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経済再開でいよいよ「攻め」に転じる企業部門!恩恵が期待される銘柄を探る

2021/6/16
投資情報部 榮 聡

新型コロナのパンデミックを受けて昨年中は「守り」に徹した米国企業が多かったと思われます。しかし、2021年初には配当金支払いや自社株買いを復活する動きが広がり、今後はワクチン接種の進展を受けていよいよ「攻め」に転じると考えられます。そこで、今回は企業が「攻め」に転じるときに恩恵が期待される銘柄をご紹介いたします。

図表1:注目銘柄リスト

銘柄 株価(6/15) 52週高値 52週安値
アドビ(ADBE) 548.46ドル 561.36ドル 397.00ドル
ゼブラ テクノロジーズ A(ZBRA) 506.10ドル 518.66ドル 244.32ドル
アルファベット A(GOOGL) 2428.39ドル 2455.51ドル 1351.65ドル
アクセンチュア A(ACN) 286.19ドル 294.50ドル 194.83ドル
ロバート ハーフ インターナショナル(RHI) 91.43ドル 92.32ドル 48.29ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1経済再開で「攻め」に転じる企業部門

新型コロナのパンデミックによる「都市封鎖」など未曾有の事業環境を受けて、企業は昨年から事業継続、コスト削減、手元流動性確保など「守り」の施策を重視してきたと考えられます。

しかし、有効なワクチンの接種が進んで、「経済再開」に対する自信が深まるにつれ、企業は「攻め」に転じると考えられます。そこで今回は、企業が売上拡大、利益拡大を考えるときに行うであろう「投資」から恩恵を受ける企業を探ってみました。

まず、昨年来の企業景況感の推移を、「ISM製造業景気指数」と「ISM非製造業景気指数」で見てみましょう。

企業の景況感は図表2のとおり、製造業、非製造業ともパンデミックによって急落した昨年4月を底に改善基調が続いています。図表2にプロットした範囲では、2018年半ばから2019年に米中貿易摩擦の激化を受けて低迷していたこともあり、この時期を大きく上回る水準まで上昇しています。

2000年以降の推移をみても、現在は例外的に高い水準と言えるようです。製造業景気指数の5月は61.2で、3月の64.7から低下していますが、2000年〜2020年の最高値である2004年5月の61.4に近い水準です。非製造業景気指数では、2000年〜2020年の最高値は2005年5月の61.3で、今年5月の64.0はこれを大幅に上回っているといった具合です。

つぎに、企業の景況感が改善すると、将来の売上拡大に向けて設備拡張に向かうはずですので、設備投資の先行指標と言われる耐久財受注の推移をみてみましょう。ここで言う「耐久財」とは、3年以上の使用に耐えられる機械、自動車、航空機、パソコン、家具などを指します。

図表3のとおり、耐久財受注全体ではパンデミック前の2020年2月水準をやっと回復したところです。一方、輸送機器を除くベースでは、2020年2月の水準を15%も上回っています。パンデミックで甚大な打撃を受けた航空機を除くと、企業の設備投資意欲が高まって、「攻め」に転じていると言えるのではないでしょうか。

図表2:米国の企業景況感推移

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:米国の耐久財受注(季節調整済み年率換算)

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2企業の「攻め」で恩恵が期待される銘柄を探る

前節では企業の景況感が高まっていること、設備投資意欲が高まっていることを確認しました。設備投資と言えば、普通は機械の購入や工場の建築などがイメージされます。

しかし、パンデミックによって数年分のDX(デジタルトランスフォーメーション)が一気に進んだと言われていますので、企業が事業拡大を考えるときにも、DXが意識されると思われます。そこで企業の経営者が売上の拡大を目指すときに何をするかについて、以下ではDXに関係する分野を中心に探してみました。

なお、企業のIT支出の動向を確認しておくと、ガードナー社の公表資料によると2020年は前年比2.2%減少しましたが、2021年は同8.4%増、2022年は同5.5%増と回復が見込まれています(図表4)。

【デジタル分野への投資】

これまでデジタルとは縁の無かった企業も、既にデジタルで成功している企業も、事業の一層のデジタル化を推し進めなければならないと考えているのではないでしょうか。その際に利用されるサービスを提供している企業群が注目できるでしょう。

セールスフォースドットコムは、企業向けに販売支援(顧客関係管理)、顧客サービス支援、マーケティング支援などのソフトウェアをクラウドで提供しています。アドビは、デジタルメディア作成ツールのほか、顧客管理、デジタル広告などの事業を提供しています。ショッピファイは、中小企業向けにオンラインストアを開設できるプラットフォームを提供します。

アドビ(ADBE)セールスフォース ドットコム(CRM)ショッピファイ A(SHOP)

【業務効率向上】

業務プロセスをデジタルで効率化する分野も売上拡大につながる方策として注目されそうです。

ゼブラ テクノロジーズは、業務用のモバイルコンピュータを中心に、小売、倉庫、運輸業界での作業効率化に役立つソリューションを提供しています。トリンブルは農業、建築、土木など現場での作業プロセスを効率化するソリューションを提供している企業です。ペガシステムズは、顧客管理、デジタルプロセス自動化の分野のソフトウェアをクラウドで提供する企業です。

ゼブラ テクノロジーズ A(ZBRA)トリンブル(TRMB)ペガシステムズ(PEGA)

【広告宣伝費の投入】

企業が売上拡大策を考えるとき、最も簡単にできることの一つは、広告宣伝費を増やすことでしょう。特に雑誌、新聞、テレビからシェアを奪って成長しているデジタルメディアへの広告宣伝が注目できるでしょう。米国のネット広告市場の29%と25%を占めるアルファベットとフェイスブック(2020年、eMarketer調査)への恩恵が大きいと考えられます。

パンデミックによって消費者のデジタルメディアでの滞在時間が大きく伸びたため、経済活動が正常化すると滞在時間は反動で低下する可能性があります。一方、経済再開と景気回復によって企業側の広告宣伝需要は拡大すると考えられます。実際、両社の1-3月期売上は、アルファベットが前年同期比35%増、フェイスブックが同48%増となっており、このような動きが表面化している可能性があり、さらに強まる可能性もあるでしょう。

アルファベット A(GOOGL)フェイスブック A(FB)

【コンサルティング、市場調査の利用】

企業は、(1)戦略的な決断を下そうとするとき、(2)新規事業への展開を模索するとき、(3)既存事業に新たな運営手法を導入しようとするとき、などに外部の市場調査やコンサルティングのサービスを利用する機会が増えると考えられます。

アクセンチュアは、経営コンサルティングとアウトソースを2本柱とする企業です。IHSマークイットは、経済・産業・技術情報を扱う世界大手の調査会社です。ガートナーは、IT分野中心の調査助言を行っています。

アクセンチュア A(ACN)IHSマークイット(INFO)ガートナー(IT)

【人材紹介サービスの利用】

企業が売上拡大を目指すときには人への投資も重要と考えられ、人材紹介サービスへの需要が高まると期待されます。労働を供給する側からも、パンデミックが一段落したことで新たな仕事を探す動きが活発化しています。4月の米国離職者数の雇用者全体に対する比率は2.7%と、過去20年間で最高に達しています。

ロバート ハーフ インターナショナルは専門職に特化した世界最大の人材紹介・派遣会社です。マンパワーグループは、世界的に展開する世界最大級の総合人材会社です。コーン フェリーは、グローバルに展開する人材コンサルティング会社です。

ロバート ハーフ インターナショナル(RHI)マンパワーグループ(MAN)コーン フェリー(KFY)

図表4:世界の企業によるIT支出(ガートナーの予想)

  2020年
支出額(億ドル)
2020年
(前年比、%)
2021年予想
(前年比、%)
2022年予想
(前年比、%)
データセンターシステム 2,199 2.3 7.7 4.5
エンタープライズソフトウェア 4,666 -2.1 10.8 10.6
デバイス 6,632 -6.9 14.0 3.1
ITサービス 10,212 -1.8 9.0 7.3
コミュニケーションサービス 13,865 -0.7 4.6 3.7
IT支出合計 37,575 -2.2 8.4 5.5
  • ※ガートナー社の公表資料よりSBI証券が作成

図表5:抽出銘柄の投資指標

分野 銘柄(コード) 時価総額
(億ドル)
売上
(百万ドル)
純利益
(百万ドル)
予想EPS
(今期)
(ドル)
株価
(6/14)
(ドル)
予想PER
(倍)
デジタル化投資 アドビ(ADBE) 2,662 12,868 5,260 11.88 556.95 46.9
セールスフォース ドットコム(CRM) 2,280 21,252 4,072 3.84 246.26 64.1
ショッピファイ A(SHOP) 1,625 2,929 320 4.40 1,306.64 296.7
業務効率化 ゼブラ テクノロジーズ A(ZBRA) 273 4,448 504 17.11 509.92 29.8
トリンブル(TRMB) 198 3,148 390 2.45 78.79 32.1
ペガシステムズ(PEGA) 110 1,018 -61 0.28 134.96 480.3
デジタル広告 アルファベット A(GOOGL) 16,682 182,527 40,269 96.53 2,448.91 25.4
フェイスブック A(FB) 9,549 85,965 29,146 14.26 336.77 23.6
コンサルティング アクセンチュア A(ACN) 1,819 44,327 5,108 8.54 285.71 33.5
IHSマークイット(INFO) 438 4,288 871 3.15 109.85 34.8
ガートナー(IT) 198 4,099 267 6.42 229.62 35.7
人材紹介 ロバート ハーフ インターナショナル(RHI) 102 5,109 306 4.08 90.68 22.2
マンパワーグループ(MAN) 67 18,001 24 6.25 123.10 19.7
コーン フェリー(KFY) 36 1,977 105 2.30 66.55 28.9
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3注目銘柄をご紹介

アドビ(ADBE)

【デジタル化投資に欠かせないツールを提供】

  • 画像処理・文書編集システムを手がける世界的企業で、画像編集ソフトの「Photoshop」、イラスト・グラフィックデザインの 「Illustrator」、総合PDFソリューションの「Adobe Acrobat」などそれぞれの業界のプロが利用する世界標準のソフトウェアを 多数擁します。また、デジタル広告の管理、WEBサイトの分析、販売キャンペーンの管理など、デジタル・マーケティング分野の サービスにも展開しています。
  • 12-2月期の売上は主力2セグメントがけん引して前年同期比26%増で市場予想を上回り、2021年9月期の売上 ガイダンスは前年比22%増の154.5億ドルに引き上げられました。CEOは「アドビのクリエイティブ・クラウド、ドキュメント・クラウ ド、エクスペリエンス・クラウドは世界中のすべての顧客セグメントで任務の遂行に必要不可欠なものになった」と自負しています。 3-5月期決算を6/17(木)に発表予定です。

ゼブラ テクノロジーズ A(ZBRA)

【企業向けモバイルコンピュータの会社】

  • 1969年に創業した企業で、業務用のモバイルコンピュータを中心に製造・販売しています。小売、倉庫、運輸、医療、建設現場でバーコードの読み込みやデータ入力を可能とすることで作業効率化に役立つソリューションを提供しています。世の中のデジタル化の進展によって恩恵を受ける事業であり、また、5G(第5世代移動通信システム)の普及によるビジネスチャンスも拡大すると期待されます。
  • 2020年12月期は顧客の設備投資が停滞して売上は前年比1%減にとどまりましたが、パンデミックによる影響を抜け出すことから、2021年12月期は同20%増に加速する見込みです。1-3月期の売上は前年同期比28%増(買収による押し上げを3%ポイント含む)、4-6月期の売上は同38〜42%増(買収による押し上げを4.5〜5%ポイント含む)を見込んでいます。同社には日本語サイト新しいウィンドウで開きます。もあります。

アルファベット A(GOOGL)

【ネット広告市場が予想を上回る伸び】

  • 「Google検索」や「Google マップ」、「YouTube」などを通じて広告事業を展開するほか、クラウド事業、「Google Play」ストア事業などを展開しています。ネット広告の分野で世界最大手で、ネット広告の売上構成比が8割と依然として高いため、企業による広告出稿意欲の高まりから恩恵を受けると期待されます。
  • 1-3月期の売上は前年同期比35%増と10-12月期の同24%増から大幅に加速しました。前年同期はパンデミックによる混乱で企業広告が当初抑えられたことに加え、その後の消費者によるデジタルメディアへの関与の高まりが反映されていると考えられます。YouTubeの広告収入が同49%増と伸びたほか、クラウドも同46%増となって全体をけん引しています。500億ドルの自社株買いを追加で承認しました。

アクセンチュア A(ACN)

【世界有数のコンサルティング企業】

  • 世界有数のコンサルティング企業です。企業向けのコンサルティングとIT関連の受託業務が2本柱で、2020年8月期の売上構成比はそれぞれ54.7%と45.3%です。デジタル、クラウド、セキュリティサービスなどのソリューションを中心に、通信、メディア、テクノロジー、金融、医療、公益事業と幅広い産業に提供しています。企業が「攻め」に転じるときに、頼りにされる企業と考えられるのではないでしょうか。
  • 2020年8月期の売上は前年比3%増と、パンデミックの影響を受けて低調な伸びになりましたが、景気回復を受けて2021年8月期は同11%増が見込まれています。12-2月期決算は売上が前年同期比9%増、新規受注も同13%増と売上が加速しつつあることが確認され、2021年8月期の売上ガイダンスを前年比4〜6%増から6.5〜8.6%増へ引き上げました。3-5月期決算を6/24(木)に発表の予定です。

ロバート ハーフ インターナショナル(RHI)

【専門職に特化した人材紹介会社】

  • 専門職に特化した世界最大の人材紹介・派遣会社で、会計・税務・金融を中心にITや法務、広告・マーケティングなどのプロを派遣します。傘下にコンサルティングのProtiviti社を保有しています。同社の売上は米国が4分の3を占め、同国の雇用調整が厳しかったことから、2020年12月期の売上は前年比16%減となりましたが、2021年12月期、2022年12月期はそれぞれ同15%増、同9%増と回復の見込みです。
  • 1-3月期の売上は2020年10-12月期の同15%減から同7%減まで改善、4-6月期は前年同期比の水準が低いこともあり、同33%増に伸びが高まると見込まれています。1-3月期決算リリースで同社CEOは「1-3月期の売上はガイダンスを超え、幅広い分野で市場回復が進んでいる。特にProtiviti社の売上は前年同期比35%増と好調であった。」とコメントしています。
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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