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注目が高まる有機EL市場!相場はまだ初動!?

2017/05/17
投資調査部 榮 聡

アップルの「iPhone8」への採用や、大手家電各社による有機ELテレビの参入から、有機EL関連銘柄への注目が高まっているようです。有機EL事業に特化した唯一の上場企業と目される、米国のユニバーサルディスプレイは、5/4(木)に発表した1-3月期決算で通年の売上予想を大幅に引き上げており、業界のモメンタムはますます強まることが期待できるでしょう。

図表1:主要関連銘柄

銘柄 株価 (5/16) 52週高値 52週安値
ユニバーサル ディスプレイ(OLED) 117.05ドル 117.85ドル 47.88ドル
アプライド マテリアルズ(AMAT) 45.07ドル 45.08ドル 19.54ドル
サムスン電子 (005930) 2,319,000ウォン 2,361,000ウォン 1,249,000ウォン
LGディスプレイ (034220) 28,800ウォン 33,150ウォン 23,550ウォン
出光興産(5019) 3,960円 3,990円 1,790円
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
1

騰勢強める有機EL関連銘柄

有機EL関連銘柄への物色が強まっているようです。

16年9月7日掲載の外国株式特集レポート「拡大が期待される有機EL!ど真ん中銘柄はコレ!?」 でご紹介した5銘柄の株価推移を図表2に示していますが、LGディスプレイを除いていずれも大幅な上昇となっています。

16年9月7日〜17年5月15日の期間でみると、S&P500指数の上昇率が10%に対して、ユニバーサルディスプレイは98%、アプライドマテリアルズが48%、サムスン電子が42%、LGディスプレイが-6%、出光興産が100%です。

アプライドマテリアルズとサムスン電子については、有機ELよりも半導体市場の回復のほうが株価上昇の要因として重要だったと見られ、また、出光興産は、原油価格の上昇による在庫損益の動き、あるいは、昭和シェル石油との経営統合などが材料として重要だった可能性があり、必ずしも「有機EL」が主因ではなかったかもしれません。

しかし、有機ELの「ピュアプレイ」(関連事業に特化している)であるユニバーサルディスプレイが17年に入ってから騰勢を強めていることに注目できるでしょう。

有機ELの市場は、16年までにスマホのディスプレイとして約25%に普及、テレビの販売台数は90万台まで拡大してきました。しかし、そのポテンシャルから見て、まだまだ始まったばかりと考えてよいでしょう。

最近では5/8(月)にソニー、5/10(水)にパナソニックが有機ELテレビへの参入を表明しています。これまで国内の有機ELテレビはLGディスプレイの製品だけでしたが、3月には東芝も参入しており、家電業界では「有機ELテレビ元年」の様相を呈してきたとされます(パネルの調達はいずれもLGディスプレイです)。

また、有機ELを一部に採用する「iPhone8」の発売が今年9月と業界で噂され(指紋認証モジュールとの統合に手間取って若干ずれ込むとの情報もありますが)、有機ELに対する市場の注目は増々高まることが期待できそうです。

尚、なぜ有機ELディスプレイ市場の拡大が期待されるのか、また、同市場の主要プレーヤーにどんな企業があるかなど、投資テーマの基本的な見方については、先にあげた16年9月7日付レポートをご参照ください。

図表2:有機ELの関連銘柄は大幅な株価上昇

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:関連銘柄の業績見通しはいずれも上方修正!

企業名 対象
決算期
前回予想
営業利益
今回予想
営業利益
業績単位 予想修正率
ユニバーサルディスプレイ 17年12月期 96 108 百万ドル 12%
アプライドマテリアルズ 17年12月期 2,885 3,439 百万ドル 19%
サムスン電子 17年12月期 32,385 51,519 10億ウォン 59%
LGディスプレイ 17年12月期 1,339 3,295 10億ウォン 146%
出光興産 18年3月期 95 127 10億円 33%
  • 注:前回予想は16年9/5時点、今回予想は17年5/15時点です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

成長見通しに自信を深めるユニバーサルディスプレイ

ユニバーサルディスプレイは、事業の100%が有機EL関連からなる、世界的にも上場企業としては類のない会社です。同社のティッカーは、英語圏で有機ELを表わす「OLED」(オーレッド)で、まさに有機ELの「ピュアプレイ」です。

このため、同社の業績をフォローすることで、有機EL市場の勢いの強弱を測ることができると言えます。

同社の四半期業績は、16年7-9月期までは、前年同期比で減収・減益となる期が混ざることがあり、業績動向は不安定となっていました。しかし、16年10-12月期、17年1-3月期と安定感を増してきました(図表4)。

決算リリースでのCEO(最高経営責任者)のコメントを見ると、以下の通り事業の先行きに対する自信が高まっている様子が窺えます。

16年4-6月期(16年8月4日発表):「長期の成長見通しは引き続き強いと考えているが、足もとの売上は半年程度後ずれしそうだ。17年は業界の生産キャパシティ拡大を受けて高い売上成長を見込んでいる。」

16年7-9月期(16年11月3日発表):「7-9月期業績は我々の想定に沿うものとなった(筆者注:減収・減益でした)。前四半期でも言及したように、売上成長は17年に後ずれしたが、今期は将来の成長に向けて有意義な準備をする年になっている。」

16年10-12月期(17年2月23日発表):「10-12月期の業績は、次世代エミッタ(発光材料)の使用が始まったことで、強含みで終えることができた。将来を見渡すと、我々の事業モメンタムは極めて強く、目前に広がる巨大な事業機会を捉えるために良いポジションにある。」

17年1-3月期(17年5月4日発表):「現在、有機EL産業はエキサイティングな時期にある。顧客による生産設備の投資や一連の新しいディスプレイや照明製品の開発により、予見できる将来に関する成長見通しはポジティブだ。」「有機EL産業は従来見ていたより高い成長に向かっていると考えるため、17年の売上見通しを前年比30-40%に相当する260-280百万ドル(筆者注:従来見通しは230-250百万ドル)に引き上げた。」

株式市場で注目されている有機ELパネルを使った「iPhone8」もソニー、パナソニックが発売する有機ELテレビも、実際に世の中に出てくるのはこれからです。有機EL市場は本格的な成長局面に入ったと見られ、有機EL関連銘柄の相場は継続する可能性が高いでしょう。

図表4:業績見通しの視界が開けてきたユニバーサルディスプレイ

  • 注:17年2Q以降の予想は、Bloomberg集計のコンセンサスによります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
2

主要関連銘柄のご紹介

 市場:米国(NASDAQ)

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

17.12予

270

36%

78.8

63%

1.69

18.12予

341

27%

114.9

46%

2.41

株価(5/15):116.90ドル

予想PER(17.12期):69.2倍

  • 94年に設立された有機ELによるディスプレイおよび照明の技術開発と材料の提供を行う研究開発型の企業で、プリンストン大学、南カリフォルニア大学、ミシガン大学等と協力関係にあり、有機EL関連で4,200件超の特許を保有しています。212名の従業員のうち、131名が研究開発に従事、73名がPh.D(博士号)の所有者です。売上の内訳は、有機EL材料(りん光材料)が50%、ライセンス・フィーおよびロイヤリティが48%、研究サービスが2%です(16年)。
  • 16年の売上199百万ドルのうち、63%をサムスンディスプレイ(SDC)が占め、2番目の大手顧客がLGディスプレイと推定されます。サムスン電子とは01年から協働を始め、LGディスプレイとは15年にライセンス契約を開始しています。これら2社を含む日本、台湾などの25社を超える企業にライセンス契約を保有しています。有機EL市場で有力な韓国2社の後背で技術をサポートする有機EL関連のど真ん中の企業として注目できるでしょう。
  • 同社のPERは、18年12月期予想基準でも48.5倍と高水準です。その理由として、(1)有機ELテレビの市場が拡大する場合、同社の売上は今後数年にわたって高い伸びが続くと期待される、(2)業界トップの特許をバックにした知財ビジネスの性質が強く、営業利益率が40%、ROE(株主資本利益率)が15%と高い(17年12月期予想)、(3)有機ELに特化した上場企業はおそらく世界唯一のため、株価にはプレミアムが付きやすい、などが考えられます。

市場:米国(NASDAQ)

決算期

売上高(百万ドル)

(前年比)

純利益(百万ドル)

(前年比)

EPS(ドル)

17.10予

13,245

22%

2,863

61%

2.67

18.10予

13,847

5%

2,991

4%

2.87

株価(5/15):44.32ドル

予想PER(17.10期):16.6倍

  • 半導体製造装置の世界シェア20%を有する最大手で、フラットパネルディスプレイ向けも手掛けます。
    同社の事業は半導体製造装置が主で、ディスプレイ製造装置の売上構成比は16年11月-17年1月期に15%とさほど大きくはありませんが、同期の受注の伸びは前年同期比3倍と、全体の伸び率86%を大きく上回り、業績伸長の牽引役となっています。スマホでの有機ELパネルの採用の広がりに加え、今後は有機ELテレビの市場がどの程度拡大していくかが、注目点となりそうです。
  • 5/18(木)の引け後に2-4月期決算の発表予定です。売上は前年同期比45%増の35.5億ドル、EPSは同2.3倍の0.77ドルが見込まれています。尚、前回決算の概要については、2/16掲載の特集レポート「フラッシュ 〜半導体市場の加速を示唆するアプライドマテリアルズ決算〜」をご覧ください。

市場:韓国(KOSPI)

決算期

売上高(10億ウォン)

(前年比)

純利益(10億ウォン)

(前年比)

EPS(ウォン)

17.12予

231,889

15%

36,929

98%

259,446

18.12予

246,678

6%

39,230

6%

286,646

株価(5/15):2,305,000ウォン

予想PER(17.12期):8.9倍

  • 電子機器・電気製品の世界的メーカーです。 16年の売上構成比は、IT&モバイル・コミュニケーション部門(スマホ、コンピュータ、デジカメなど)44%、コンシューマー・エレクトロニクス部門(テレビ、モニター、プリンター、エアコンなど)21%、デバイス・ソリューション部門(半導体、LED、OLEDなど)35%です。
  • 同社業績は売上・利益とも13年12月期をピークに14年、15年と停滞しましたが、16年半ば頃より半導体市況の回復を受けて業績は増益に転じ、17年はその効果がフルに出るため、高い増収・増益が見込まれています。17年1-3月期決算はデバイス・ソリューション部門の営業利益が前年同期比3.3倍となって、他部門の減益をカバーして全体の営業利益は48%増でした。
  • 有機ELディスプレイはスマホのキーデバイスとして今後重要性が高まると見込まれ、ほぼ独占的に供給する同社はこれをテコに中期的に収益を伸ばすと期待できます。既に同社のスマホには採用が進んでいますが、年後半に発売と見られるアップルの「iPhone8」に採用される見通しで、市場の注目が高まりそうです。予想PERは一桁台に過ぎず、株価の上値余地は大きいと考えられます。

市場:韓国(KOSPI)

決算期

売上高(10億ウォン)

(前年比)

純利益(10億ウォン)

(前年比)

EPS(ウォン)

17.12予

28,617

8%

2,265

147%

6,424

18.12予

27,983

-2%

1,722

-24%

4,785

株価(5/15): 28,800ウォン

予想PER(17.12期):4.5倍

  • 韓国のLGエレクトロニクスを親会社(株式の38%を保有)とするディスプレイメーカーで、TFT-LCD(液晶)ディスプレイを主力に、有機ELディスプレイも手掛けます。16年の大型TFT-LCDディスプレイ市場で25%のトップシェアを保持しています。
  • 同社のディスプレイ事業はテレビやモニターなど大型パネルを主力としていることから、有機EL事業でもテレビ向けの大型パネルを製品化しています。RBG3色を積層して白色発光させる「白色蒸着」を使用し(このため、カラーフィルターを用います)、サムスン電子が行っている、マスクを使ってRGB3色を個別に蒸着させる「3色蒸着」とは異なる技術になります。日本の家電メーカーの有機ELテレビのパネル調達を一手に引き受けていることから、販売動向によっては業績見通しが大きく変化する可能性に注目できるでしょう。
  • 16年12月期業績は、中国メーカーなどの台頭による供給過剰で液晶パネル価格が下落した影響を受けて、大幅な減収・減益となりました。一方、パネル価格は16年の4-6月期に底入れして、16年7-9月期、16年10-12月期と回復してきたことから、17年12月期は大幅な業績回復が見込まれています。17年1-3月期の同社液晶パネル平均単価は、1平方メートル当たり608ドルで、前年同期比より16%高い水準にあります。。

市場:日本(東証)

決算期

売上高(10億円)

(前年比)

純利益(10億円)

(前年比)

EPS(円)

18.3予

3,611

13%

79.4

-19%

485

19.3予

3,643

1%

81.9

3%

495

株価(5/15): 3,885 円

予想PER(17.12期):8.0倍

  • 民族系の石油元売り大手です。昭和シェル石油(5002)との経営統合を進める意向ですが、創業家の反対に遭い、当面は「協働事業」の形をとります。3年以内に年間250億円のシナジー創出を目指しています。
  • 同社の有機EL事業は、独自特許を保有する青色発光材料に強く、LGディスプレイ中心にサムスン電子にも供給しています。18年3月期は売上・営業利益とも10%台の増加が見込まれていますが、営業利益は50億円に達しない見通しで、全社の営業利益に占める割合は4%未満です。大手家電メーカーが有機ELテレビに取り組む中で10%台の増収は控えめと考えられますが、有機ELテレビの販売は「まだ限定的と想定している」としています。
  • 18年3月期は原油価格の回復を受けて、会社予想で売上は10%増、営業利益は在庫損益の影響を除いたベースで21%増が見込まれています。ドバイ原油で17年3月期実績の46.9ドルに対して50ドルが業績予想の前提となっています。
  • ※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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