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米企業4-6月期決算の『ココがPOINT!』

2018/7/11
投資情報部 榮 聡

今回は今週末から本格化する、米国企業の4-6月期決算発表の注目ポイント、株式市場へのインパクト、および現在の投資環境から注目される銘柄をご紹介いたします。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価(7/10) 52週高値 52週安値
アマゾン ドットコム(AMZN) 1743.07ドル 1763.10ドル 931.75ドル
オクシデンタル ペトロリアム(OXY) 85.70ドル 87.67ドル 58.38ドル
マイクロソフト(MSFT) 102.12ドル 102.69ドル 69.20ドル
ユニオン パシフィック(UNP) 144.11ドル 148.33ドル 101.06ドル
ターゲット(TGT) 78.30ドル 79.59ドル 50.04ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

米4-6月期決算の『ココがPOINT!』

米国企業の18年4-6月期決算発表が7/13(金)の大手銀行から本格化します。米国株式市場は、米中の関税賦課を悪材料出尽くしと捉えたものの、貿易戦争がエスカレートする懸念がまだ残る中、企業業績は信頼性の高い相場の下支え役として期待されていると見られます。

今回決算の「POINT」を見てみましょう。

◯ポイント1・・・4-6月期の増益率は20%と高水準の見通し(図表2)
4-6月期のS&P500指数採用企業のEPSは、FactSet社の集計で前年同期比20%増の予想です。米国経済、世界経済の好調による売上増に加え、法人税減税の効果が上乗せされています。

1-3月期の同25%増からは鈍化になりますが、ドル安による業績の押し上げが剥落することが主因と見られます(図表3)。株式市場は主に利益の“基調”の変化によって動き、為替による利益の変動はとりあえず“一時的”と捉えて織り込みを控える傾向があるため、この鈍化を特にネガティブに捉える必要はないでしょう。

◯ポイント2・・・業種別には「エネルギー」、「素材」、「電気通信サービス」「情報技術」などが増益を牽引(図表4)
「エネルギー」「素材」などの増益率が高いのは、世界経済回復が反映されていると言えるでしょう。原油価格はOPEC(石油輸出国機構)の減産が効いていますが、需要の堅調が背景にあると言えます。「電気通信サービス」は、企業買収の影響に加え、競争激化で落ち込んだ昨年度からの反動という面もあります。「情報技術」については、“地”の成長率が高いことが要因で、引き続き注目できると考えられます。

◯ポイント3・・・米中貿易摩擦の影響
企業アナリストが貿易摩擦の影響を業績予想に織り込むのは難しいと見られることから、今回の決算発表の見所の一つです。

いまのところ、米中貿易摩擦の影響ははっきりとは確認できません。全社ベースでは、3月末から7/6(金)にかけて予想EPSは前年同期比19%増から同20%増へ上方修正されています。決算前になるとアナリストが業績予想を保守的に見直すために、3%ポイント程度下方修正されるのが過去の平均的な動きですので、1%ポイントでも上方修正されるのは異例なことです。

このところの良好な景気指標で米国の成長率見通しが上方修正され、貿易摩擦によるマイナスの影響が相殺された可能性がありそうです。一方、業種別には、3月末から6月末にかけて、「資本財・サービス」の下方修正が比較的大きいのは、摩擦の影響と見られます。

決算発表が進む中で貿易摩擦の個別企業への影響が明らかになっていくと考えられます。全社ベースではEPSの事前予想に対して実績は数%上ブレて着地するのが通例ですが、今回は上ブレが小さくなる可能性が高そうです。

図表2:18年中は減税効果もあり高い増益の見込み

  • 注:S&P500指数採用企業のEPS増加率の推移です。18年2Q以降は、7/6(金)時点の予想です。
  • ※FactSet社の公表データをもとにSBI証券が作成

図表3:ドル安による業績への恩恵は縮小方向

  • 注:ドル指数の四半期末値の前年同期比です。18年3Q、4Qは現在値を17年3Q、4Qの値と比較したものです。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:増益を牽引するのは、エネルギー、情報技術、金融、素材など

  • 注:S&P500指数の業種別の予想EPS増加率で、7/6(金)時点です。
  • ※FactSet社の公表データをもとにSBI証券が作成
2

企業業績は停滞を脱し、バリュエーション面での割高感も解消

米企業の4-6月期決算では利益の高い伸びが予想されていることを確認しましたが、年間ベースの数字で大きな流れも確認しておきましょう。

S&P500指数採用企業の年間EPSは、世界景気の低調とドル高によって売上・利益が伸び悩んだ15年、16年の停滞を脱し、17年には米景気の改善、世界経済の回復、ドル高の緩和を受けて増益に転じ、18年には法人税減税の効果も加わって高い伸びが続く見通しです(図表5)。

一方、株価が予想利益に対して何倍まで買われているかを示す予想PERは、7/9(月)時点で17.4倍で昨年末および年初に言われていた株価の割高感はかなり解消されていると言えるでしょう(図表6)。

過去数年の予想PERの動きを確認すると、市場心理が悪化した局面では16倍割れ、市場心理が好転した局面では18倍を超えるというのが基本的なPERのレンジです。17年の後半に19倍以上となっていたのは、18年の法人税減税を織り込んだ例外的な動きでした。そう考えると、17倍前後というのは、割高でも割安でもない中庸な水準と考えられます。

18年も年央を過ぎたことから、予想PERを計算する基準は徐々に18年予想EPSから19年予想EPSに移行していきます。バリュエーションが中庸な水準にあり、時間の経過とともにより高いEPSを織り込むため、株価は上昇しやすい環境にあると言えるでしょう。

18年末の株価ターゲットとして、176.9ポイント×17倍の3,007ポイントが計算できます。7/9(月)の2,784.17ポイントに対して8%の上値が期待できるでしょう。

ただ、もちろん、これが実現するためには、トランプ大統領が仕掛ける貿易摩擦が世界経済の成長率や企業業績に与えるマイナスのインパクトが限定的であることが必要です。それをこれから決算発表で確認することになります。

図表5:企業業績は停滞を脱して増加基調が続く

  • 注:S&P500指数採用企業のEPSの推移です。
  • ※FactSet社の公表データをもとにSBI証券が作成

図表6:予想PERは17倍前後で落ち着き

  • 注:S&P500指数とその予想PERの推移です。予想PERの計算対象となる予想EPSは17年末までが17年12月期予想、18年以降は18年12月期予想です。週次データで、最後のデータは7/9(月)です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

個別で注目できる銘柄は?

今回の決算で注目できそうな企業を選ぶため、S&P100指数採用企業に関するスクリーニングを行いました。

米中の関税発動に対して7/6(金)、7/9(月)と米株式市場は悪材料出尽くしの形で反応していますが、まだ貿易摩擦がエスカレートするリスクも残っています。

そこで貿易摩擦に影響を受けやすい銘柄を避けるため、最近の株価動向が堅調という条件を入れた上で、業績動向が良好な銘柄を選んでいます。

【スクリーニング条件】
(1)株価が堅調・・・株価騰落率が過去3ヵ月、年初来ともプラス、過去1ヵ月は▲1%以上
(2)業績予想がしっかり・・・過去4週、過去3ヵ月とも今期予想EPSが下方修正されていない
(3)4-6月期決算が好調・・・4-6月期の予想EPS増加率>1-3月期の実績EPS増加率

抽出された図表7の銘柄群から、注目銘柄を5つ選んでご紹介いたします。

アマゾン ドットコム(AMZN)
eコマースの配送センターとクラウド向けデータセンターへの積極的な投資が売上拡大を支え、また、広告収入と配送収入の増加が利益を押し上げると期待されます。6月に実施したプライム会員の年会費引き上げは、年後半の会費収入を押し上げます。トランプ大統領が命じた郵便サービスの料金見直しは、料金改定があった場合でも費用増はアマゾンのシステムを利用する販売業者と分担するため、アマゾンの利益への影響は限定的と見られます。買収した食品スーパーのホールフーズは無料のホームデリバリー推進によって売上が加速し、海外プライム会員数は、ビデオと「アレクサ」のサービスを会員特典に追加する国が増えているため増加が期待されます。中国でネット通販を展開しているものの、非常に小さいです。

オクシデンタル ペトロリアム(OXY)
原油の探鉱・生産を主力とする米企業では時価総額5位の大手です。米国、中東、南アメリカでの原油・ガスの生産を主力事業とするほか、化学品や石油製品などの生産も手掛け、エクソンモービルやシェブロンなど総合大手と同様の事業展開を行っています。リストにあるコノコフィリップスは原油・ガス生産に特化していることが異なります。18年12月期は、原油価格が前年比で上昇することに加え、原油・ガスの生産量が前年比8〜12%増加する計画であることから、市場コンセンサスでは33%の高い増収が予想されています。会社の信用格付は「A」で比較的良好です。

マイクロソフト(MSFT)
クラウド事業の成長が注目点です。17年のクラウド市場の世界シェアは9.3%で、10.5%のアマゾンに次ぐ2位ですが、前年からのシェア拡大は1.9%ポイントで業界トップでした。従来システムとパブリッククラウドで構成されるハイブリッドクラウドの分野で競争力が高いと言われています。また、ソフトウェアの「Office」やメールの「Outlook」を通じて企業のIT部門に接点のあることが、クラウドの営業推進上有利に働いていると見られ、競争優位性は持続すると考えられます。また、クラウド事業の成長は、利益率の向上ももたらすと考えられます。

ユニオン パシフィック(UNP)
米国東部を中心に23州をカバーする鉄道網を運営する企業です。17年の貨物収入の構成比は、産業製品21%、農産物19%、化学品18%、石炭13%、自動車10%、インターモーダル19%となっています。営業効率の向上に努めており、営業費率(営業費用÷売上高)を、17年12月期実績の63%から19年に60%、長期的には55%まで改善することを目標としてます。貿易摩擦の影響は農産物などの輸送に出てくる可能性がありますが、足もとでは米国の産業景気の上ブレの効果が大きく業績は堅調に推移しているようです。

ターゲット(TGT)
米国の総合スーパー大手です。長期の持続的成長を確保するために、プライベートブランドへの投資、品揃えの見直しによる価格への投資、店舗の改装投資、近隣向けの小型店舗の展開、配送オプションの拡充など幅広い事業改革を進めています。これらの投資が嵩んで営業利益率は、18年1月期、19年1月期と低下する見通しです。しかし、2-4月期の来店客数は前年同期比3.7%増と、過去10年で最高レベルに達していることから、投資の方向性は正しいと考えられ、今後の成長の高まりが期待されます。足もとでは米国の小売売上高は回復基調で事業環境は良好と見られ、貿易摩擦との直接的な関連も小さく物色されやすいと考えられます。

図表7:銘柄スクリーニング(S&P100指数採用企業対象)

コード

銘柄

株価
(7/9)
(ドル)

予想
PER
(倍)

4-6月期
EPS
増加率

1-3月期
EPS
増加率

株価騰落率
(3ヵ月)
(%)

株価騰落率
(年初来)
(%)

株価騰落率
(1ヵ月)
(%)

AMZN

アマゾン・ドット・コム

1739.02

83.2

522.0

121.0

21.1

48.7

3.3

OXY

オキシデンタル・ペトロリアム

85.25

17.6

730.7

513.3

20.9

15.7

-0.3

CVX

シェブロン

125.99

15.8

125.6

73.1

6.0

0.6

-0.4

MSFT

マイクロソフト

101.85

26.5

43.6

30.5

9.7

19.1

0.2

KMI

キンダー・モルガン/デラウェア

18.10

20.9

40.0

32.2

16.0

0.2

7.4

UNP

ユニオン・パシフィック

145.05

18.9

33.3

27.3

11.5

8.2

0.4

TGT

ターゲット

77.76

14.7

13.3

9.1

6.8

19.2

-0.3

CSCO

シスコシステムズ

42.67

16.4

12.1

10.0

0.4

11.4

-1.9

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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