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2020-12-04 21:40:08

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【上場延期】アリババグループで世界的フィンテック企業のアントが香港上場

2020/11/4 追記
投資情報部 榮 聡

お知らせ

中国株アントグループ(06688)は、11/5(木)に香港、上海市場に上場を予定しておりましたが、11/3(火)に上場延期を発表しております。

IPOの注目点

(1)決済アプリ「アリペイ(Alipay)」を提供する中国アリババグループの企業

(2)フィンテック企業として時価総額は世界的

(3)売上高純利益率は30%(20年上期)と高水準

図表1:IPOの概要

企業名(コード)

アントグループ(06688)

上場市場

香港

募集開始日

10/26(月)

上場日(予定)

11月5日
延期

公募価格・売買単位

80香港ドル・50株

募集・売出し株数

1,670百万株(香港分のみ)

公募規模

1,336億香港ドル(香港分のみ)

時価総額概算

2.43兆香港ドル(約33兆円)

  • 注:時価総額概算は「IPO後の発行済株式数(オーバーアロットメントを含まない)×公募価格」で計算しています。公募規模は、香港市場分のみで、同時に上場する上海市場分を含みません。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※SBI証券では中国株式のIPOの申込み等の受付は行っておりません。当社では上場後に取扱銘柄への追加を予定しております。

決済アプリ「アリペイ(Alipay)」を提供する中国アリババグループの企業

2004年にアリババのeコマースサイトで取引の仲介を行うエスクローサービスを提供したことが会社の起源です。2009年に「アリペイ(支付宝)」のサービスを開始して、現在では中国最大のモバイル決済プラットフォームとなっています。

「アリペイ」による決済総額は20年6月までの12ヵ月で118兆人民元(約1,800兆円)に達し、テンセントによる「ウィーチャットペイ(微信支付)」とともに、中国のモバイル決済で二大巨頭です(図表2)。

フィンテック企業として時価総額は世界的

1株80香港ドルの公募価格による時価総額は2.43兆香港ドル(3,135億ドル)となります。これは世界のフィンテック企業の中でもビザ、マスターカードに次ぐ規模で、同社のIPOは世界の投資家から注目を集めています(図表3)。

香港市場の上場企業としても、アリババグループ、テンセントに次ぎ、中国工商銀行や中国平安保険を超える時価総額に相当します。また、IPOによる調達額は345億ドル(香港市場と上海市場の合計)と過去最大です。

売上高純利益率は30%(20年上期)と高水準

フィンテック企業は、ビザの売上高純利益率が54%、マスターカードが47%と、軌道に乗った事業では利益率が非常に高くなる傾向があります。同社の利益率も20年1-6月期は30%と高水準です。

一般に利益率の高さは、売上の変動に対する利益の変動が低いことを示唆するため、PER(株価収益率)が高く買われる傾向があります。

会社概要

2004年にアリババの決済を担当する部署に起源をもち、2009年に「アリペイ」のサービスを開始した後、2011年にアリババから独立しました。その後独自に事業を展開していましたが、2019年にアリババが株式の33%を取得して再びグループ会社となっています。20年1-6月期の売上に占めるアリババ向けの比率は6.2%まで低下しています。

以下、2つの事業を運営しています。

(1)決済事業(「デジタル・ペイメント&マーチャント・サービス」)
アリペイプラットフォームは、10億人以上のユーザー(年間アクティブユーザー)、8千万の事業者、2,000超の金融機関をつなぐ、デジタル決済のためのスマホアプリです。

E-ウォレット、デビット・クレジットカード、MMF(同社の「Yuebao(余額宝)」)、個人向けクレジットライン(同社が提供する「Huabei(花唄)」)などから支払うことができます。20年6月末までの12ヵ月の決済総額は118兆人民元(約1,800兆円)に達します。収益は決済プラットフォームを利用する事業者から徴収する手数料が主なもので、銀行口座への送金やクレジットカードの利用に関してはユーザーからも手数料を徴収しています。

(2)金融サービス事業(「デジタル・ファイナンス・テクノロジー・プラットフォーム」)
アリペイのプラットフォームでは、金融サービスの提供も行われています。主なものに、お金が借りられる「クレジットテック」、投資商品を購入できる「インベストメントテック」、保険商品が購入できる「インシュアテック」があります(図表4)。

それぞれの業務で専門の金融機関と提携してサービスを提供し、金融機関からはプラットフォームの利用料としてフィーを得ています。金融サービスのユーザーは20年6月末までの12ヵ月で7.3億人を数え、取引額は過去5年間で10倍に拡大しています。

「クレジットテック」では、「Huabei(花唄)」「Jiebei(借唄)」などの消費者金融サービスを提供し、20年6月末の貸出残高は1兆7,320億人民元、貸出残高のある利用者は約5億人に達します。消費行動のデータが利用できるため、信用調査に優位性があるとみられます。

「インベストメントテック」では、アリペイの支払い準備金を1人民元から運用できるMMFの「Yuebao(余額宝)」が有名です。また、約170の運用会社と提携して6,000以上の金融商品を販売しています。20年6月末までの12ヵ月で5億人以上のサービス利用者があります。中国の個人金融資産に占める現預金の割合は58%(日本は53%、米国は12%)と高く、投資商品の購入余地は大きいと考えられます。

「インシュアテック」では、生命保険、医療保険、損害保険および独自の互助保険商品「Xianghubao(相互保)」を販売しています。20年6月末までの12ヵ月で5.7億人以上の利用がありました。中国の保険の普及率は4%に過ぎず(米国は12%)、今後の市場成長が期待されています。
金融商品の販売による業績拡大が期待されます。

業績推移

決済ビジネスは中国国内の普及が高まっているため成長は鈍化傾向で、今後は中国の消費の伸びに規定される部分が大きくなると考えられます。中国のデジタル決済の年平均成長率は、19年から24年の5年間について13%程度と見込まれています(iResearch調査)。

「アリペイ」は日本でもみかけるように海外展開していますが、決済額は全体の0.5%に過ぎません。米国政府による規制強化があっても既存事業への影響は小さいでしょうでしょう。ただ、今後の成長に対する期待には影響があるかもしれません。

一方、金融商品の販売は成長余地が大きいと考えられます。過去3年の売上高の内訳をみても、この分野が売上成長をけん引しています。19年から24年にかけて、消費者向けローンは77%、中小事業者向けローンは3.5倍、個人金融資産は63%、保険料は74%と、それぞれ市場拡大が予想されています(iResearch調査)。

筆者の見方

中国においてモバイルアプリによる決済が広がったのは、クレジットカードの普及が低く、それ以外の電子決済のインフラも貧弱であったという環境の中、事業者の初期投資が小さい決済方法であったことが理由と考えられます。

このため電子決済のインフラが既にある先進国でも広がるかは不透明で、中国企業に対する米国の規制が強まったとしてもさほど影響はないかもしれません。一方、以前の中国と同じような環境にある新興国では、同社の決済方法が広がる可能性があるでしょう。当面は金融商品の販売による業績拡大が期待されます。

図表2:アリペイのユーザー数と決済総額

  • 注:決済総額は、各期末までの12ヵ月間の値です。
  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成

図表3:世界のフィンテック企業の時価総額

  • 注:アントグループは1株80香港ドルの公募価格により、その他企業は10/27(火)終値によります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:金融サービス事業の事業規模

サービス

プラットフォームの規模

パートナー金融機関

クレジットテック 消費者向け貸出残高:1兆7,320億人民元
事業者向け貸出残高:4,220億人民元
約100の銀行
インベストメントテック 運用資産残高:4兆990億人民元 約170の資産運用会社
インシュアテック 過去12ヵ月の保険料および払い込み金:520億人民元 約90の保険会社
  • 注:20年6月末時点のデータです。
  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成

図表5:業績推移

17年12月期

18年12月期

19年12月期

20年1-6月期

売上高(億人民元) 654 857 1,206 725
営業利益(億人民元) 132 45 241 249
純利益(億人民元) 82 22 181 219
売上高純利益率(%) 12.5 2.5 15.0 30.2
(売上高の内訳、単位:億人民元)
デジタル・ペイメント&マーチャント・サービス 359 444 519 260
デジタル・ファイナンス・テクノロジー・プラットフォーム 290 406 678 460
 クレジットテック 162 224 419 286
 インベストメントテック 105 139 170 113
 インシュアテック 23 43 89 61
イノベーション・イニシアチブ他 5 7 9 5
  • ※会社資料をもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

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