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原油相場は休養十分!?OPECの生産枠合意で60ドルトライも?

2016/11/30
投資調査部 榮 聡

原油価格はここ6ヵ月余り1バレル40ドル〜50ドルを中心としたもみ合いを続け、相場の休養は十分と言えそうです。11/30(水)ウィーンで開催されるOPEC(石油輸出国機構)総会では、「減産」合意に懐疑的な見方も浮上していますが、仮に今回の合意に失敗しても生産枠設定に向けた交渉がストップすることはないと考えられます。来年に向けて上昇相場の始まりが期待できるのではないでしょうか。

図表1:原油関連商品

【 国内ETFはこちら 】

コード 銘柄
1671 WTI原油価格連動型上場投信
1690 ETFS WTI 原油上場投資信託
1699 NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信
2038 NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ダブル・ブル ETN
2039 NEXT NOTES 日経・TOCOM 原油 ベア ETN

【 海外ETFはこちら 】

コード 銘柄
VDE バンガード 米国エネルギーセクター ETF
XLE エネルギーセレクトセクターSPDRファンド
IXC iシェアーズ グローバル・エネルギー ETF
  • ※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成
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原油相場へのトランプ・インパクトを確認

トランプ次期大統領の勝利は、世界中の様々な資産価格に大きな影響を及ぼしていますが、原油価格に対してはどうでしょうか?原油相場を見通す上で、まず、以下のトランプ・インパクトを確認しておきましょう。

【1】 法人税減税、インフラ投資による米国経済の浮揚・・・原油価格にプラス
トランプ氏が打ち出した政策により、米国経済の浮揚が見込まれています。世界の石油消費の2割近くを占める米国経済の成長率上昇は、原油需要の重要な押し上げ要因と考えられます。

【2】 米長期金利の上昇を受けたドル高・・・原油価格にマイナス
世界的に原油はドル建で取引され、ドルの上昇は各国通貨ベースでは原油価格の値上がりとなるため、ドル高は原油需要の減少要因と言われます。

【3】 エネルギーセクターに対する環境規制緩和・・・原油価格にマイナス
トランプ次期大統領はエネルギーセクターの環境規制の緩和を政策として掲げています。実現すると生産コストが低下するため油井の損益分岐点が下がり、シェールオイルの生産増加要因になります(図表2)。原油需給の緩和に繋がり、原油価格にはマイナスと考えられます。

以上、トランプ氏の政策は原油価格に対してプラスとマイナスの両面があると考えられます。今後プラスの程度、マイナスの程度が明らかになってくると見込まれますが、当面は中立要因と考えて良さそうです。このため原油価格の見通しには、やはり、OPEC(石油輸出国機構)が生産枠についてどのような決定をするかが重要と見られます。

尚、11/23にCNBCが公表した米国のコモディティ・アナリストおよびトレーダーに対して実施したアンケートでも、トランプ次期大統領の原油価格への影響は、「価格上昇」が29.4%、「価格下落」が23.5%、「影響なし」が23.5%、「わからない」が23.5%、と見方が割れています。

図表2:米国の原油生産はトランプ効果でここから上方修正へ?(白抜きは米エネルギー省情報局予想、11/8時点)

  • ※米エネルギー情報局のデータをもとにSBI証券が作成
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OPECは生産枠設定へ

11/30(水)日本時間午後7時より、オーストリアのウィーンで注目のOPEC(石油輸出国機構)総会が開催されます。

市場ではOPECの生産枠が日量32.5〜33百万バレル(10月実績は34.0百万バレル)に設定されると期待していますが、国別の生産割当に関してイラン、イラクとの交渉が難航しているとされ、会議直前まで原油市場のセンチメントも揺れています。

ただ、OPEC諸国の原油生産量は原油価格の下落が始まった14年半ば以来一貫して増加してきました(図表3)。必ずしも「減産」でなくとも、現行近辺の生産枠に合意できるだけでも先行きの相場にポジティブと期待できるでしょう。また、今回のOPEC総会で仮に合意に失敗したとしても、生産枠の交渉継続が期待される背景として以下をあげることができます。

【1】米国のシェールオイル産業には大きな打撃
14年末からの原油価格下落は、シェールオイルの増産に危機感をもったサウジアラビアが14年12月のOPEC総会で「原油価格の決定を市場に委ねる」として、「価格カルテル」機能を放棄したことから始まっています。その後の原油価格下落で米エネルギー企業の破産は負債総額で679億ドル(約7.5兆円、15年〜16年10月累計)と、大きな打撃を受けました。サウジアラビアが意図した効果は十分にあったと考えられます。

米国のシェールオイル業界は数百の企業からなり、「プライス・テイカー(価格受容者)」(※)として行動するため、原油価格が上昇すれば増産し、価格が下がれば減産するという行動を個々の判断で淡々と続けます。ただ、上記のような打撃により、増産投資や資金調達には抑制がかかりやすいと考えられます。

(※)経済学の言葉で、市場で決まる価格を所与として行動する主体のことです。対照的にサウジアラビアやロシアは自身の行動が市場価格に影響を与え得ると考えて行動すると見られます。

【2】OPEC諸国は財政収支の赤字を抑えたい
図表4は中東の主要産油国の「財政均衡原油価格」の推移です。「各国の財政を均衡させる原油価格がいくらか」をIMFが推計したものですがここ数年低下傾向で、つまり、ここに挙げた政府は財政支出を絞ってきたことが分かります。しかし、その低下幅は17年に向けて縮小が見込まれ、緊縮努力の限界に近づいていると見られます。現在の価格ではまだ収支の均衡に至っておらず、市場価格を1バレル60〜70ドル台まで戻すインセンティブがありそうです。

【3】サウジアラビアの思惑
サウジアラビアは、国営のサウジアラムコ社の上場を計画しています。新規株式公開(IPO)は18年と言われていますが、上場までに原油価格をある程度戻して、市場が安定しているという状態で上場を迎えたいと考えるでしょう。上場で得る資金は、「脱石油」改革の重要な原資になると考えられています。

世界の原油需給はひところに比べると供給過剰の度合がかなり縮小しています(図表5)。原油需要が時間の経過とともに増加する中、価格の下落によって供給の伸びが低下したことが要因です。OPECの減産がなくても17年中に需給はバランスすると見込まれますが、生産枠合意があればこれをより確実により早く実現することができるでしょう。

図表3:OPECの生産は増加が続いてきた

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:中東主要産油国の財政均衡原油価格

  • ※IMF資料をもとにSBI証券が作成

図表5:世界の原油需給は均衡に近づいている

  • 注:国際エネルギー機関(IEA)の公表データです。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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原油相場の休養は十分!?

前回の原油価格のレポート、5/18掲載の「どうなる原油価格!原油関連商品は利食いどき!?」では、「1バレル50ドル突破には相当のエネルギーが必要だろう」としましたが、果たしてその後6ヵ月に渡り40ドル〜50ドルを中心としたもみ合いに終始しました。

図表6の原油価格チャートをテクニカルの観点から見ると、50日移動平均を下値支持としながら、低下してきた100日移動平均の前後で推移しているところです。徐々に上値抵抗が弱まりつつある局面で、先行き上昇が期待できる形になりつつあると言えそうです。

また、原油生産者のヘッジ売りは8月頃から一段と上昇して11/22(火)時点では58.8万枚と、2011年来の高水準に達しています。1バレル40-50ドルで出る可能性のあるヘッジ売り(上値の抑制要因となる)は既に十分出たと見られるのではないでしょうか?

もみ合いが6ヵ月に渡ったことでポジション整理も十分に進んだと考えられ、ファンダメンタルズで方向性が出ればそちらに傾き易い状態と考えられます。OPECの生産枠合意があれば、WTI価格で1バレル60ドルをトライする場面が期待できるのではないでしょうか。

尚、原油価格に関する公的機関の予想値(WTI原油ベース)として以下が公表されており、17年は平均で50ドル台に乗せるというのがコンセンサスになっています。

・世界銀行(10/20発表)・・・17年の平均価格1バレル55ドル(16年の平均価格は同43ドル見込み)
・米エネルギー省情報局(11/8発表)・・・17年の平均価格1バレル50ドル(16年の平均価格は同43ドル見込み)

図表6:6ヵ月にわたるもみ合いで原油相場は休養十分?

  • 注:WTI原油先物価格の週足チャートです。
  • ※当社のWEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表7:原油生産業者のヘッジ売りも十分出た?

  • 注:ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)での原油生産業者によるWTI原油先物の売り持ち枚数です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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