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“利上げ後も良好な相場環境は続く?”

2017/06/20
提供:フィリップ証券株式会社
リサーチ部:庵原 浩樹、袁 鳴

“利上げ後も良好な相場環境は続く?”

  • ハイテクは売られ、弱い経済指標が続く中でも6/16のNYダウは最高値を更新した。同日、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が高級スーパー、ホールフーズ・マーケット(WFM)の買収を発表。買収発表では通常、キャッシュアウトなどによる財務悪化懸念から買収側の株価は下がるが、アマゾンの株価は上昇した。
    市場における評価は、①中高所得者層中心のアマゾンプライム会員と客層がマッチすること、②オーガニック野菜など健康・安全に注力し生鮮三品やPBも含めた加工食品などアマゾンにはないマーチャンダイジングを組み入れられること、③米国内を中心とした約460店(米国外ではカナダ、英国)で実店舗ノウハウを手に入れ配送拠点として活用できること、などが挙げられよう。
  • 豊富な手元資金(214億ドル、約2.4兆円)や時価総額(4,721億ドル、約52.4兆円)を背景に、海外も含め今後もサプライズを伴う買収などが実施される可能性があろう。今回の買収劇は、IT企業に留まらずあらゆる業界に刺激をもたらし、資本市場にとってはポジティブなニュースとなったと言えよう。IT企業の株価はアナリストが過熱感に警鐘を鳴らして以来冴えない展開だが、業績動向やPER水準などから引き続き押し目はチャンスと見る。また、アマゾンの買収で競争が激化するとして大幅な下落となったウォールマート・ストアーズ(WMT)コストコホールセール(COST)の株価は比較的短期に戻すものと予想する。
    6/14、FOMCは市場の想定通りFF金利誘導目標を0.25%引き上げ1.00-1.25%とし、年内残り1回と2018年、2019年の年3回程度の利上げ見通しを維持した。バランスシート縮小は年内に開始し、具体的な縮小額と時期についても早期にと具体的な見通しを示唆したことで、市場に安心感が広がったと見ている。ただ、イエレンFRB議長は米国経済に自信を示したが、消費者物価、小売売上高、鉱工業生産、住宅着工など足元で弱めの指標が相次いでいる。利上げ実施やフォワードガイダンスが示されても金利が上がらない状況に注意も必要だが、低金利、ドル安、好業績見通しが株価を下支えする展開が続くものと予想する。IT企業への一極集中から投資家の資金が徐々にローテーションする動きも見られ、バイオ、不動産、食品などにも注目したい。(庵原)
  • 6/20号ではアムジェン(AMGN)アマゾン・ドット・コム(AMZN)フェイスブック(FB)レナー(LEN)ペプシコ(PEP)を取り上げた。

ウィークリーストラテジー

S&P500業種別およびNYダウ構成銘柄の騰落率(6/16現在)

主要企業の決算発表予定

6月20日(火) アドビ、フェデックス
6月21日(水) オラクル

主要イベントの予定

6月20日(火)
  • 1-3月期の経常収支
  • 日銀金融政策決定会合、議事要旨(4/26-27分)
  • MSCI、中国本土株の指数採用の是非巡る発表
21日(水)
  • MBA住宅ローン申請指数
  • 5月の中古住宅販売
22日(木)
  • 米週間新規失業保険申請件数(6/17まで終了週)
  • FRBがドッド・フランク法に基づくストレステストの結果を発表
  • 4月の住宅価格指数
  • 5月の景気先行指標総合指数
  • ECB経済報告
  • EU首脳会議
23日(金)
  • 6月の製造業PMI
  • 5月の新築住宅販売
  • パウエルFRB理事が講演
  • EU財務相理事会
  • 6月のユーロ圏製造業PMI(速報値)
  • ※Bloombergをもとにフィリップ証券作成

銘柄ピックアップ

  • 1980年に創業した世界最大の独立系バイオテクノロジー企業。DNA(遺伝子組み換え)技術や分子生物学的技術を軸に医薬品の開発、製造、販売を行っている。
  • 2017/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比1.1%減の54.64億USD、純利益が同9.0%増の20.71億USDとなった。調整後EPS は3.150USD と市場予想の3.006USDを上回った。主力の医薬品販売が同0.8%減収の51.99億USDとなった。そのうち関節リウマチ治療薬「Enbrel」が同19.3%減収となったが、主力の癌治療薬「Neulasta」が同2.3%増と増収を確保した。
  • 2017/12通期会社計画は、売上高レンジが223億-231億USD、EPSレンジが従来予想の10.45-11.31USDから10.64-11.32に上方修正された。通期の市場予想は売上高が前期比1.6%減の226.17億USD、純利益が同7.4%増の82.91億USDである。(袁)
  • 1994年設立のオンライン販売会社。書籍、音楽関連、PC、電子機器、家庭や庭園向け雑貨、食品、ファッション関連などを販売。2007年よりキンドル(電子書籍端末)を発売している。
  • 2017/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比22.6%増の357.14億USD、純利益が同41.1%増の7.24億USDとなった。調整後EPSは1.480USDと市場予想の1.078USDを上回った。主力の北米Eコマース事業は同23.5%増収の209.92億USDとなった。また、クラウドコンピューティングサービスを提供するAWS事業は同42.7%増収と引き続き好調に推移した。
  • 同社は、自然食品スーパーを運営する米ホールフーズ・マーケット(WFM)を137億USDで買収。全米で数百店舗を抱えるホールフーズの買収で、アマゾンはスーパーの実店舗展開を一気に加速させ、小売最大手のウォルマート(WMT)への対抗策を打ち出した模様。2017/12期2Q(4-6月)の会社計画は売上高が352.5億-377.5億USD。通期の市場予想は売上高が前期比22.2%増の1,662.29億USD、純利益が同43.2%増の33.94億USDである。(袁)
  • 2004年にマーク・ザッカーバーグCEO ら当時ハーバード大学の学生がサービスを開始。無料の登録制SNSで、13歳以上が登録できる。ソーシャルネットワーク・ウェブサイトを運営し、スマホやPCによりユーザー間で情報、写真、ビデオなどを共有できるサービスを提供する。
  • 2017/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比49.2%増の80.32億USD、純利益が同76.6%増の30.59億USDとなった。調整後EPSは1.304USDと市場予想の1.117USDを上回った。広告や携帯向け広告が伸び、収益を押し上げた。広告収入は同49.5%増の80.32億USDと好調。2017/3末の月間利用者数は前年比17.0%増の19.4億人と20億人の大台に迫っている。
  • 同社は、実世界にバーチャルなアイテムを重ね合わせる機能について、眼鏡型AR(拡張現実)端末で技術的に可能になるのを待つのではなく、スマホのカメラを活用する方針を示しており、ARの拡充策に注力している模様。2017/12通期の市場予想は売上高が前期比38.5%増の382.81億USD、純利益が同36.6%増の139.20億USDである。(袁)
  • 1954年に創業した住宅建設会社。一戸建て、タウンハウス、高層集合住宅の建設や住宅地の売買を行うほか、モーゲージ、不動産取引決済サービスなども手掛ける。
  • 2017/11期1Q(2016/12-2017/2)は、売上高が前年同期比17.3%増の23.37億USD、純利益が同73.6%減の3,810万USDとなったが、調整後EPSは0.590USDと市場予想の0.548USDを上回った。4事業は全て2桁増収。主力の住宅建設事業は同13.0%増の20.18億USD、モーゲージを含む住宅金融サービスが同19.4%増の1.48億USDと何れも好調。1Qの住宅の引き渡し戸数は同12.9%増の5,453戸、平均販売価格は36.6万USDと前年同期並みとなった。
  • 1Qの新築オーダー数は前年同期比12%増の6,483件、受注額が同16%増の24億USDとなった。一方、建築コストが大幅に嵩んでおり、減益となった。ただ、2017/11通期の市場予想は売上高が前期比14.9%増の125.81億USD、純利益同5.9%増の9.65億USDである。(袁)
  • 1966年に設立したコーラなどの飲料やスナック、食品を製造する世界的なメーカー。主に炭酸・非炭酸飲料、穀物ベースのスナックなどを自社製造するほか、外注も行っている。
  • 2017/12期1Q(1-3月)は、売上高が前年同期比1.6%増の120.49億USDと増収を確保した。ドル高の推移が売上高を1%押し下げたが、主力の北米で飲料やスナック菓子の販売が堅調に推移した。コスト増から南米が減収だったが、欧州やアジアの販売は好調だった。純利益は同41.6%増の13.18億USD、調整後EPSが0.940USDと市場予想の0.916USDを上回った。
  • 2017/12通期会社計画は、為替など特殊要因を除くベースで売上高が少なくとも前期比3%増、コアEPSが5.09USDとなる見通し。通期の市場予想は売上高が同1.4%増の636.70億USD、純利益が同16.2%増の73.57億USDである。(袁)
フィリップ証券株式会社

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