

1月13日(木) デルタ航空
1月14日(金) シティグループ、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー、ウェルズ・ファーゴ、ファースト・リパブリック・バンク、ブラックロック

主要イベントの予定

1月12日(水)
  • 地区連銀経済報告(ベージュブック)公表
  • 米CPI (12月)、米財政収支 (12月)
1月13日(木)
  • 米上院銀行委員会でブレイナードFRB理事のFRB副議長指名承認公聴会、リッチモンド連銀総裁・シカゴ連銀総裁が講演、ダラス連銀がタウンホール会議(オンライン)を主催
  • 米新規失業保険申請件数 (8日終了週)、米PPI (12月)
1月14日(金)
  • ニューヨーク連銀総裁がウェビナーで講演
1月17日(月)
  • 米国株式市場休場(キング牧師の日)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アルベマール(ALB)市場:NYSE・・・2022/2/16に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1887年設立の特殊化学品メーカー。リチウム、臭素スペシャルティ、触媒の3事業セグメントを展開。生産量で世界首位のリチウムは携帯電話や電気自動車(EV)向けのリチウム電池に使われる。
  • 11/3発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比11.2%増の8.30億USD、Non-GAAPの調整後EBITDAは同0.7%増の2.17億USD。主力のリチウム事業は、売上高が同35.2%増の3.59億USD、調整後EBITDAが同28.3%増の1.25億USD。電気自動車(EV)需要増に伴い販売数量が同30%増。
  • 通期会社計画は、売上高を前期比5.5-8.7%増の33-34億USDと従来計画を据え置いたが、調整後EBITDAを同1.5-5.0%増の8.30-8.60億USD(従来計画8.10-8.60億USD)に引き上げた。テスラ(TSLA)をはじめ自動車メーカーのEV販売が拡大するなか、リチウム需要も拡大の一途。特に中国で新エネルギー車販売台数の伸びに伴いリチウム電池の材料である炭酸リチウム価格の高騰が続いている。

シティグループ(C)市場:NYSE・・・2022/1/14に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1812年設立のグローバルバンク。個人向け銀行業務、クレジットカード、法人・投資銀行業務、トランザクション・サービス、資産管理など幅広いサービスを提供する。世界160超の国・地域で展開。
  • 10/14発表の2021/12期3Q(7-9月)は、総収益が前年同期比0.9%減の171.54億USD、純利益が同47.6%増の46.69億USD。株式トレーディングや投資銀行業務の好調が総収益を下支えしたほか与信関連費用の減少が増益に寄与。前四半期比は、総収益が3.9%増、純利益が10.4%減だった。
  • 3Qは純金利収益が前年同期比0.9%減、純金利マージンが同0.1ポイント下落の1.93%。また、1/10終値の20年末比での上昇率は、S&P500のうち銀行業セクター全株式で構成されるS&P銀行株指数が44.6%に対して同社株価が10.4%にとどまる。21年度市場予想でPERが6.37倍、PBRが0.71倍と割安感が目立つなか、FRBの利上げ前倒しにより預貸利鞘拡大に伴う収益改善が期待される。

ゼネラル・モーターズ(GM)市場:NYSE・・・2022/2/1に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • 1908年設立。主にビュイック、キャデラック、シボレー、GMCなどのブランド名で自動車、トラックなど各種車両、自動車部品を設計・製造・販売を展開。近年は電気自動車(EV)に経営資源をシフト。
  • 10/27発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比24.5%増の267.79億USD、純利益が同40.2%減の24.20億USD。世界的半導体不足による減産、およびデルタ変異株感染拡大により東南アジアからの半導体供給が滞ったことが響き、卸売ベース世界販売台数が同約44%減となった。
  • 通期会社計画を上方修正。Non-GAAPの調整後EPSを前期比16-37%増の5.70-6.70USD(従来計画5.40-6.40USD)とした。同社CEOによれば、半導体の調達難は年末にかけて緩和し、通期業績は予想の上限に近づく見通し。同社は1/5、家電・デジタル展示会「CES 2022」の基調講演で自社製造EV電池「アルティウム」のほか、商用EVのウォルマート(WMT)フェデックス(FDX) への納入を発表。

パランティア・テクノロジーズ(PLTR)市場:NYSE・・・2022/2/16に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • ペイパル共同創業者で起業家のピーター・ティール氏らが2003年に設立 。ビッグデータ解析プラットフォームを開発・提供。米諜報機関が対テロ分析で活用するほか、ヘッジファンドなども利用。
  • 11/9発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比2.6倍の3.92億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同50.6%増の8,207万USD。売上高のうち民間商業向けは、売上高が同37%増と前四半期の同28%増から伸びが加速のほか、9月末顧客数が前四半期末比46%増と急成長を示した。
  • 調整後フリーキャッシュフローの通期計画を従来計画の3.00億USDから4.00億USDへ引き上げたほか、2025年まで5年間の年平均増収率を30%以上と見込む中で21年通期売上高を前期比40%増とした。米中対立が続くほか、軍事的緊張が続くウクライナ情勢を巡り1/10より米露2国間協議が行われている。中国などのネットスパイ活動を検知した実績がある同社ツールの重要性が更に高まろう。

レイセオン・テクノロジーズ(RTX)市場:NYSE・・・2022/1/25に2021/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定 

  • ユナイテッド・テクノロジーズの航空宇宙部門とレイセオンの経営統合で2020年に設立。コリンズ航空宇宙システム、プラット&ホイットニー、インテリジェンス&宇宙、ミサイル&防衛の4部門から構成。
  • 10/26発表の2021/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比9.9%増の162.13億USD、既存事業に係るNon-GAAPの調整後純利益が同2.2倍の18.96億USD。旧レイセオンのインテリジェンス&宇宙、ミサイル&防衛の2部門統合が増収に寄与。利益面では統合シナジー効果が4.96億USDに達した。
  • 通期会社計画は、売上高を前期比39.8%増の645億USD(従来計画644-654億USD)とした一方、調整後EPSを同50.2-53.8%増の4.10-4.20USD(同3.85-4.00USD)と引き上げた。極超音速ミサイルについてロシア・中国が開発済みのほか北朝鮮による日本海への発射実験が行われるなど戦略的脅威増大を受けて、米国防総省と議会が極超音速兵器の開発・配備に強い関心を示している模様。

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)市場:NASDAQ ・・・2022/3/31に2022/8期2Q(12-2月)の決算発表を予定 

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1849年創業した米国・欧州最大のドラッグストアチェーン。持分法適用企業を含め25ヵ国以上で「Walgreens」「Boots」などのブランドのもと18,750店以上の店舗を展開。自社製品ブランドも提供。
  • 1/6発表の2022/8期1Q(9-11月)は、売上高が前年同期比7.8%増の339.01億USD、継続事業に係るNon-GAAPの調整後EPSは同54.1%増の1.68USD。新型コロナに係るワクチン接種およびPCR等検査需要を背景に既存店売上高で米Walgreenが同10.6%増、英Bootsが同16.3%増と伸長した。
  • 通期会社計画を上方修正。調整後EPSを前期比1桁台前半(従来計画:横ばい)の伸び率とした。オミクロン変異株感染拡大を受けて米疾病予防管理センター(CDC)が1/5、新型コロナワクチンの追加(ブースター)接種対象年齢に12-15歳も含めると発表のほか、英国でも18歳以上へのブースター接種提供を昨年12月に前倒しする動きが見られた。検査件数増と共に業績への追い風となろう。
  • (※)決算発表の予定は12/31現在であり、変更される可能性があります。
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