当社では上場初日3/8(金)から取扱いの予定です!!
図表1:IPOの概要
企業名(コード) |
フツ ホールディングス (FHL) |
上場市場 |
NASDAQ |
---|---|---|---|
公表日 |
19年2/13(水) |
上場日(予定) |
19年3/8(金) |
公募価格 |
10.00〜12.00ドル |
公募規模(百万ドル) |
90 |
- 注:公募規模は、「募集・売り出し株数×公募価格のレンジ上限」で計算しています。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
〇IPOの注目点
(1)中国のオンライン証券として初の上場企業
(2)中国本土投資家の国際投資拡大を取り込んで成長が期待される
(3)インターネット大手テンセントの出資先で事業上でも密接な関係を保持する
(4)同業の「Up Fintech」もナスダックへの上場を公表して市場の注目を集めやすい
(5)米中通商協議の合意への期待から中国本土株の市場が回復しつつある
〇企業概要
2007年12月に深センでインターネット技術およびソフトウェアの会社として創業、2014年4月にケイマン籍に移行しています。現在の主力事業は、2012年に始業した香港の100%現地法人フツ インターナショナル香港(Futu International Hong Kong)を通じて行われています。
現CEOのLi氏は2000年にテンセントの18番目の従業員として入社し、インスタントメッセンジャーの「テンセントQQ」などの事業でキャリアを積んだ後に上記の香港事業会社を立ち上げています。上場前の株主構成は、Li氏を中心とする経営陣が53.0%、テンセントが38.2%を保有しています。
〇事業内容
同社のオンライン証券サービスは、WEBサイトの「FUTU Niu Niu」を通じて行われ、香港市場および米国市場で株式、ワラント、オプション、ETFなどが取引できるサービスを提供、また、これをサポートするニュース、調査レポート、分析ツールなども提供しています。
サービスの特徴として、顧客同士が情報を交換できるコミュニティサイト「Niu Niu Community」を提供していることがあり、16.9万人(18年9月末)のデイリー・アクティブ・ユーザーを擁します。中国のインターネット大手テンセントとの提携を生かすための土台が用意されていると考えられます。
18年9月末時点で、ユーザー数が5.3百万人、登録口座数が45.7万口座、有効口座数(資産残高のある口座)が12.4万で、18年6月までの半年の顧客取引高は4,780億香港ドル(約611億ドル)で、香港のオンライン証券では4番目の規模です(Oliver Wyman調査)。
顧客の平均年齢は34歳と若く、約45%がインターネット、IT、金融業界に勤める比較的所得が高い層とされます。顧客当たりの取引は18年9月までの9ヵ月間で、162取引で取引高は6.2百万HKドル(約8,800百万円)と活発と言えるでしょう。取引手数料は図表3の通り低く設定されており、高水準の取引が可能になっているようです。
〇業界動向
香港のオンライン証券市場は、世界4位の規模があり、2012年の4,045億ドルから2017年の1.6兆ドルへ年平均成長率31.3%で拡大、2022年には3.1兆ドルに到達すると予想されています。
このような成長の背景には、中国の投資家が増加する金融資産を、オンライン証券を通じて香港株や米国株により多く配分していることがあると言われています。中国人投資家の海外資産のオンライン売買は、2012年から2017年の2,975億ドルへ年平均成長率90.8%で拡大したとされ、2022年までに約1.4兆ドルへ年平均35.4%で増加すると見込まれています。
このような業界の拡大に沿って、同社の業績も急拡大となっています(図表3)。
〇類似会社比較
米国のオンライン証券大手チャールズシュワブ(SCHW)、TD アメリトレード ホールディング(AMTD)、イートレード ファイナンシャル(ETFC)などが類似会社として参考になるでしょう(図表4)。
比較にあたっては、以下を踏まえる必要があるでしょう。
(1)フツ ホールディングス(FHL)は18年に初めて黒字転換したところで、利益率はまだ上昇が見込まれること
(2)中国人投資家の需要拡大が見込まれる香港のオンライン証券のほうが成長見通しが高いこと
(3)企業規模はまだ小さいものの、テンセントがバックアップしているため、リスクは抑えられそうなこと
このため同社の予想PERは、米国のオンライン証券よりも高く買われることが想定されます。
図表2:同社サービスの取引手数料例
取引市場 | 取引手数料 |
---|---|
香港証券取引所 | 【プラン1】 ・売買代金の0.05%(最低料金は50HKドル(約710円))の委託手数料 ・売買代金の0.005%の決済等手数料 (プラン2、プラン3の説明は省略) |
米国の主要取引所 | 【プラン1】 ・ADS1株当たり0.01ドル(最低料金は1.99ドル(約220円))の委託手数料 ・売買代金の0.005%の決済等手数料 (プラン2、プラン3の説明は省略) |
香港、上海、深センコネクト | ・売買代金の0.01%(最低料金は5人民元(約84円))の委託手数料 ・取引当たり15人民元(約250円)のプラットフォームサービス料 ・その他手数料 |
- 注:「香港、上海、深センコネクト」は、香港と上海間、香港と深セン間で相互に証券取引・決済を可能にするシステムです。
- ※会社資料をもとにSBI証券が作成
図表3:フツ ホールディングスの業績と主要な営業計数
16年12月期 |
17年12月期 |
18年1月〜9月 |
|
---|---|---|---|
売上(百万HKドル) |
870 |
3,117 |
5,841 |
純利益(百万HKドル) |
-985 |
-81 |
1,003 |
EPS(ドル) |
-0.29 |
-0.14 |
0.05 |
期末顧客資産(百万HKドル) |
155 |
444 |
542 |
期末有効口座数(資産残高のある口座) |
35,456 |
80,057 |
124,809 |
- ※会社資料をもとにSBI証券が作成
図表4:類似会社比較
銘柄名(コード) |
株価 |
予想 |
直近期 |
直近期 |
直近期 |
時価総額 |
---|---|---|---|---|---|---|
フツ ホールディングス(FHL) |
- |
- |
744 |
128 |
17.2 |
- |
チャールズシュワブ(SCHW) |
45.65 |
16.3 |
10,989 |
3,507 |
31.9 |
624 |
TD アメリトレード ホールディング(AMTD) |
56.23 |
13.9 |
5,441 |
1,473 |
27.1 |
322 |
イートレード ファイナンシャル(ETFC) |
49.07 |
11.8 |
3,036 |
1,052 |
34.7 |
124 |
- 注:フツ ホールディングスの売上と純利益は、18年1-9月期の業績を3/4(金)の1ドル=7.849香港ドルでドル換算しています。
- ※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。