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2021-03-06 01:35:48

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物色が強まる半導体株の注目銘柄と、苦しむインテルのこと

2021/1/27
投資情報部 榮 聡

年初からポジティブなニュースフローが続いて半導体株への物色が強まっているため、注目銘柄をご紹介します。一方、その中で逆に苦境にあえいでいるインテルについても考えてみました。

図表1:注目銘柄リスト

銘柄 株価(1/26) 52週高値 52週安値
台湾セミコンダクター ADR(TSM) 126.65ドル 136.13ドル 42.70ドル
ASML ホールディングス NYRS(ASML) 549.00ドル 573.80ドル 191.25ドル
アプライド マテリアルズ(AMAT) 105.53ドル 110.88ドル 36.64ドル
クアルコム(QCOM) 162.55ドル 167.94ドル 58.00ドル
マイクロン テクノロジー(MU) 79.51ドル 87.25ドル 31.13ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

1ポジティブニュースを背景に物色が強まる半導体株

今回は、年初来の株価上昇が目立っている半導体株を取り上げます。

米国上場の半導体株から成るフィラデルフィア半導体株指数は、昨年の相場底入れ以降、安定してS&P500指数をアウトパフォームしてきました(図表2)。

21年に入ってからは自動車メーカーが「半導体不足で減産」とのニュースが繰り返し報じられて、半導体製造装置を中心に株価上昇の勢いが強まりました。

自動車向け半導体の不足には、中国の半導体メーカーに対する回避や自動車販売が予想以上に強いなど半導体の需給と関係のない要因も絡んでいるようです。しかし、車に搭載される半導体の量が増えており、一方でPCやデータセンター向けの需要も強いことが基調にあるとみられます。

その後もサムスン電子の決算概要、マイクロンテクノロジー、TSMC、ASML ホールディングスの四半期決算で市場予想を上回るものが相次いで、半導体株に対する物色意欲が高まっています。

マクロ統計をチェックしてみると、世界の半導体月次売上はCOVID-19のパンデミックによる打撃下でもプラス成長を維持し、昨年の夏頃から徐々に前年比の伸び率が高まっていることが確認できます(図表3)。

昨年11月に世界半導体市場統計(WSTS)が発表した「2020年秋季半導体市場予測」でも、世界の半導体売上は20年が前年比5.1%増、21年は同8.4%増と好調が予測されていましたが、今後さらに上方修正が見込まれそうです。

1/20(水)に開催された東京エレクトロンのIRデーでは、「21年の半導体需要は、ハイパースケールデータセンター、5Gスマホ中心に最先端半導体投資がけん引する」。「メモリは在庫解消で投資回復。ロジックとファウンドリは安定的かつ高水準の投資継続」としました。21年以降も「Big Years」が続くとしています。

世の中の全般的なDX(デジタルトランスフォーメーション)進展、5Gのスマホおよびインフラ投資、車載半導体への需要拡大などによって半導体需要が強い状態が数年に亘って続くと期待され、関連株は引き続き有望な投資先として注目できそうです。

図表2:年初来、半導体株のアウトパフォームが強まる

  • ※注:フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数とも呼ばれる)は、米国のフィラデルフィア証券取引所が発表している、米国に上場する半導体メーカー、半導体製造装置メーカーで構成される単純平均株価指数です。最後のデータは1/22(金)。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:回復基調にある世界の半導体売上高

  • ※注:世界の半導体の月次売上高の推移です。最後のデータは20年11月分。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

2半導体株の注目銘柄をご紹介

半導体株への投資を検討するにあたり、幅広い産業の半導体を受託製造するファウンドリの台湾セミコンダクター、半導体製造装置のASML ホールディングスとアプライド マテリアルズ、5Gスマホ向けが伸びるクアルコム、DRAM需要拡大の恩恵が大きいマイクロン テクノロジーを選んでご紹介いたします。

台湾セミコンダクター ADR(TSM)

  • 1987年に設立された世界最大の半導体ファウンドリで、50%超の世界シェアを誇ります。ファウンドリは受託製造に特化する業態で、顧客企業はクアルコム、AMD、エヌビディア、アップル、ファーウェイなど製造ラインを持たない企業(ファブレス)で、数百社に上ります。回路線幅7ナノメートルの量産化とEUVリソグラフィー技術を用いた商用生産に最初に成功したファウンドリで、既に回路線幅5ナノメートルの量産も進んで、業界最先端の製造技術を獲得しています。
  • AMDがCPU市場でインテルに対して優位に立てているのは、微細化技術で先行している同社に製造を委託していることが大きく、製造技術の優劣が競争力を左右するようになるとサプライチェーンの中でより高い付加価値を得ることが期待されます。また、直近で注目されている自動車向けの半導体不足では、増産要請に対して値上げを要求しており、交渉力の上昇が垣間見えます。20年10-12月期の売上は前年同期比14%増と好調でした。21年1-3月期の売上ガイダンスは、前年同期比23〜26%増と加速する見通しで、21年の設備投資は過去最大の250〜280億ドルを計画しています。

ASML ホールディングスNYRS(ASML)

  • 半導体の回路焼付けに使われる露光装置に特化する、オランダの半導体製造装置メーカーです。半導体の露光装置では世界シェアが9割を超えると言われ、最先端のEUV(Extreme Ultra-Violet:極端紫外線)露光技術に対応できる唯一の露光装置メーカーとなっていることから中期的にも安定的な業績拡大が期待されています。
  • EUV露光装置はロジック半導体(スマホのチップセットやパソコンのCPUなど)の微細化に使用され、2025年まで市場は10〜15%のペースで拡大する見通しです。さらに、いずれはメモリでも使用されると想定され、同社の成長をけん引すると見込まれます。10-12月期の売上は、中国への輸出がオランダ政府の承認待ちで滞っている中、市場予想を14%上回り、前年同期比7%増でした。21年売上は前年比10%台前半の伸びを想定、けん引するEUV露光装置は同30%増の見込みです。半導体市場に関しては、消費者、自動車、産業向けなど幅広い産業の需要拡大が見込まれるとしています。

アプライド マテリアルズ(AMAT)

  • 世界最大級の半導体製造装置メーカーで、液晶、有機ELなどのフラットパネルディスプレイ製造装置も手掛けます。半導体の製造プロセスのうち、膜形成、エッチング、化学機械平坦化、パッケージング、検査などほとんどの工程に関わる機械を手掛けます。19年の半導体製造装置の世界シェアは18.9%でトップを維持、半導体業界の拡大に連れて成長が期待されます。
  • 20年8-10月期決算は、半導体システムの売上が前年同期比33%増とけん引して売上が前年同期比25%増、調整後EPSが同64%増と業績モメンタムが加速しました。CEOは決算リリースで「我々の半導体システムと同サービスに対する需要は非常に強く、将来の事業機会がこれほど良かったことはかつてないほどだ」としています。

クアルコム(QCOM)

  • スマホ向けに通信モデムとCPUを組み込んだチップセットの製造を主力とする企業です。無線通信技術を世界的にリードする企業で、5G(第5世代移動通信システム)に使われるOFDMA(直交周波数分割多元接続)でも中心的役割を果たしています。4Gから5Gへの移行期にある現在は、同社の強みが発揮されやすい環境と考えられます。
  • スマホの通信世代が4Gから5Gに移行するにつれ、チップセットの価格上昇、端末価格上昇によるロイヤルティの増加、高周波部品への展開の効果により、売上成長が高まる見通しです。20年7-9月期は売上が前年同期比35%増、調整後EPSが同86%増と伸びましたが、今年も高い伸びが続く見通しです。アップルがモデムチップの開発を表明したことは打撃となる可能性があるものの、今年9月の新型iPhoneには間に合わないとみられます。

マイクロン テクノロジー(MU)

  • 半導体メモリに特化した世界有数の半導体メーカーです。2020年8月期の売上高は、製品別でDRAMが68%、NANDが 29%を占めています。部門別ではコンピューティング&ネットワーキング部門が43%、モバイル部門が27%、ストレージ部門が 16%、組み込みビジネス部門が13%となっています(四捨五入の関係で合計は100%となりません)。DRAM市場ではサム スン電子やSKハイニックスと共に「3強」の1社として認識されています。
  • 主力のDRAMはCPUが計算するための「作業スペース」を提供します。スマホでは同時に開ける画面やアプリの数に関係し、搭載されるDRAMの記憶容量は拡大の一途です。データセンターでは、「ビッグデータ」が増えて1度に処理するデータが大きくなっ ており、センターの設置数以上に需要が増加しています。20年9-11月期はDRAMのけん引により売上は前年同期比12%増、EPSは同62%増と好調でした。20年12月-21年2月 期の売上は前年同期比17〜25%増と前四半期から加速するガイダンスとなっています。

図表4:主要半導体銘柄の投資指標

銘柄名

コード

株価
(1/22)
(ドル)

予想
PER
(倍)

今期
予想EPS
(ドル)

来期
予想EPS
(ドル)

目標株価
(ドル)

時価総額
(億ドル)

台湾セミコンダクター

TSM

129.14

32.4

3.98

4.64

142.34

6,697

エヌビディア

NVDA

548.50

55.7

9.86

11.67

588.09

3,395

ASMLホールディング

ASML

569.45

45.3

10.32

12.45

535.71

2,389

インテル

INTC

56.66

12.0

4.71

4.88

63.07

2,302

ブロードコム

AVGO

465.02

17.6

26.39

28.16

468.48

1,891

クアルコム

QCOM

162.42

22.5

7.22

8.07

166.79

1,845

テキサス・インスツルメンツ

TXN

172.81

31.0

5.57

6.17

158.70

1,586

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)

AMD

92.79

75.1

1.24

1.75

93.48

1,116

アプライド・マテリアルズ

AMAT

106.33

21.1

5.03

5.40

101.23

972

マイクロン・テクノロジー

MU

82.28

20.1

4.09

7.93

96.66

920

ラムリサーチ

LRCX

563.85

24.5

23.03

25.28

548.22

812

アナログ・デバイセズ

ADI

155.58

27.1

5.74

6.42

161.06

575

エヌエックスピー・セミコンダクターズ

NXPI

172.30

28.6

6.03

8.27

176.76

482

KLA

KLAC

305.01

23.9

12.74

13.31

278.61

471

マイクロチップ・テクノロジー

MCHP

150.13

23.7

6.34

7.22

155.54

391

  • ※注:フィラデルフィア半導体株指数の構成銘柄の時価総額上位15です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

3苦境にあえぐインテルのこと

今回半導体銘柄の時価総額を改めて並べてみて、トップのTSMCがインテルの3倍近くに拡大し、インテルは業界4位に転落している事実に衝撃を受けました(図表4)。

SOX指数が過去1年間に59%上昇しているのに対して、インテルは17%の下落で、30銘柄の構成銘柄の中で唯一の下落となっています。そこでインテルとTSMCの差がここまで開いた経緯について考えてみました。

かつてインテルは半導体業界の時価総額で不動のトップでした。確かに、19年末にはTSMCが逆転していましたが、その差は大きくなく、インテルがトップに返り咲く可能性はまだあると考えていました(図表5上)。

しかし、決定的だったのは20年7-9月期の決算発表で回路線幅7ナノメートルのCPUの発売が22年以降になるとの見通しを出したことでした。CPUでライバルのAMDは、7ナノメートルの製造技術をもつTSMCに製造委託して、7ナノメートル品が主力となっている一方、インテルの製品は回路線幅10ナノメートルが主力で、完全に1世代遅れることが明白となりました。

この発表を受けてインテルの株価は、決算発表日の10/22(木)から10/29(木)にかけて18%も下げました。製造技術でここまで差がついてしまった背景には、自社開発、自社製造のインテルに対して、ファウンドリとして製造に特化して技術を磨いたTSMCのビジネスモデルの違いがあると考えられます。

そうだとすれば、インテルとTSMCの製造技術の差は容易に埋まらないのではないかと懸念されます。両社の勢いの差が端的に表れているのが、今年の設備投資額です。20年までは大きな差がなかったところ、21年、22年はTSMCの投資額はインテルのそれを大幅に上回る予想です(図表5下)。

このような状態に対してインテルは、かつて同社でCTO(最高技術責任者)を務めた経験のあるゲルシンガー氏をCEO(最高経営責任者)に抜擢し、遅れを取っている技術面のてこ入れを目指します。しかし、技術面の遅れはビジネスモデルの違いによる構造的なものだとすると、苦しい対応が続きそうです。

既にインテルは主力製品ではないグラフィックプロセッサーでは、TSMCに製造を委託している実績があります。問題は主力製品のCPUについて、TSMCに製造委託するかどうかです。

製造委託しなければAMDにシェアを奪われ続けますし、製造委託すればシェアの低下は抑えられるでしょうが、付加価値はTSMCに大きく取られて、利益率の低下が避けられないでしょう。

10-12月期の決算説明会に次期CEOとして参加したゲルシンガー氏は、「23年製品の過半(majority)は自社製造だと考えているが、これまでよりも外部への製造委託は増える可能性が高いだろう」としました。2/15(月)のCEO正式就任後に、より詳しい製品計画が明らかにされる見通しです。

図表5:インテルとTSMCの時価総額と設備投資額

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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