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2019-06-16 22:47:02

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一歩後退の有機EL関連、しかし、中長期のポテンシャルは大きい!?

2018/02/28
投資情報部 榮 聡

有機ELパネルを採用したアップルの「iPhoneX」の販売不振を受けて、関連銘柄の株価が冴えません。中心銘柄と言えるユニバーサルディスプレイも、今年度の売上ガイダンスが市場予想を下回って株価は急落しました。しかし、有機ELパネルの採用は広がり始めたばかりです。短期的な凸凹はあるでしょうが、中長期の市場ポテンシャルは大きく、引き続き投資テーマとして注目できるでしょう。

図表1:主要関連銘柄

銘柄 株価(2/27) 52週高値 52週安値
ユニバーサル ディスプレイ(OLED) 130.05ドル 209.00ドル 79.55ドル
アプライド マテリアルズ(AMAT) 57.64ドル 60.89ドル 36.10ドル
サムスン電子 (005930) 2,398,000ウォン 2,876,000ウォン 1,898,000ウォン
LGディスプレイ (034220) 29,850ウォン 39,600ウォン 27,150ウォン
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

「iPhoneX」の販売不振から有機EL関連の株価は調整

有機ELパネルを採用したアップルの「iPhoneX(テン)」の販売不振を受けて、関連銘柄の株価が冴えません。

「iPhoneX」の販売不振の話が広がったのが1月中旬、日経新聞が「iPhoneX」の減産を報道したのが1月末、さらに、「iPhoneX」に有機ELパネルを独占供給しているサムスン電子が工場の稼働率を当初計画の約6割の水準に落とすと報道されたのが2/20(火)です。

また、2/22(木)には、17年10-12月期の決算を発表した有機EL材料大手のユニバーサルディスプレイの18年12月期の売上ガイダンスが市場予想を下回って、当面の投資テーマとしては、とどめを刺された感もあります。

有機EL関連で中心銘柄と言えるユニバーサルディスプレイは、17年初から株価上昇が始まり、18年1月には約3.5倍まで上昇していました。しかし、「iPhoneX」の販売不振報道から変調をきたし、1月中旬のピークから30%を超える株価下落となっています(図表2)。

「iPhone」の有機ELパネル採用は有機EL市場拡大の象徴でしたし、これまでの主用途がサムスン電子のスマホ「Galaxy」くらいでしたから、「iPhoneX」の苦戦は実際に影響も大きいと見られます。「iPhoneX」不振の理由は価格の高さと言われ、価格が高くなった理由は、有機ELパネルの採用と考えられています。

図表3は各種「iPhone」の価格を比較したものですが、「iPhoneX」は「iPhone8」に対して34,000円、「iPhone8 Plus」に対して23,000円高くなっています。ディスプレイが液晶から有機ELになることに対して、2万円なり3万円を支払うことに納得しない消費者が多かったということになります。

ただ、有機ELディスプレイは液晶ディスプレイに比べて、(1)コントラスト比が高い、(2)応答速度が速い、(3)視野角が広い、(4)消費電力が小さい、(5)曲げることができる、などディスプレイとしての性能は明らかに優れています。

価格の高さは当面の問題ですが、中長期的には液晶ディスプレイを置き換えていくことが期待されます。当面は一歩後退となりそうですが、引き続き注目できる投資テーマと考えられます。

尚、有機ELディスプレイの将来性については、16年9月7日掲載の「拡大が期待される有機EL!ど真ん中銘柄はコレ!?」もご参照ください。

図表2:有機EL関連銘柄の株価

図表3:iPhoneの価格比較(日本のアップルストア、18年2月)

  • ※アップル社WEBサイトの情報をもとにSBI証券が作成
2

ユニバーサルディスプレイは決算説明会で何を言ったか

ユニバーサルディスプレイは、事業の100%が有機EL関連からなる世界的にも上場企業としては類のない会社です。

さらに、有機ELディスプレイ市場で高い世界シェアをもつ、サムスン電子とLG電子の有機EL材料の主要なサプライヤーであるため、同社の決算を見れば、世界の有機EL市場の動向が把握できると考えられます。

そこで、2/22(木)に発表された10-12月期決算リリースと決算説明会の内容をもとに同社の決算動向と有機EL市場の見通しについて見てみましょう。

〇ユニバーサルディスプレイの10-12月期決算

2/22(木)に発表した10-12月期決算は、売上が116百万ドルで前年同期比55%増、EPSが0.95ドルで同72%増、それぞれ市場予想を15%、12%上回る好決算でした。16年10-12月期から立ち上がった有機EL材料の売上は1年間高い伸びを続けたことになります。

しかし、18年12月期の売上ガイダンスは、350〜380百万ドルと市場予想の397百万ドルを大きく下回り、株式市場から失望されました。顧客の材料購入が15〜20百万ドル程度、1-3月期から10-12月期に前倒しとなったことも影響したとしています。それにしても、17年12月期の売上が336百万ドルで前年比76%増ですから、伸び率は前年比4%〜13%増へ大幅に鈍化する形です。

伸び率の鈍化見通しについて同社は「過去1年半に渡った(サムスン電子、LG電子による)業界の生産能力拡大は、今年は一服となる見通しだ。」と説明し、また、同社は言及していませんが「iPhoneX」不振の影響も大きいと考えられます。一方、「(中国の)メーカー各社が量産体制を整えつつあることから、19年は生産が拡大するだろう。」とコメントしています。

17年12月期には、ジャパンディスプレイ、EverDisplay(中国)、Royole(中国)との新規契約を獲得したほか、BOE(中国)と長期契約を締結し、協力会社PPGインダストリーズ(PPG)工場内の同社生産設備も倍増しています。また、大画面の有機ELパネル向けの「有機蒸気ジェット印刷」の技術開発でも重要な進展があったとして、中期的な成長に向けての施策は順調と見られます。

〇ユニバーサルディスプレイから見た業界の動き

決算説明会でコメントされた有機EL業界の顧客企業の動きです。

携帯機器向けの有機ELパネルで95%のシェアをもつサムスン電子は、数年にわたりディスプレイの投資を拡大してきましたが、17年の投資額は120億ドルに達し、月産13.5万枚の生産能力を備えました。ただ、アップルの「iPhoneX」減産に伴って稼働率が低下しているとされ、能力拡大は当面一服となる可能性が高いでしょう。

テレビ向け有機ELパネルの市場では、LG電子は有機ELパネルの出荷が16年の90万枚から17年は170万枚に増え、18年は250〜280万枚への拡大を見込んでいます。同社のパネルを使用するテレビメーカーは中国の2社が加わって、15社に増加する見通しです。

さらに、同社はスマホ向けの第6世代有機ELパネルの生産を今年7-9月期から坡州市(パジュ市)で開始予定です。有機EL事業に対し17年から20年にかけて185億ドルの投資(携帯機器向けとテレビ向けが半々)を行う計画が確認されています。

また、日本のシャープ(6753)は昨年12月から有機ELパネルのサンプル出荷を始めています。今年7-9月期から日本企業として初めて量産予定で、自社のスマートフォンにも搭載予定としています。

これらのほか、中国企業ではフラットパネル大手のBOEテクノロジーを中心に複数企業が有機ELパネルの量産を計画しています。現在工場の建設が進められており、来年に向けて大きな勢力となる可能性があります(図表5)。

このように、18年後半から19年にかけて有機ELの供給計画が目白押しです。ユニバーサルディスプレイが想定する通り、18年は比較的低成長となるものの、19年には市場が一段と拡大すると期待できるでしょう。

図表4:ユニバーサルディスプレイの業績推移

  • 注:18年、19年予想はBloomberg集計のコンセンサスによります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表5:中国企業が続々参入の見込み

企業名

有機ELの生産計画

BOEテクノロジー

・成都市の工場で第6世代の有機ELパネルを今年中に量産開始予定。
・第6世代の有機ELパネル工場を綿陽市で計画中で、来年生産開始予定。

Tianma(天馬)

・第6世代のフレキシブル有機ELパネルの工場を武漢市で建設中、今年後半に稼働予定。

EverDisplay

・第6世代の有機ELパネルの工場を建設中で、19年に生産開始予定。

Govisionox

・第6世代のフレキシブル有機ELパネルの工場を建設中で、今年後半に稼働予定。

Royole

・第5.5世代のパイロットラインを今年後半に稼働予定。

  • ※各種報道、会社資料をもとにSBI証券が作成
2

主要関連銘柄のご紹介

 市場:米国(NASDAQ)

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.12予

369

10%

128.4

11%

2.72

19.12予

488

32%

195.0

52%

4.04

株価(2/26):131.57ドル

予想PER(18.12期):48.4倍

  • 94年に設立された有機ELによるディスプレイおよび照明の技術開発と材料の提供を行う研究開発型の企業で、プリンストン大学、南カリフォルニア大学、ミシガン大学等と協力関係にあり、有機EL関連で4,500件超の特許を保有しています。222名の従業員のうち、半分以上が研究開発に従事しています。売上の内訳は、有機EL材料(りん光材料)が60%、ライセンス・フィーおよびロイヤルティが37%、研究サービスが3%です(17年)。
  • 17年の売上336百万ドルのうち、62%をサムスンディスプレイ(SDC)が占め、2番目の大手顧客がLGディスプレイと推定されます。サムスン電子とは01年から協働を始め、LGディスプレイとは15年にライセンス契約を開始しています。これら2社を含む日本、台湾などの25社を超える企業にライセンス契約を保有しています。有機EL市場で有力な韓国2社の後背で技術をサポートする有機EL関連の中心企業として注目できるでしょう。
  • 同社の予想PERは、直近の株価下落後でも18年12月期予想に対して48.4倍と高水準です。その理由として、(1)有機EL市場の拡大に沿った売上拡大が期待できる、(2)業界トップの特許をバックにした知財ビジネスの性質が強く、営業利益率が44%、ROE(株主資本利益率)が18%と高い(17年12月期)、(3)有機ELに特化した上場企業はおそらく世界唯一のため、株価にはプレミアムが付きやすい、などが考えられます。ただ、1-3月期は10-12月期への前倒しによって売上が一時的に低くなる可能性があるため、当面は慎重なスタンスが良いでしょう。

 市場:米国(NASDAQ)

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

18.10予

17,521

21%

4,627

31%

4.41

19.10予

18,637

6%

4,734

2%

4.64

株価(2/26):58.81ドル

予想PER(18.10期):13.3倍

  • 半導体製造装置の世界シェア20%を有する最大手で、フラットパネルディスプレイ向けも手掛けます。
  • ここ数年ディスプレイ製造装置の売上の伸びは半導体製造装置の売上増を上回って、売上構成比は17年10月期に13%まで高まってきました。しかし、11-1月期のディスプレイ装置の売上は前年同期比8%増となって、伸びの鈍化が顕著となっています。反面、半導体製造装置の伸びが加速したため、会社全体としては売上の伸びは維持されています。
  • 同社の予想PERは13倍台と低水準にしか買われていません。これは半導体市場は歴史的にシクリカル性が強く、足もとの業績は好調でも先行き市場が悪化する可能性が織り込まれているからと考えられます。しかし、IoT、AI、自動運転など半導体市場の拡大を牽引する要因が広がっていることから、従来のようなシクリカル性は薄まると見込まれ、株価は割安となっている可能性が高いと見られます。

 市場:韓国(KOSPI)

決算期

売上高(10億ウォン)

(前年比)

純利益(10億ウォン)

(前年比)

EPS(ウォン)

18.12予

261,264

9%

47,303

14%

349,638

19.12予

269,496

3%

47,544

1%

358,684

株価(2/26):2,369,000ウォン

予想PER(18.12期):6.8倍

  • 電子機器・電気製品の世界的メーカーです。 17年の売上構成比は、IT&モバイル・コミュニケーション部門(スマホ、コンピュータ、デジカメなど)45%、コンシューマー・エレクトロニクス部門(テレビ、モニター、プリンター、エアコンなど)21%、デバイス・ソリューション部門(半導体、有機ELなど)35%です。
  • 同社業績は売上・利益とも13年をピークに14年、15年と停滞しましたが、16年半ば頃より半導体市況の回復を受けて業績は増益に転じ、17年はその効果がフルに出て大幅な増益となりました。17年10-12月期決算はデバイス・ソリューション部門の営業利益が前年同期比92%増と牽引、全体の営業利益も64%増でした。
  • 有機ELディスプレイはスマホのキーデバイスとして今後重要性が高まると見込まれ、ほぼ独占的に供給する同社はこれをテコに中期的に収益を伸ばすと期待できます。ただ、「iPhoneX」の販売不振は、同機種に有機ELパネルを供給する同社の収益にも影響が出そうです。18年の1-3月期の有機EL事業は、収益性が低下する可能性があるとコメントしています。

 市場:韓国(KOSPI)

決算期

売上高(10億ウォン)

(前年比)

純利益(10億ウォン)

(前年比)

EPS(ウォン)

18.12予

26,368

-5%

799

-56%

2,223

19.12予

27,827

6%

1,129

41%

3,240

株価(2/26): 29,900ウォン

予想PER(18.12期):4.5倍

  • 韓国のLGエレクトロニクスを親会社(株式の38%を保有)とするディスプレイメーカーで、TFT-LCD(液晶)ディスプレイを主力に、有機ELディスプレイも手掛けます。16年の大型TFT-LCDディスプレイ市場で25%のトップシェアを保持しています。
  • 同社のディスプレイ事業はテレビやモニターなど大型パネルを主力としていることから、有機EL事業でもテレビ向けの大型パネルを製品化しています。RBG3色を積層して白色発光させる「白色蒸着」を使用し(このため、カラーフィルターを用います)、サムソン電子が行っているRBG3色をマスクを使って個別に蒸着させる「3色蒸着」とは異なる技術によります。日本の家電メーカーの有機ELテレビのパネル調達を一手に引き受けています。
  • 液晶パネル価格は、16年4-6月期に底入れして回復基調となり、17年も第3四半期までは前年比プラスで推移、営業利益の累計も前年同期比5.9倍と増加していました。しかし、17年10-12月期は、通常は季節性で価格が上昇する時期にもかかわらず7-9月期比で低下、前年比では8%減となったことで業績は一気に悪化、営業利益は前年同期比95%減となりました。低下した液晶パネル価格を受けて、18年12月期の業績は減収と大幅な減益が見込まれています。
  • ※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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