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「“アマゾン”耐性」の高い小売企業には投資チャンス!?

2017/06/28
投資調査部 榮 聡

アマゾンによる米食品スーパー買収のニュースが波紋を広げています。アマゾンのシェア拡大などの影響で既に業績不振に陥っている小売セクターの株価には、とどめを刺すような形となりました。一方で、小売セクターに対する市場センチメントは非常に弱くなっているため、アマゾンに対する抵抗力があり、成長を持続できる企業には投資のチャンスとなりそうです。検討してみましょう。

図表1:注目銘柄

銘柄 株価 (6/27) 52週高値 52週安値
アマゾン ドットコム(AMZN) 976.78ドル 1,017.00ドル 682.12ドル
ホーム デポ(HD) 152.24ドル 160.86ドル 119.20ドル
アルタ ビューティ(ULTA) 282.86ドル 314.86ドル 225.13ドル
ウォルマート ストアーズ(WMT) 76.01ドル 80.48ドル 65.28ドル
ベスト バイ(BBY) 56.18ドル 61.95ドル 29.05ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

アマゾンはホールフーズの買収で何をしようとしているのか?

アマゾンが6/16(金)に自然食品スーパーのホールフーズ(WFM)を137億ドルで買収すると発表して、株式市場に衝撃が走りました。

買収を発表したアマゾンの株価は2.4%高となる一方、生鮮食品を扱う小売企業は競争激化が懸念され、クローガーが9.2%、コストコホールセールが7.2%、ターゲットが5.1%、ウォルマートが4.7%それぞれ値下がりしました。

アマゾンの動きは株式市場でポジティブに評価されたと言えそうですが、何をしようとしているのでしょうか?

買収されるホールフーズは、米国で456店舗(16年9月)を展開する自然食品の取り扱いを特徴とする高級スーパーです。16年9月期の売上は157億ドルで、食品を扱う小売企業として公開企業では5位、未公開企業を含めると10位の中堅の小売企業です(15年)。

一方、アマゾンは生鮮食品の分野では、「アマゾンフレッシュ」という配送サービスを2007年から米国の一部地域で展開しています。米国の食品小売ではシェアが1.6%と推定され、ホールフーズのシェア2.0%を加えて、本格展開の足掛かりにしようとしていると考えられるでしょう。

アマゾンはネット企業ではありますが、ネット通販の業務の中心はピッキングと配送であると言え、これまでも同社の売上は物流セクターの拡大と連動してきました(図表2)。その意味では既にリアルの大きなオペレーションをもつ企業であり、今回の買収も配送拠点の拡大の一貫と見ることができるでしょう。

また、ホールフーズは比較的所得の高い地域に出店していることから、高級スーパーを利用する顧客の行動データを取って今後の展開に備える、物流倉庫のノウハウを注入して同社の利益率を引き上げるなど、買収の目的については業界で様々な観測が出ています。

昨年ウォルマートは、30億ドルでネット通販のジェット・ドットコムを買収して、店舗とネットを融合したサービス推進へ大きく舵を切りました。今回のアマゾンの動きは、これに対抗する意味合いもありそうです。ネットとリアルの境界があいまいになりつつある中、アマゾンがホールフーズをどのように使うのか注目されます。

図表2:アマゾンの売上は物流センターの面積に連動

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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アマゾンが席巻する米小売業界

日本でもアマゾンの売上が1兆円を超えたことがニュースになっていますが、米国の株式市場ではもう5〜6年前から、投資する小売企業を選ぶ際に、アマゾンの事業拡大から受ける影響の有無が選択基準の一つになっていました。

ただ、当時は今後影響が出る可能性を考慮していたに過ぎません。しかし、ここ2年はその影響が実際に売上にも出てきたとされ、百貨店やアパレル企業の業績不振のニュースでは、「アマゾンを中心としたeコマース拡大の影響を受けて」というのが枕詞になるほどです。

アマゾンの売上が米国の小売市場でどのくらいを占めているかは、アマゾンの売上と米商務省の小売統計がどのように対応しているかが明らかでなく、推定は簡単ではありません。

しかし、伸び率の推移を比較すると、米小売売上が年率3%程度、そのうちの無店舗販売(概ねeコマースに相当)が同10%程度の伸びに対してアマゾンの北米売上(クラウドサービスを除く)は同20%台が続いています(図表3)。

このため、アマゾンは小売市場でのシェアが拡大しているのは勿論のこと、eコマース分野のシェアも拡大していると言えます。リアルの企業が新たにeコマースに展開しても、平均的にはアマゾンのシェアが上昇を続けているということになります。

このような状況を受けて株式市場でも、S&P500指数の業種指数で「総合小売」「百貨店」「食品小売」はここ2年間極めて低調です(図表4)。ウォルマート、コストコホールセールからなる「スーパーマーケット」はこれまで相対的に好調でしたが、アマゾンのホールフーズ買収のニュースにはショック安となっています。

株式市場の小売セクター企業に対するセンチメントは非常に弱くなっていると見られます。一方、アマゾンの拡大に抗して成長していける企業については、投資のチャンスを迎えている可能性があるでしょう。次節で検討しています。

図表3:アマゾンの売上成長は市場を大きく上回って、シェア拡大が続く

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:アマゾンのシェア拡大を受けて小売企業の株価は不振

  • 注:「スーパーマーケット」は、ウォルマート、コストコホールセール、「総合小売」はターゲット、ダラー ゼネラル、ダラー ツリー、「百貨店」はノードストローム、メーシーズ、コールズ、「食品小売」はクローガー、ホールフーズがそれぞれ構成銘柄です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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「“アマゾン”耐性」の高い小売企業とは?

アマゾンに対する抵抗力があると考えられる企業を、今年に入ってからの株価の推移から考えてみましょう。図表5は、S&P500指数採用の小売企業から、株価の年初来騰落率と過去3ヵ月の騰落率がいずれもプラスとなっている企業をリストアップしています。

このリストから事業内容を考慮した上で、アマゾンに対する抵抗力が高いと考えられる企業を4銘柄選んで(アマゾンが買収するホールフーズは除きます)、アマゾンとともにご紹介いたします。

アマゾンドットコム(AMZN)
・1994年に創業したeコマース大手で、米国を中心にドイツ、英国、日本などに展開しています。メディアおよび家電から参入して、日用品、アパレル、生鮮食品、医薬品などへ取扱範囲を広げ、小売市場でのシェアを拡大し続けています。同社が世界で運営する物流センターの面積は、東京ドーム82個分に相当する1.6億平方フィート(3.86平方キロメートル)に達しています。

・ネット通販以外では、クラウドサービスの「アマゾンウェブサービス」が122億ドル(16年12月期)を売り上げて利益率も高い事業に成長しました。米国で普及が進む人工知能を利用したスマートスピーカーでは、「エコー」が約7割のシェアを獲得、スマホの次のITサービスの覇権争いをリードしています。また、「プライムビデオ」では、世界的に成長が期待されるオンデマンド動画でネットフリックスに次ぐポジションを確保しています。

ホームデポ(HD)
・ジョージア州に本社を置く米国最大のホームセンターです。米国全土に1,977店舗(17年1月末)を展開するほか、カナダ、メキシコに300店超を出店しています。取扱品目が通常の店舗で3〜4万点と多く、また、嵩張る割に値段の安い品目も多く、ネット通販に対する抵抗力は比較的高い業態と見られます。

・店舗数はほぼ横ばい圏を維持する中で、来客数の増加によって既存店売上を伸ばして、売上とともに利益率を拡大して利益成長を遂げています。17年2-4月期は売上が4.9%増に対して既存店売上は5.5%増を達成して、営業利益は8.8%増と好調です。

アルタビューティ(ULTA)
・美容関係商品の小売チェーンです。ドラッグストアにあるような美容関連商品、百貨店で売られている高級化粧品、美容サロンのサービスがワンストップショップできるフォーマットが受けて、店舗数は12年1月期の449店から17年1月期に974店へ急拡大中です。

・平均的な店舗では2万点超の幅広い品揃えがあること、美容分野の製品は新陳代謝が活発であること、また、美容サロンの併設が魅力の一つとなっていることから、ネット通販への抵抗力が高いと考えられます。17年1月期の既存店売上は15.8%増(ネット通販の56%増を含む)と好調です。また、SNSの普及による「自撮り」文化の広がりで、普段からメイクをする人が増え、また、メイクにも力が入ることから恩恵を受けていると見られています。

ウォルマート(WMT)
・アーカンソー州に本社を置く世界最大のスーパーマーケットチェーンです。米国内に4,900店超の拠点を有し、人口の約90%が店舗から10マイル(約16キロ)以内に居住するとしています。ネットとリアルの境界があいまいになる中で、リアルで強力なネットワークを保有することは、アマゾンに対抗する武器になると見られます。

・16年8月にはネット通販のジェット・ドットコムを30億ドルで買収、同社CEOにウォルマートのオンライン事業を任せて、eコマース戦略を推進しています。アマゾンと真正面からぶつかって、勝利する可能性がまだ残っている数少ない企業と言えるでしょう。

ベストバイ(BBY)
・全米に1,500店超を展開、米国で唯一残った家電量販店です。アマゾンは、メディア・家電から参入して売上の範囲を広げていったため、アマゾンの洗礼を最も早く受けた業界の一つと考えられます。実際、業界2位であったラジオシャックは15年2月に経営破綻しています。

・同社も13年2月期、14年2月期と売上の減少を受けて利益が大幅に落ち込みましたが、15年2月期より既存店売上は改善傾向となっています。携帯電話や関連サービスの販売を取り込んだことと、情報機器周りのサービスを強化したことで業績の改善に繋げています。同社店舗から15分以内に居住する人口は70%超に達するとしています。

図表5:株価推移が堅調な小売銘柄

コード 銘柄 株価
(6/23)
(ドル)
予想
PER
(倍)
株価騰落率
(%)
(年初来)
株価騰落率
(%)
(3ヵ月)
予想EPS
増加率(%)
(今期)
予想EPS
増加率(%)
(来期)
WFM ホールフーズ・マーケット 42.95 33.0 39.6 48.4 -16.6 5.6
BBY ベストバイ 55.18 14.2 29.3 23.0 9.0 5.2
HD ホーム・デポ 151.31 20.9 12.9 2.4 12.3 13.0
ULTA アルタ・ビューティ 284.71 34.3 11.7 1.1 27.5 19.2
WMT ウォルマート・ストアーズ 74.84 17.2 8.3 7.5 0.8 5.6
LKQ LKQ 32.27 17.3 5.3 9.8 3.8 11.7
SPLS ステープルズ 9.29 10.5 2.7 9.7 -1.8 -1.6
JWN ノードストローム 48.00 16.1 0.1 14.4 -2.2 2.1
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表6:選択した5銘柄の株価推移

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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