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“債券の「コンベクシティ・ヘッジ」に揺れる米国株市場”

2021/3/2
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:笹木 和弘、李一承

“債券の「コンベクシティ・ヘッジ」に揺れる米国株市場”

  • 2/25、米国債券市場が大きく揺れた。パウエル米FRB議長は2/23-24の議会証言で、景気が明確に改善するまでは金融政策を変更しないことを強調。早期金融引締め観測を打ち消したものの、セントルイス地区連銀のブラード総裁による「10年国債利回り上昇は妥当で、良好な兆候」といった発言を受け、短期債から超長期債まで利回りが上昇。その余波は株式市場に及び、高PERグロース銘柄が売られたほか、S&P500株価指数の配当利回り(約1.5%)が安全資産の10年国債利回りに対する優位性を失うとの見方から幅広い銘柄が売られた。
  • 今回の国債利回り上昇加速については、住宅ローン担保証券(MBS)の価格変動の特殊性を理解する必要があろう。債券価格(縦軸)と利回り(横軸)には、利回りが上昇(下落)すれば価格が下落(上昇)する逆相関の関係があるなか、通常の債券は将来的に額面(100%)で償還されることに伴い、利回り上昇に対して徐々に価格の下方硬直性が作用し、利回り・価格曲線が下に凸のグラフとなる。これに対しMBSは、担保となる住宅ローンが利回り低下時に借り換え・繰上償還が増加することから価格の上方硬直性がみられる。その一方、利回り上昇時には繰上げ早期償還の減少に伴い、住宅ローン平均回収期間(デュレーション)が長期化し、それを担保とした債券の価格下落が一挙に加速する。そのため、利回り・価格曲線が上に凸のグラフとなる。これが「ネガティブ・コンベクシティ」と呼ばれる。利回り上昇による価格下落の加速をヘッジするためには、債券ポートフォリオ全体の加重平均デュレーションを短期化する必要があり、そのために流動性のある国債売却を加速させることになる。これが「コンベクシティ・ヘッジ」と呼ばれる。当面は金利が上昇し易いニュースに要注意だろう。
  • 今年1月、YouTube SBI証券公式チャンネルに「2021年の米国株投資(ストラテジー)※YouTubeに遷移します」および「2021年の米国株投資(銘柄ピックアップ)※YouTubeに遷移します」の2動画がアップされた。前者の中で「長期金利上昇リスク」や「時価総額が特定少数銘柄に偏るリスク」などをリスク要因として挙げたなか、長期金利上昇が急激に進んだ場合、高PER是正に伴うビッグテック銘柄の株価調整下落が進みやすくなることには注意が必要だろう。また、後者でピックアップした銘柄では、石油株のシェブロン(CVX)のほか、コモディティシフト関連のフリーポート・マクモラン(FCX)アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)などは、景気回復・物価上昇を伴う長期金利上昇が追い風となりやすいだろう。(笹木)
  • 3/2号では、アプライド・マテリアルズ(AMAT)百度[バイドゥ](BIDU)ボール(BLL)ダイナトレース(DT)フォーティネット(FTNT)ウエイスト・マネジメント(WM)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(2/26現在)

主要企業の決算発表予定

3月2日(火)ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、ロス・ストアーズ、ターゲット、オートゾーン
3月3日(水) オクタ、マーベル・テクノロジー・グループ、スプランク、携程旅行網[トリップドットコムグループ]、ブラウン・フォーマン、ダラー・ツリー
3月4日(木)ブロードコムコストコホールセール、クーパー、ギャップクローガー

主要イベントの予定

3月2日(火)
  • ブレイナードFRB理事討論会参加、サンフランシスコ連銀総裁の講演
  • 米自動車販売(2月)
3月3日(水)
  • フィラデルフィア連銀総裁討論会参加、シカゴ連銀総裁講演、地区連銀経済報告(ベージュブック)公表
  • ADP雇用統計(2月)、ISM非製造業総合景況指数 (2月)
3月4日(木)
  • 「OPECプラス」閣僚級会合(オンライン形式)
  • 新規失業保険申請件数 (2月27日終了週)、製造業受注 (1月)、非農業部門労働生産性(4Q)
3月5日(金)
  • 米雇用統計(2月)、貿易収支(1月)、消費者信用残高(1月)
3月8日(月)
  • 米卸売売上高(1月)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

アプライド・マテリアルズ(AMAT)市場:NASDAQ ・・・2021/5/20に2021/10期2Q(2-4月)の決算発表を予定

  • 1967年に設立した半導体・ディスプレイ製造装置メーカー。マテリアルズ・エンジニアリングのリーディング企業として世界中のほぼ全ての半導体チップや先進ディスプレイの製造に関与している。
  • 2/18発表の2021/10期1Q(2020/11-21/1)は、売上高が前年同期比24.0%増の51.62億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同41.8%増の12.82億USD。ファウンドリ・ロジック向けは同7.7%増収にとどまったが、DRAM向けが同43.1%増収、フラッシュ・メモリー向けが同85.7%増収と伸びた。
  • 2021/10期2Q(2-4月)の会社計画は、売上高が51.9-55.9億USD(前年同期39.57億USD)、調整後EPSが1.44-1.56USD(同0.89USD)。半導体システム部門の売上高を前年同期比50.0%増の38.5億USDと見込む。5G通信向けインフラ需要に伴うファウンドリ・ロジック向けの伸びが期待されるほか、世界的半導体不足の環境の下、供給がより不足しているDRAM向けがNAND向けを上回る見通し。

百度[バイドゥ](BIDU)市場:NASDAQ(ADR) ・・・2021/5/18に2021/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

  • 2000年に設立の中国ネット検索エンジン最大手。モバイルアプリ「Baidu App」、会話式AIアシスタント「DuerOS」、自動運転エコシステム「Apollo」、クラウドのほか、傘下に動画配信「iQIYI」を擁する。
  • 2/17発表の2020/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比4.8%増の302.63億元、Non-GAAPの調整後純利益が同24.3%減の75.33億元、調整後EBITDAが同3.7%減の94.22億元。クラウドの同67%増収が全体の増収に貢献した一方、販促費や研究開発費が嵩んだことが減益に響いた。
  • 2021/12期1Q(1-3月)の会社計画は、ライブ配信のYY Live買収を除く売上高が260-285億元(前年同期225.45億元)。香港・マカオ・広東省に跨る大湾区でAI産業クラスター、AI応用デモンストレーションエリアを立ち上げたほか、複合的AI技術に係るマルチモーダルMaaSのパイロットプログラムを広州で開始。自動運転プラットフォーム「アポロ」搭載車両の目標を今後3年で1億台超とした。(李)

ボール(BLL)市場:NYSE ・・・2021/5/7に2021/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

  • 飲料・食品の金属空缶、プラスチック、エアゾール製品を手掛ける容器メーカー。アルミ缶では世界最大手。2016年に英国同業のレクサムを買収し、売上高を4割近く拡大。航空宇宙事業も展開。
  • 2/4発表の2020/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比14.1%増の31.02億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同14.2%増の2.72億USD。世界の飲料缶出荷量が同12%増だったなか、主力の北米・中米出荷量が同11%増と3Qの同6%増から上昇。航空宇宙事業も同5.5%増収と伸びた。
  • 2021/12通期会社計画の公表を見送ったが、世界の飲料缶需要が2025年までに1,000億缶増加する見通しの下、少なくとも450億缶を確保すべく、21年以降の設備投資を従来の年間10億USD超から15億USD超へ引き上げる方針。今後は米国のほか、チェコやブラジルなどで生産ライン新設の予定。アルミ飲料缶市場はリサイクル率上昇に伴う拡大が見込まれ、同社への追い風となろう。(李)

ダイナトレース(DT)市場:NYSE ・・・2021/5/12に2021/3期4Q(1-3月)の決算発表を予定

  • AIが搭載されるクラウドベースのAPM(アプリケーション性能管理)ソフトウェア「 Dynatrace」を手掛ける。ユーザーが気付く前にパフォーマンスの最適化が可能な独自AIエンジン「Davis」も提供。
  • 2/3発表の2021/3期3Q(10-12月)は、売上高が前年同期比27.6%増の1.83億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同77.1%増の4,765万USD。内、サブスクリプション収入が同33%増収の1.70億USD。Dynatraceは年間経常収益(ARR)が同35%増の7.22億USD、1社当たりARRが同20%増だった。
  • 2021/3通期会社計画を上方修正。売上高を6.97-6.99億USD(従来計画6.68-6.75億USD)、調整後純利益を1.75-1.78億USD(同1.58-1.64億USD)。サブスクリプション収入を6.5-6.52億USD(同6.24-6.30億USD)とした。3Q末顧客数が2Q末比200社増の2,794社、3種類以上のサービス利用ユーザー比率が前年同期比9ポイント上昇の33%。サービスナウに続き、グーグル・クラウドとも提携。(李)

フォーティネット(FTNT)市場:NASDAQ ・・・2021/5/6に2021/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

  • 2000年設立。サイバーセキュリティーの世界的大手でITインフラストラクチャー全体を保護する高性能セキュリティーを提供する。製品にはファイアウォールプラットフォーム「FortiGate」などがある。
  • 2/4発表の2020/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比21.0%増の7.48億USD、Non-GAAPの調整後純利益が同29.9%増の1.76億USD。内、サービス事業が同21.2%増収の4.60億USD、製品事業が同20.8%増の2.88億USD。継続課金に係る「請求額」(Billings)が同19.8%増の9.61億USD。
  • 2021/12通期の会社計画は、売上高が30.25-30.75億USD(前期実績25.94億USD)、調整後EPSが3.6-3.75USD(同3.35USD)、請求額が35.6-36.4億USD(同30.9億USD)、調整後営業利益率が25.0-27.0%(同26.9%)。同社は、スマホをはじめデバイスへのデータ接続量が4Gと比べて10倍以上に達する5G通信の普及によりセキュリティリスクが増大し、事業機会が拡大すると見込んでいる。(李)

ウエイスト・マネジメント(WM)市場:NYSE ・・・2021/5/6に2021/12期1Q(1-3月)の決算発表を予定

(注)日足の始値と終値をローソク足で表示。「始値>終値(陰線)」なら緑、「始値<終値(陽線)」なら赤。

  • 1968年設立。全米最大規模の廃棄物管理サービス会社であり、廃棄物の回収、移送、リサイクル、資源回収、処分を行う。廃棄物再エネルギー施設の開発・運営・所有業者としても全米首位。
  • 2/18発表の2020/12期4Q(10-12月)は、売上高が前年同期比5.7%増の40.67億USD、純利益が同5.1% 減の4.81億USD。昨年のAdvanced Disposal買収に係る減価償却費が最終減益に響いた。調整後EBITDAは同1.9%増。主力のゴミ収集が同4.2%増収の26.94億USD、コア単価が同3.2%上昇。
  • 2021/12通期会社計画は、売上高が前期比10.75-11.25%増、調整後営業EBITDAが47.5-49.0億USD(前期実績43.21億USD)。Advanced Disposal の買収による増収効果のほか、収集・処分事業の内部売上高を同4-4.5%増と見込む。サービス提供のコア単価を同4.0%以上とする値上げ戦略で増収およびキャッシュフロー拡大を図る。2021年度も増配なら18年連続の増配となる。(李)
  • (※)決算発表の予定は2/26現在であり、変更される可能性があります。
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