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ディズニー vs ネットフリックス、動画配信市場に新たな動き

2017/08/16
投資調査部 榮 聡

ウォルトディズニーが自前の動画配信サービスを立ち上げるという、重要な戦略転換を発表しました。一方で、ディズニーから映画の供給を受けているネットフリックスは19年から新作の供給を受けられなくなります。この新たな動きによる両社へのインパクトを検討したほか、加速するネット大手による動画配信への最近の取り組みをまとめています。

図表1:言及した銘柄

銘柄 株価(8/15) 52週高値 52週安値
ウォルト ディズニー(DIS) 101.51ドル 116.10ドル 90.32ドル
ネットフリックス(NFLX) 168.50ドル 191.50ドル 93.26ドル
アマゾン ドットコム(AMZN) 982.74ドル 1083.31ドル 710.10ドル
フェイスブック A(FB) 171.00ドル 175.49ドル 113.55ドル
アルファベット A(GOOGL) 938.08ドル 1008.61ドル 743.59ドル
ツイッター(TWTR) 15.95ドル 25.25ドル 14.12ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

ウォルトディズニーが重要な戦略転換を発表

ウォルトディズニー(DIS)が8/8(火)の4-6月期決算発表と同時にリリースを出して、自前の動画配信サービスを始めると発表しました。これまではケーブルTVやインターネットTVに映像コンテンツをライセンス販売していましたが、直接消費者に届ける形に配信戦略を転換します(図表2)。

アイガーCEOは、「メディア業界ではコンテンツの制作者と消費者が直接つながる傾向が強まっている。我々も消費者との関係を直接築き、市場の変化に素早く対応できるようにする」と述べています。

具体的には、「ESPN」ブランドのスポーツ映像ストリーミングサービスを18年の早い時期に、また、「ディズニー」ブランドのビデオオンデマンドサービスを19年に始める計画です。これに伴い、ネットフリックス(NFLX)へのディズニーとピクサーによる映画の供給は19年以降停止するとしました。

自前の動画配信サービスを立ち上げるために、ストリーミング技術をもつ大リーグ機構傘下のBAMTech社株式の42%を15.8億ドルで追加取得して、昨年取得した33%と合わせて、同社の経営権を確保しています。

ウォルトディズニーが今回このような戦略転換を行ったのは、安価なインターネットTVの台頭を受けて、ケーブルTVの運営事業者が「Skinny Bundles」(スキニー・バンドル)と呼ばれる視聴できる番組数を減らした安価なプランの提供を始め、この影響を大きく受けたのがスポーツ専門チャンネルの「ESPN」であったためと考えられます(図表3)。

「ESPN」は同社の部門利益の49%を占めるメディア・ネットワーク部門の主力事業です。ここ数四半期「ESPN」の不振によってメディア・ネットワーク部門の業績が不安定で、ディズニーランドなどを運営するパーク部門や映画制作部門の好調を相殺してきました(図表4)。

今回の発表に至る同社の意向は、昨年8月にBAMTech社の株式を取得した段階で大枠は説明されていました。ジリ貧のメディア・ネットワーク部門に手を打つことに対して株式市場は好感、昨年8月から今年4月にかけて同社の株価は上昇しました。しかし、17年1-3月期、4-6月期と四半期業績が低調となって売り直されています。

メディア・ネットワーク部門の業績は来年から「ESPN」の動画配信サービスが始まった後も不安定な状態が続くと見込まれます。このため、「中長期の成長に向けた戦略的行動に対する評価」と「足もとの業績の不安定さ」との綱引きという状況は、来年度にかけても続きそうです。

図表2:ウォルトディズニーはコンテンツの配信戦略を転換

  • ※各種報道よりSBI証券が作成

図表3:従来型有料TVが伸び悩む中、契約者数を伸ばすインターネットTV

  • 注:従来型有料TV契約者数は、ケーブルTV契約者数と衛星放送のDISHおよびベライゾンとAT&Tによる有料TV契約者数の合計によります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:ウォルトディズニーのメディア・ネットワーク部門の売上高伸び率(前年同期比)

  • 注:同社は9月決算のため、1Qは10-12月期、2Qは1-3月期、3Qは4-6月期、4Qは7-9月期になります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

ネットフリックスは大丈夫なのか?

一方、ディズニーからコンテンツの供給停止を言い渡されたネットフリックスは大丈夫なのでしょうか?検討してみましょう。

まず、今回の発表ですが、供給停止が明言されたのはディズニー本体とピクサーによる新作映画で、ディズニー傘下のルーカスフィルム(「スターウォーズ」シリーズの制作)とマーベル映画(「アベンジャーズ」シリーズなどの制作)については、まだ検討中とされます。

ネットフリックスにとってディズニーは、コンテンツの配信契約を結んでいる唯一のメジャースタジオで、他のスタジオとの配信契約も保有していますがディズニーに比べると小粒です(図表5)。

ディズニーに匹敵する大手スタジオのワーナー、ユニバーサル、ソニー、FOXなどは、他の配信事業者との契約が21年、22年まで残るため、今回のディズニーの決定によってネットフリックスがコンテンツ不足に陥る可能性が懸念されています。

しかし、ネットフリックスは、(1)18年12月までにディズニーから供給を受けたコンテンツのライブラリーは19年以降も利用可能、(2)コンテンツに対する支出額は業界トップ級、(3)積極的にコンテンツ資産を積み上げていることから、ディズニーの決定によってコンテンツ調達に関するリスクは高まったものの、対応可能な範囲にあると見られます。

(2)について、コンテンツへの支出額は17年に60億ドルに達し、スポーツの放映権獲得に大金を投入する「ESPN」以外では、最大企業となる見込みです。インターネットTVでライバルのアマゾンドットコム(AMZN)の推定40億ドルをも大きく上回っています(図表6)。

グローバルで1億人を超えるサービス加入者を擁し、海外の加入者数はこれからも高成長が続くと見込まれ、コンテンツの制作企業にとって非常に魅力的なライセンス先であると考えられます。

(3)については、自前のコンテンツ制作に注力しており、貸借対照表上のコンテンツ資産は、加入者数の伸びを上回る拡大を示しています(図表7)。同社のこのようなスタンスに惹かれて、米国の映像制作業界のヒットメーカーが同社に移籍するケースが増えており、同社のコンテンツ制作力は向上すると期待されます。

8/15(火)にも、ウォルトディズニー傘下のテレビ局ABCから、「グレイズ・アナトミー」「スキャンダル」などのヒットドラマを担当したプロデューサーのションダ・ライムズが同氏が率いる制作会社とともにネットフリックスに移るとの報道がありました。

株式市場の反応を見ると、ディズニーによる発表のあった8/8(火)の時間外取引で一時終値比6%安となり、その後もやや軟調に推移しています。ディズニーのコンテンツを失うことはネガティブであることは間違いないでしょう。ただ、同社事業に対する決定的な悪材料とはみなしていないと言えそうです。

図表5:米国のスタジオとネットワークの配信契約の関係

スタジオ

ネットワーク

契約期限

ディズニー

ネットフリックス

18年12月

ドリームワークス

ネットフリックス

18年12月

レラティビティ

ネットフリックス

18年12月

ワインスタイン

ネットフリックス

18年12月

ワーナー

HBO

21年12月

FOX

HBO

22年12月

ユニバーサル

HBO

21年12月

MGM

EPIX

18年12月

パラマウント

EPIX

18年12月

ライオンズゲート

EPIX

18年12月

STX

ショータイム

19年12月

ソニー

Starz

21年12月

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表6:ネットフリックスのコンテンツへの支出額は業界トップ級

ネットワーク

コンテンツへの支出額推定(17年)

ネットフリックス

60億ドル

ESPN

70-80億ドル

アマゾン

40億ドル

CBS

39億ドル

NBC

36億ドル

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表7:ネットフリックスはコンテンツ資産を積極的に拡大中

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

加速するネット大手の動画配信への取り組み

ウォルトディズニーが新たに参入を表明したインターネットによる動画配信は巨大市場になると見込まれています。

個々人の都合により見たいときに見られる便利さが従来型TVからのシフトを促す上、これまで基本的に国ごとに分断されていたテレビ放送市場の一部がインターネットを通じてグローバルに統合されると考えられるためです。

ネットフリックスは、同社ホームページに掲載する「長期的な見方」(「Long-Term View」)と題する文書の中で、従来型のテレビ放送を「リニアテレビ」と呼んでいます。リニアとは「線形の」という意味で、この場合「番組が時間に沿って順番に並んでいる」ことを指すと見られます。

昔、録音・録画メディアが、順番を変えることができない「リニア」なカセットテープ・ビデオテープから、ランダムにアクセスできるCD・DVDに短期間で置き換わったことを彷彿とさせます。テレビ放送の場合は、時間を変えることができないライブイベントがあるため、そこまで急激には置き換わらないかもしれませんが、確実に置き換わる部分があると考えられます。

このような巨大市場への参入は後を絶たず、ここにきてネット大手の動きが以下のように目立っています。

月間の利用者数が20億人に達する世界最大手のSNSフェイスブック(FB)は、スマートフォンのアプリ内に「ウォッチ」と呼ぶ専用コーナーを設け、ナショナルジオグラフィックや米大リーグ機構などが制作する番組を配信する計画を進めています。

世界で15億人の月間視聴者数を抱えるアルファベット(GOOGL)傘下の「YouTube」は、地上波など大手放送局の番組をネット配信する「YouTube TV」のサービス(月額35ドル)を4月から米国で提供しています。

また、短文投稿サービスのツイッター(TWTR)は、今秋からBloombergのニュース動画を広告付きで無料配信する計画です。

米国の動画コンテンツは世界的に高い競争力をもち、動画の配信インフラが世界的に進歩する中で、米メディア企業は事業対象にできる市場を増々拡大していくことが予想されます。

一方、その巨大市場への新規参入は相次いでおり、競争も激しくなっていくと見られます。どの企業がどのようなポジションを獲得していくのか、まだまだ目が離せない状況が続きそうです。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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