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投資環境良好の米国株、10-12月期決算の注目銘柄はコレ!?

2017/01/11
投資調査部 榮 聡

トランプ次期大統領が打ち出した政策はいずれも米国景気を浮揚する効果が期待され、2017年の米国株式の投資環境は良好と考えられます。株価はトランプ氏の政策が経済成長率や企業利益にどのようなインパクトを与えるかを確認しながら上昇していくと想定されます。

そこで今回は、1/13(金)から発表が本格化する10-12月期決算について、スクリーニングで個別に注目できそうな銘柄を探っています。トランプ・ラリーを経て投資家心理は大きく改善していると見られ、好調決算を発表する銘柄への物色意欲はこれまでにも増して強くなると期待できるでしょう。

図表1:10-12月期決算の注目銘柄

銘柄 株価(1/10) 52週高値 52週安値
セルジーン(CELG) 119.98ドル 127.00ドル 93.05ドル
アップル(AAPL) 119.11ドル 119.43ドル 89.47ドル
ユナイテッドヘルス グループ(UNH) 161.58ドル 164.00ドル 107.51ドル
ペプシコ(PEP) 101.97ドル 110.94ドル 93.24ドル
シュルンベルジェ(SLB) 84.60ドル 87.00ドル 59.60ドル
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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2017年米国株式市場の見通し

トランプ次期大統領が打ち出した、(1)インフラ投資の拡大、(2)法人税減税、(3)企業活動に対する規制緩和(金融・エネルギー分野)、(4)海外利益の還流促進、などの政策はいずれも米国景気を浮揚する効果が期待されます。2017年は米国株式にとって基本的に良好な投資環境と考えられます。

一方、株価の評価は予想PERで17倍台と決して低くはなく、長期金利が上昇傾向となる中、これ以上の上昇は期待しにくい水準です。このため、株価を決めるのは主にEPSの動きと考えられ、株価はトランプ氏の政策が経済成長率や企業利益にどのようなインパクトを与えるかを確認しながら上昇していくと考えられます。
「株価 = 予想EPS × 予想PER」(現状では 「2,268.90ポイント = 129.95ポイント × 17.5倍」)ですので、EPSとPERに分けて詳しく確認してみましょう。

まず、EPSについて図表2にS&P500指数の四半期EPSの推移を示しています。7-9月期には、8四半期ぶりに前年同期比2%増へ増益転換した後、10-12月期は同6%増へモメンタムが強まる見通しです。さらに、17年のEPSは年末にかけて増加見通しです。雇用市場回復の累積効果、昨年夏場からの産業景気の改善、原油価格の底入れなどが増益の要因と考えられます。

この業績予想にはトランプ氏の政策による景気浮揚効果は織り込まれていないと見られます。逆に大統領選挙後に進んだドル高の影響は業績に織り込まれやすいため、どちらかというとマイナスに寄与した可能性ありそうです。現在の17年予想EPS129.95ポイントがトランプ効果によって、今後どこまで上方修正されていくかが注目点になります。

一方、PERについては、17.5倍というのは図表3の通り過去の推移と比較しても高い水準です。16年には18倍を超える場面もありましたが、これはドル高や原油安などで企業利益が一時的に落ち込んでいると市場が判断したためと考えられます。

PERは主に「金利水準」と「リスクプレミアム」に影響を受けて変化しますが、米国の長期金利は昨年7月に1.4%前後で底入れして2.3%台まで上昇、今後景気が浮揚すればさらなる上昇が見込まれます。また、「リスクプレミアム」については、欧州の政治リスクが気にされていることから、低下しにくいと考えられます。このため、PERは17年には上昇が見込みにくいと言えるでしょう。

以上より、繰り返しになりますが、今後の株価の鍵を握るのはEPSの動向と考えられます。1/20(金)に大統領に就任するトランプ氏が打ち出す政策に対して、議会がどれくらい受容するのかによって効果が具体化していくと考えられます。これを織り込んでEPSが修正され、株価はそれに沿って動くというシナリオが想定されます。

リスク要因として、トランプ氏は外交政策では中国に強硬、ロシアに融和的、欧州への関心は低く、また、通商政策では工場の海外移転に対して強い態度で干渉するなど、これまでの政権から大きな変化が見込まれます。米国外で広く事業を展開しているグローバル企業には打撃となる可能性については注意が必要でしょう。

米国株の注目株・投資テーマについては、トランプ次期大統領の政策による米国の景気浮揚、ドル高などのマクロ面からは、金融、インフラ投資関連、消費関連、ドル高の影響を受けにくい中小型株などが注目できるでしょう。ただ、これらは「トランプ・トレード」として選挙後に大きく上昇した銘柄も含まれるため、今後は選別が進むと考えられます。

産業面からは、人工知能関連、光通信関連、半導体関連などが注目できるでしょう。人工知能は(1)コンピュータの処理能力向上、(2)膨大なデータの蓄積、(3)深層学習の進化を背景にこれまでとは次元の異なるインパクトを社会に与えると期待されています。光通信関連は、動画再生の増加などで増え続ける通信量を処理するために10ギガビット/秒から100ギガビット/秒へネットワークのアップグレードが始まったことから、製品需要拡大が期待されます。また、IoT(モノのインターネット)、人工知能、仮想現実など新しい技術の波を支える半導体産業にも注目できるでしょう。

図表2:回復が見込まれる17年の米企業業績

  • 注:16年10-12月期以降は、Bloomberg集計によるコンセンサス予想によります。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:PERは比較的高い水準にあり、これ以上の上昇は見込みにくい

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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10-12月期決算の注目銘柄

米国企業の10-12月期決算は、1/13(金)のバンク オブ アメリカ、JPモルガンチェース、ウェルズ ファーゴなどから発表が本格化します。

S&P500指数採用企業では、10-12月期の売上高は前年同期比3%増、EPSは同6%増の見通しで、増加モメンタムは7-9月期から加速となる見込みです。

皮切りとなる大手銀行の決算は、長期金利の上昇による貸出スプレッドの拡大見通しに加え、リスク資産の価格上昇、物色動向の変化に伴うポートフォリオの調整などからトレーディング収入が好調だったとされ、決算発表シーズンはポジティブなトーンで始まると期待されます。

米国株式市場の投資家心理は大きく改善していると見られ、好調決算を発表する銘柄への物色意欲はこれまでにも増して強くなると期待できるでしょう。そこで今回は10-12月期決算の業績予想から、個別に注目できそうな銘柄をスクリーニングで探っています。

【スクリーニング条件】
(1)S&P100指数の採用銘柄
(2)10-12月期の予想EPS増加率が7-9月期の増加率より高い
(3)過去3ヵ月の予想EPS修正率が-1%以上
(4)アナリストの目標株価平均が現在値よりも高い

以上の条件を満たすものについて、アナリストによる目標株価の平均と現在値の乖離率が大きい順に並べたのが図表4です。上位5銘柄については、(3)で注目ポイントをご紹介しています。

図表4:10-12月期決算に着目した銘柄スクリーニング(S&P100指数採用銘柄)

  • 注:現値と目標株価の乖離は、「{(目標株価÷現在値)-1}×100」で計算しています。EPS増加モメンタムは、「10-12月期予想EPS増加率 − 7-9月期実績EPS増加率」で計算しています。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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注目銘柄のポイント

銘柄名

株価(1/10)

119.98ドル

予想PER(倍)

16.9

ポイント

  • バイオ医薬品大手の一角です。主に癌及び免疫・炎症関連疾患治療法の開発を手掛け、主要製品は売上の約6割を占める多発性骨髄腫の治療薬「REVLIMID(レブラミド)」のほか、「POMALYST」「OTEZLA」「ABRAXANE」などがあります。
  • JPモルガンチェースのヘルスケア・コンファレンスに際して発表の1/9(月)リリースによると、17年の全社売上は18%増の132億ドル、調整後EPSはガイダンス仲値で7.18ドル、前年比21%増が見込まれています。「REVLIMID(レブラミド)」は、適用拡大から売上は16年見込みが20%増、17年予想が18%増と同社の成長を牽引する見込みです。また、「20年の売上210億ドル、EPS13.0ドル」との野心的な中期計画が確認されました。
  • 米政府が医薬品の価格設定に厳しい姿勢に変化するとの懸念から、株価は停滞してきました。しかし、同社の売上は10%台後半の伸びが継続していることから、いずれ株価には割安感が強まることが見込まれます。

銘柄名

株価(1/10)

119.11ドル

予想PER(倍)

11.9

ポイント

  • 民生用電子機器の企業で、売上はiPhone60%、iPad9%、Mac12%、サービス13%など(16年7-9月期)からなります。
  • 当社株価は、売上の前年同期比伸び率に連動していると見られます。16年4-6月期423億ドル(前年同期比15%減)で底入れし、7-9月期469億ドル(同9%減)への改善を受けて株価は上昇してきました。10-12月期は774億ドル(同3%増)、17年1-3月期は545億ドル(同8%増)が見込まれているため、予想通りの業績およびガイダンスが出てくれば、株価には上昇余地がありそうです。
  • 10-12月期については、サムスン電子の「ギャラクシーノート7」がバッテリーの不具合で発売中止になったことが追い風であるほか、iPhone7の販売好調への期待が高かった前回決算ほど市場の期待が高くないと見られることもポジティブでしょう。米国での生産を推進するトランプ氏の発言が懸念されていますが、民生用の電子機器を米国で生産するのは現実的ではないと考えられます。

銘柄名

株価(1/10)

161.58ドル

予想PER(倍)

17.0

ポイント

  • 医療管理・計画を提供する医療サービス世界最大手の企業です。企業、家庭や個人顧客に対し厚生給付プログラム、医療体制の管理商品やリソース、ヘルスケア情報などを提供します。
  • 16年7-9月期は売上高が前年同期比12%増、純利益が同23%増で、調整後EPS は2.17ドルと市場予想の2.08ドルを上回って好調でした。主力の保険料収入が同14%増と良好な伸びを示したほか、関連商品の販売収入、サービス収入も増加しています。
  • 10-12月期決算はEPSの増加率が7-9月期の32%増から48%増へ加速する予想です。トランプ次期大統領はオバマケアの廃止を掲げているため、「メディケイド」など同社の一部事業に影響が出る可能性はありますが、全体の成長を損なうことはないと見られます。

銘柄名

株価(1/10)

101.97ドル

予想PER(倍)

19.7

ポイント

  • 「ペプシ」、「ゲータレード」などの清涼飲料と「フリトレー」などのスナック菓子を2本柱に、グローバルに事業展開する食品・飲料メーカーです。スナック菓子はグローバルで首位、清涼飲料では世界の主要市場で2位のポジションにあります。
  • 北米以外の売上が44%(15年12月期)を占め、業績はドル高の影響を強く受けてきました。為替の影響は徐々に低下してきましたが、16年12月期も3%の売上押し下げ効果が残る見込みです。一方、オーガニック成長率は4%増と堅調な水準を維持する見込みで、為替や事業売却等の影響を除く基調EPSは10%の増加見通しです。
  • 会社はグローバル市場の成長について、スナック菓子は年率5%、清涼飲料は同4%、スポーツ飲料は同6%と見ています。これを取り込む施策を講じることによって成長を目指しています。

銘柄名

株価(1/10)

84.60ドル

予想PER(倍)

44.3

ポイント

  • 世界最大の石油サービスの企業で、探鉱、開発、生産にわたる幅広い分野で製品とサービスをグローバルに提供しています。
  • 原油価格の下落を受けて15年、16年とエネルギー企業の石油サービス業界への支出は大幅に減少しましたが、OPEC(石油輸出国機構)が生産枠に合意したことで原油価格に対する下値不安が後退して、17年には石油サービスへの支出増加が期待されます。1/9(月)公表のバークレイズのレポートでは、石油・天然ガス企業による探査・生産関連の17年支出は7%増に転じる見通しとしています。
  • 17年12月期の同社業績は16年4月に完了した同業キャメロンの買収効果もあって売上は12%増、営業利益は60%増、EPSは1.91ドルへの増加が見込まれています。石油サービス業界の見通し改善を受けて業績予想の上方修正の可能性に注目できるでしょう。
  • ※注目銘柄(5銘柄)の株価週足チャートは、当社のチャートツールを用いて作成(2017/1/9時点)
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客様が損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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