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2019-06-18 21:43:01

マーケット > レポート > 米国ウィークリー・マンスリー >  “勝者が正義?”

“勝者が正義?”

2018/10/30
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:庵原 浩樹、増渕 透吾

“勝者が正義?”

  • “勝者が正義”。米国で“アメリカ人の考え方”として聞いた言葉だが、真偽は定かではない。ただ、もはや通用しない考え方であろう。実際、大統領選勝者のトランプ大統領は、マスコミを初め企業やそのトップ、著名な俳優やアーティストなどから多くの非難を受けている。パンドラの箱を開けた面もあろうが、時代が同大統領を誕生させたとも言えよう。では“正義は勝つ”か?正義の定義が難しい時代とも言えそうだ。
    多民族国家の米国では、ヒスパニック系やアジア系の人口が大幅に増え、かつてのマイノリティーの人口構成が高まり、圧力やストレスを感じる白人も少なくないようだ。米国を象徴する「人種のるつぼ」(melting pot)は文化が混じり合っていく様だが、現在では混ぜても決して溶け合うことがない意味合いとして「人種のサラダボウル」(salad bowl)という言い方がなされている。並立共存を強調した表現だが、ルーツ・肌の色の違いによる差別など根深い問題は容易には解決できないようだ。11/6の中間選挙では、上院で共和党が過半数を維持し、下院は民主党が過半数を奪うとの見方が大勢で、ねじれにより共和党の暴走に歯止めが掛けられるとの見立てだ。ただ、野党・民主党内部でも分裂が生じ、政治経験のないヒスパニック系議員が誕生するなどしている。Divided(分断)が当たり前の前提であり、あたかも人種代表の政治家の色彩が濃くなっている面もある。ただ、政治経験のない元実業家の第45代アメリカ合衆国大統領は、MAGA(Make America Great Again)の選挙スローガンの基、多くの非難を受けつつも、ビジネス経験を活かしてこの国の栄光を取り戻そうとしている。
  • 7-9月期のGDP成長率(速報値)は前期比年率3.5%増と市場予想を上回る良好な着地であったが、詳細にやや不安を感じさせた。個人消費は同4.0%増と引き続き好調が確認された一方、設備投資は同0.3%減と2015/4Q(7-9月)以来のマイナスとなった。また、輸入は同10.3%増と大幅なプラス転換の一方、輸出が同3.5%減とマイナスに転じ急速な落ち込み。輸入は追加関税引き上げ前の駆け込み需要が拡大した一方、輸出はそうした制裁措置などの影響が表れ始めたものと見られる。
     10/26現在、2018/3Q(7-9月)決算では、S&P500構成企業のうち239社が発表を行い、EPSが市場予想を上回った企業が187社(サプライズ比率76.2%)と良好な状況である。ただ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)のように売上見通しが市場予想を下回ったことで同社株価は大きく売られた。貿易摩擦など景気懸念から、投資家は企業のトップライン動向を見極めているようだ。11月は、月初の重要経済指標の他、中間選挙、米露、米中首脳会談などビッグイベントを消化しつつ、クリスマス商戦への期待が徐々に高まり、株式市場は10月の下げ相場の戻りを試す展開を予想する。(庵原)
  • 10/30号ではボーイング(BA)イルミナ(ILMN)インテル(INTC)マクドナルド(MCD)マイクロソフト(MSFT)ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(10/26現在)

主要企業の決算発表予定

10月29日(月)HSBCホールディングス
30日(火)GE、マスターカード、ファイザー、コカ・コーラ、フェイスブック、BNPパリバ、フォルクスワーゲン、BP、フィアット・クライスラー、中国農業銀行、中国工商銀行
31日(水)GM、AIG、スプリント、エアバス、 サノフィ、サムスン電子
11月1日(木)アップル、ロイヤル・ダッチ・シェル、INGグループ、クレディ・スイス、シャイアー
2日(金)シーゲイト、エクソンモービル、シェブロン、アリババ

主要イベントの予定

10月30日(火)
  • アップル、ニューヨークで製品発表会
  • 10月の消費者信頼感指数
  • 8月の主要20都市住宅価格指数
10月31日(水)
  • 10月のADP雇用統計
  • 7-9月の雇用コスト指数
  • 中国10月の製造業PMI 、非製造業コンポジットPMI
11月1日(木)
  • 中国が一部品目の輸入関税引き下げ
  • 7-9月の労働生産性 (速報値)
  • 10月のISM製造業景況指数
  • 10月の自動車販売
  • 9月の建設支出
  • 10月27日終了週の新規失業保険申請件数
  • 中国10月の財新製造業PMI指数
11月2日(金)
  • 10月の雇用統計
  • 9月の貿易収支
  • 9月の製造業受注
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

ボーイング(BA)市場:NYSE ・・・2019/1/30に2018/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1916年創業。航空・宇宙機器製造会社。民間航空機、防衛・軍用機、電子・防衛システム、衛星、衛星打ち上げ機、高度情報通信システムなどを手掛ける。150ヵ国以上で展開する。
  • 10/24発表の2018/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比3.8%増の251.46億USD、純利益が同30.8%増の23.63億USD。調整後EPSは3.58USDと市場予想の3.46USDを上回った。「787」の利益率の改善した民間航空機部門が好調に推移。税金費用の減少も増益に寄与。
  • 民間航空機部門の利益率の改善やサービス部門の伸び、軍用機の受注増加を背景に、2018/12通期の会社計画を上方修正。売上高を970-990億USDから980-1,000億USDへ、調整後EPSを14.30-14.50USDから14.90-15.10USDへそれぞれ引き上げた。通期市場予想は、売上高が前期比6.3%増の993.07億USD、当期利益が同21.6%増の99.64億USD。(増渕)

イルミナ(ILMN)市場:NASDAQ ・・・2019/1/29に2018/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1998年設立。DNAシーケシング、DNAマイクロアレイなど遺伝子解析のグローバルリーダー。シーケンスキット、マイクロアレイキット、分子生物学用試薬、情報解析ツールなど提供する。
  • 10/23発表の2018/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比19.4%増の8.53億USD、純利益が同22.1%増の1.99億USD。調整後EPSは1.52USDと市場予想の1.25USDを上回った。高機能モデル「NovaSeq」から手頃な価格帯の「iSeq」まで、幅広くシーケンシングシステムが伸びた。
  • 2018/12通期の会社計画を上方修正。EPSを5.10-5.20USDから5.32-5.37USDへ、調整後EPSを5.35-5.45USDから5.70-5.75USDへ引き上げた。増収率は約20%で据え置き。通期市場予想は、売上高が前期比20.7%増の33.22億USD、当期利益が同7.5%減の9.65億USD。(増渕)

インテル(INTC)市場:NASDAQ ・・・2019/1/24に2018/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1968年に設立した世界最大の半導体メーカー。マイクロプロセッサー、チップセット、スタンドアロン型SoC(システム・オン・チップ)、FPGA製品、マルチチップパッケージなどを手掛ける。
  • 10/25発表の2018/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比18.7%増の191.63億USD、純利益が同41.7%増の63.98億USD。調整後EPSは1.40USDと市場予想の1.15USDを上回った。PC向けが好調に推移。データセンター向けなどデータセントリック事業も同22%の増収。
  • 2018/12期4Q(10-12月)会社計画は、売上高が約190億USD、EPSが1.16USD。通期計画を上方修正し、売上高を685-705億USDから約712億へ、EPSを3.90-4.31USDから4.52USDへ引き上げた。設備投資計画も14.5-15.5億USDから約15.5億USDとレンジ幅を縮小した。通期市場予想は、売上高が前期比10.6%増の694.37億USD、純利益が同2.2倍の211.73億USD。(増渕)

マクドナルド(MCD)市場:NYSE ・・・2019/1/29に2018/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1940年創業の世界的なフードサービス事業者。ファーストフード「マクドナルド」の直営店及びフランチャイズチェーンの運営を行う。100ヵ国以上で展開し、店舗は世界で36,000以上。
  • 10/23発表の2018/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比6.7%減の53.69億USD、純利益が同13.1%減の16.37億USD。前年同期の中国と香港の事業売却の反動により減益だが、EPSは2.10USDと市場予想の1.99USDを上回った。世界全体の既存店売上高は同4.2%増。各国で販売が伸びたほか米国での製品ミックスの変更と値上げによる客単価の上昇が寄与。
  • 2018/12通期の市場予想は、売上高が前期比7.7%減の210.56億USD、当期利益が同15.3%増の59.87億USD。同社は四半期配当を15%引き上げ1.16USDにすると発表。(増渕)

マイクロソフト(MSFT)市場:NASDAQ ・・・2019/1/24に2019/6期2Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1975年にビル・ゲイツとポール・アレンが設立したPCソフトウェア会社。個人・企業向けに基本ソフトウェア(OS)をはじめ、サーバー用アプリケーション、ソフト開発ツールなど提供する。
  • 10/24発表の2019/6期1Q(7-9月)は、売上高が前年同期比18.5%増の290.84億USD、純利益が同34.2%増の88.24億USD。EPSは1.14USDと市場予想の0.96USDを上回った。クラウド・コンピューティングの「Azure」の売上高は同76%増、「office 365」の売上高は同36%増だった。
  • 2019/6期2Q(10-12月)会社計画は、プロダクティビティ&ビジネスプロセス部門の売上高が99.5-101.5億USD、インテリジェントクラウド部門の売上高が91.5-93.5億USD、モアパーソナルコンピューティング部門の売上高が128.0-132.0億USD。2019/6通期の市場予想は、売上高が前期比12.5%増の1,241.93億USD、当期利益が同2.1倍の342.93億USDである。(増渕)

ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)市場:NYSE ・・・2018/1/29に2018/12期4Q(10-12月)の決算発表を予定

  • 1983年設立。米国最大の通信事業者で、全米にファイバーネットワークを形成している。また世界的に次世代通信5G、ブロードバンド、広告、IoT、セキュリティ管理などの事業を展開。
  • 10/23発表の2018/12期3Q(7-9月)は、売上高が前年同期比2.8%増の326.07億USD、純利益は同35.5%増の50.62億USD。調整後EPSは1.22USDと市場予想の1.18USDを上回った。主力のワイヤレス事業で契約者数が伸び同事業は会計基準変更の影響を除くと同6.1%増収。
  • 2018/12通期の会社計画は、売上高が前期比1桁台前半から中盤の伸び率、会計基準変更と税制改革の影響を除く調整後EPSが同1桁台前半の伸び率。2018/12通期の市場予想は、売上高が前期比3.9%増の1,308.96億USD、当期利益が同39.7%減の181.59億USD。(増渕)
フィリップ証券株式会社

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