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日本株にも通じる!?米国株投資で知っておきたい重要指標!

2018/02/21
投資情報部 榮 聡

今回は米国株に投資する際に知っておきたい、「Non-GAAP」「EBITDA」「オーガニック成長率」など企業会計に絡む重要指標についてお話します。基本的な考え方は、米国でも日本でも同じですので、日本株に投資している方にもご参考としていただけるでしょう。

図表1:当レポートで言及した主な銘柄

銘柄 株価(2/19) 52週高値 52週安値
シスコ システムズ(CSCO) 44.06ドル 45.13ドル 30.36ドル
フェイスブック A(FB) 176.01ドル 195.32ドル 132.90ドル
スプリント(S) 5.45ドル 9.36ドル 4.91ドル
アマゾン ドットコム(AMZN) 1468.35ドル 1498.00ドル 833.50ドル
コストコ ホールセール(COST) 188.12ドル 199.88ドル 150.00ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

株式市場は「GAAP」よりも「Non-GAAP」を重視

最近、米国企業の決算ニュースで、「GAAP(ギャープ)」「Non-GAAP(ノン・ギャープ)」という言葉をご覧になることがあるのではないでしょうか。

典型例は、「税制改革の影響を受けて10-12月期の純利益は、GAAPでは赤字に転落したものの、Non-GAAPでは市場予想を上回る好決算だった。」というようなものです。

今回はこのような、米国株に投資する際に知っておきたい、企業会計に絡む重要指標についてお話いたします。まず、「Non-GAAP」からです。

〇株式市場は「GAAP」よりも「Non-GAAP」を重視
「GAAP」は会計用語の「Generally Accepted Accounting Principles」の略で、「一般的に認められた会計原則」、つまり、「米国会計基準」を指します。米国の株式市場に上場する企業は、「GAAP」のルールに沿った財務諸表を作成する必要があります。

一方、「Non-GAAP」はGAAPに沿っていないという意味で、「GAAP」ベースの数値から一時的な損益などを除いた「調整後」の数値を、企業側が参考値として開示したものです。「基調の」あるいは「実力の」数値を示すことが目的です。

株式市場では、「Non-GAAP」の数値が重視されます。株価は、様々な社会制度の影響を受けた「会計上の利益」よりも「“経済学的な”利益」「実力ベースの利益」に沿って動くからです。冒頭に挙げたGAAPでは予想外の赤字転落でもNon-GAAPが予想を上回っているケースでは、株価は堅調となることが多いようです。

ご参考に、NYダウ採用企業について今期予想EPSが「GAAP」か「Non-GAAP」かで違いが大きいものを図表2にリストアップしています。今年度は税制改革の影響で違いが大きくなっている企業が多くなっています。シスコシステムズ(CSCO)は決算期末が7月であるため、特に乖離が大きいと考えられます。

〇「Non-GAAP」は会社の意見
株式市場は「Non-GAAP」の数値を重視して動きますが、市場で議論が生じることもあります。というのも、「Non-GAAP」は会社側の意見で、「「GAAP」による数値よりも当社の実力をより良く示すと考えますので、ご参考に報告します。」という意味合いのものだからです。

どのような調整を行うかはルールが決められているわけではなく、決算リリース等で「Non-GAAP」の数値に言及する場合は、「GAAP」の数値からどのような調整を行ったかを説明することが義務付けられているのみです。ですから、アナリストによっては、会社が公表する「Non-GAAP」が同社を評価する上で適当でないとして、独自の「調整後EPS」を使用することも、ままあります。議論が生じる余地がある点には注意が必要でしょう。

市場でよく話題になるのは、IT企業に多い「株式報酬」の扱いです。IT業界では、株式報酬費用を除いて「調整後EPS」を計算するのが慣例となっています。しかし、このような扱いは保守的でないとして、「GAAP」ベースのEPSで株価評価を考える市場参加者もいるようです。

実際、フェイスブック(FB)は、17年12月期から「調整後EPS」の公表を止めています。理由は、「株式報酬は同社の場合には経常的なもので、一時的な損益とするのは妥当でないと判断した」としました。17年12月期のEPSは、株式報酬を含むと含まないとで13%の違いがありました。

〇日本の株式市場と比較して
日本の株式市場では、一時的な損益の影響を受けることのある「純利益」や「EPS」に比べて、利益の基調を把握するために「経常利益」や「営業利益」の動きを重視する傾向があると思います。

しかし、米国市場においては、一時的な損益の影響を除いた「Non-GAAP」の「調整後EPS」を使うことが普及しているため、日本市場ほど「経常利益」や「営業利益」についてコメントされません。同様の機能を「調整後EPS」が果たしているからです。PERの計算にも直結するため、便利にできていると言えるでしょう。

以上、株式市場は基本的に「Non-GAAP」の数値を基準に動くこと、「Non-GAAP」は会社の意見であるため議論が起きることがあること、米国の「調整後EPS」は一時的な損益が除かれて基調を示すために便利なこと、をお話しいたしました。

図表2:「GAAP」と「Non-GAAP」のEPSに違いのあるNYダウ採用銘柄

銘柄

Non-GAAP
今年度予想EPS
(ドル)

GAAP
今年度予想EPS
(ドル)

「GAAP」に対する「Non-GAAP」の
乖離率(%)

シスコシステムズ

2.6

0.6

340.7%

マイクロソフト

3.7

2.3

59.3%

ファイザー

2.9

2.2

36.2%

メルク

4.2

3.2

28.5%

ゼネラル・エレクトリック

1.0

0.8

15.9%

IBM

13.8

12.0

15.9%

ウォルマート

4.4

3.9

14.6%

ジョンソン・エンド・ジョンソン

8.1

7.3

10.8%

ボーイング

14.3

16.1

-11.2%

  • 注:NYダウ採用30銘柄のうち、「Non-GAAP」予想EPSの「GAAP」予想EPSに対する乖離率が±10%以上の銘柄です。
    ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

「EPS」の代わりに「EBITDA(利払い、償却、税金前利益)」を使うケース

株式の投資指標として、通常は「EPS(1株当たり利益)」が使用されますが、銘柄によっては「EBITDA(利払い、税金、償却前利益)」が使われることがあります。当社の顧客保有人数でトップのアマゾンが代表例です。

EBITDAは、「Earnings Before Interest, Tax, Depreciation, and Amortization」の略で、利払い、税金、償却費用を支払う前の利益になります。償却費用を除くことから、先行投資を行っている企業の収益実態を把握できると考えられます。また、償却は現金の出入りを伴わないため、営業キャッシュフローに近い財務指標になります。

株式投資の指標としてEBITDAが使われるのは、(1)EPSが赤字で、PERが計算できないケース、(2)先行投資負担が大きい場合に、EPSよりも事業の実態を把握できると考えられるケース、があります。

(1)では、例えば、ソフトバンク子会社のスプリント(S)は17年12月期まではEPSが赤字であったため、株価評価には「PER」に代えて「EV/EBITDA」(※)が使われていました。尚、スプリントは18年12月期に黒字化が予想されており、予想PERが計算できるようになっています。

また、スプリントが属する通信サービス業界では、ネットワークを拡張する際に先行投資額が大きくなることがあるため、EPSが赤字でなくてもEBITDAが良く使われます。ご参考に、図表3は米国の通信サービス大手のバリュエーション比較です。PERではTモバイル(TMUS)が突出した形になりますが、EV/EBITDAでは財務内容に劣るスプリントを除いて似た水準で、やはりこの指標で評価が決められているようです。

  • ※EVは株式時価総額と債券発行額の合計で、「エンタープライズバリュー」の略です。EBITDAは利払い前の利益のため、株式と債券の合計値と比較します。

(2)で代表的なのが、当社の顧客保有人数でトップのアマゾンドットコム(AMZN)です。

同社は物流センターなどへの積極的な投資により、売上はどんどん拡大するのに、先行投資負担で純利益はなかなか伸びないという状況が続きました。この状況が分かるのが、同社の売上高EBITDA利益率と売上高純利益率を比較した図表4です。

12年から14年にかけて投資負担によって売上高純利益率は低下しましたが、償却費用を控除する前の売上高EBITDA利益率は、継続的に改善していました。投資負担によって純利益は抑制されているものの、事業の基調は健全だと判断することができました。

15年以降はクラウド事業のAWS(アマゾンウェブサービス)の利益貢献が効いて収益性の改善が顕著です。両利益率も同じ方向で動き始めています。ただ、経営者の考え方から先行投資が大きいのは変わらず、そのため、売上高純利益率よりも売上高EBITDA利益率のほうが先行して動く傾向は残っているようです。このため、引き続きEBITDAが重視されているようです。

図表3:米通信サービス企業のPERとEV/EBITDA倍率

銘柄(コード)

株価
(2/16)
(ドル)

予想PER
(今年度)
(倍)

予想EPS
(今年度)
(ドル)

EV/EBITDA
倍率
(%)

EV
(2/16)
(億ドル)

予想EBITDA
(今年度)
(億ドル)

AT&T(T)

37.14

10.7

3.46

6.5

3,430

526

ベライゾン コミュニケーションズ(VZ)

50.15

11.1

4.52

6.8

3,212

474

Tモバイル US(TMUS)

60.06

18.0

3.34

6.9

810

118

スプリント(S)

5.39

10.6

0.51

4.8

539

112

  • ※BloombergのデータをもとにSBI証券が作成

図表4:アマゾンの利益率の推移

  • ※BloombergのデータをもとにSBI証券が作成
2

「既存店売上」と「オーガニック成長率」

小売やレストランなど多店舗展開する企業の決算を見る上で重要な指標が、「既存店売上」です。開店から1年未満の新店の売上を除くことで、事業の基調を見ようとするものです。

企業が大きくなって数万人の従業員がいて何百・何千店舗にも分かれて営業していると、四半期で切り取った会計上の利益が増えていても、その企業の基調利益が増えているのか、実際はなかなかわからないというのが本当のところです。

しかし、既存店売上が増加している場合は、固定費が概ね一定の中で売上が増加するため、収益は確実に拡大しているはずだと信頼できます。このため、四半期決算では会計上の利益よりも既存店売上の動向のほうが、市場では重視されている印象さえあります。

尚、米国では四半期決算の発表が充実しているためか、「選別開示」となってしまうリスクを排除するためか、月次売上を発表する小売企業は比較的少なく、主要企業ではコストコ ホールセール(COST)くらいです。

「既存店売上」と同じような考え方に、「オーガニック成長率」があります。これは、企業買収や事業売却が頻繁にある欧米企業の決算リリースでは、よく目にする言葉です。

「オーガニック」とは「同じ組織の」という意味で、M&Aなどの影響を除いた「同じ組織での成長」「内部的な成長」を見ようとするものです。企業買収によって売上・利益とも大幅に伸びたが、買収事業を除いた既存事業の業績はどう動いたのかという問いに答える指標です。

売上・利益に対する為替相場の影響が大きい企業の場合は、これを除く企業もあります。考え方は「既存店売上」と同じと言えるでしょう。

例えば、10-12月期の主要企業の決算発表で、「オーガニック売上成長率」、または、似た概念に言及した企業には、ファイザー(PFE)コカ-コーラ(KO)マクドナルド(MCD)などがあります。

ファイザーは売却事業を除いた伸び率、コカ-コーラはボトラー再編による構造変化の影響を除いた伸び率、マクドナルドは自社運営店舗のフランチャイジー化の影響を除いた伸び率を示しています。

企業の経営実態を見るために、「オーガニック成長率」は「既存店売上」同様、株式市場で重視されます。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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