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「EU崩壊」は杞憂?欧州株(ETF)は投資のチャンスか!?

2016/06/29
投資調査部 榮 聡

イギリスのEU離脱は各加盟国でEUから距離を置く勢力の勢いを増したとされ、離脱がドミノ倒しのように広がるのではとの懸念も聞かれます。しかし、イギリスはEU加盟国の中でも特異な立ち位置にあると考えられ、他の加盟国の離脱はハードルが高いのではないでしょうか。市場の一部で懸念されている「EU崩壊」が起こらないのであれば、足元のユーロ圏経済ファンダメンタルズは意外に良好であることから、欧州株式には投資のチャンスが訪れているのかもしれません。検討してみましょう。

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EU(欧州連合)の崩壊はあるのか?

6/23(木)に実施されたイギリスのEU離脱に関する国民投票では「離脱」が「残留」を上回り、世界の金融市場にショックが走りました。英国経済が低調となる可能性に加え、欧州連合(EU)で離脱の連鎖が起きるのではないか、その結果経済的な混乱が長引くのではないかとの懸念があります。

しかし、以下の点でイギリスはEU加盟国の中でも特異な立場にあると考えられ、EU離脱の連鎖を懸念するのは行き過ぎではないでしょうか。

【EU加盟国でイギリスが特異な点】
1. 母国語が世界共通語となっている大国である
2. 通貨ユーロを使っていない加盟国の一つ(EU加盟国でユーロを導入していない国は9ヵ国)
3. 欧州大陸とは物理的にも心理的にも距離がある
4. 島国のため移民に対する感じ方も大陸の国々とは違っている

イギリスは人口が6,000万人を超える大国で、世界共通語である英語が母国語であるというグローバル化の時代に非常に有利な競争条件を持った国ですから、独立心が強く元々EUへの帰属意識が低いであろうことは容易に想像できます。

通貨はポンドで、通貨ユーロを導入していないEU加盟9ヵ国の一つであることも離脱のハードルを下げたでしょう。また、そもそも、EUの中心である欧州大陸とは海峡をへだてて物理的にも心理的にも距離があり、このこともあって移民に対する感じ方も大陸の国々とはかなり違っている可能性もあるでしょう。

ですから、イギリスは特殊なケースで、今回のイギリスの決断が他の加盟国のEU離脱に繋がると考えるのは早計ではないでしょうか。EU(欧州連合)は加盟国の人口が5億人を超え、GDPは米国の18兆ドルにせまる16兆ドルで経済ブロックとして他国に対する交渉力は強大なものがあると言えるでしょう。普通の国であれば、そこに加盟することで恩恵を受けることができる組織であると考えられます。

市場の一部で言われる離脱の連鎖が杞憂に終わるのであれば、通貨ユーロの価値の回復も含めて欧州株に投資するチャンスかもしれません。そこで、欧州経済と株式のファンダメンタルズを確認してみましょう。

図表1:欧州連合の主要国(人口、GDP、総選挙の日程)

国名

人口
(百万人)

GDP
(十億ドル)

直近または
次の総選挙

ドイツ

82

3,358

17年9月

フランス

64

2,422

17年4月

イギリス

61

2,849

20年5月

イタリア

60

1,816

18年2月

スペイン

45

1,200

16年6月

ポーランド

38

475

15年10月

ルーマニア

22

177

16年12月

オランダ

16

738

17年3月

ギリシャ

11

195

19年10月

ベルギー

11

455

19年5月

ポルトガル

11

199

15年10月

チェコ

10

182

17年10月

ハンガリー

10

121

18年4月

スウェーデン

9

493

18年9月

オーストリア

8

374

18年

EU28ヵ国計

502

16,220

-

  • 注:表は人口による上位15ヵ国です。他の加盟国は、ブルガリア、デンマーク 、スロバキア、フィンランド、クロアチア、アイルランド、リトアニア、ラトビア、スロベニア、エストニア、キプロス、ルクセンブルク、マルタです 。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。地図はWikipediaより抜粋したもので、「Ssolbergi」氏の著作です。
2

意外に良好な投資環境、「EU崩壊」は杞憂?でチャンスも

欧州株式は最近の大幅な下落を含めて過去1年で22%の下落となっており、ユーロの対円での下落を加えると円ベースでは37%の下落です(汎欧州株価指数のストックス・ヨーロッパ600指数ベース、6/27まで)。TOPIX指数も26%の下落ですが、それを大きく上回っています。

そのような市場ですから経済のファンダメンタルズが悪いのではと思いがちですが、実際は意外に良好です。図表2の通りユーロ圏のGDP成長率は前年比1.6%〜1.7%増で推移、欧州の潜在成長率の低さを考慮すればさほど悪い数字ではありません。成長率の回復は消費の改善に支えられており、その背景には失業率の着実な低下があると見られます。

欧州経済について特筆できる点は、(1)欧州債務危機で12年、13年にマイナス成長に落ち込んだために景気循環の局面が若いと考えられること、(2)消費の改善に支えられていることで、今回のBrexitのような外的ショックには比較的抵抗力があると考えられます。

また、株価が低迷してきた一つの要因は企業業績が低調であったためですが、16年の予想EPSは図表3の通り5割近い増加見込みです。新興国経済の不振などの影響で売上は今年も減少ですが、エネルギーや素材セクターでの昨年の落ち込みからの反動が牽引して増益となる見込みです。13年や14年の水準と比べても水準が高くなるのは、反動増だけではなく経済の改善が反映されていると言えるでしょう。

さらに、株式の投資環境としては金利も重要ですが、ご案内の通り政策金利はマイナス金利が採用され、ドイツの10年債利回りは-0.12%と非常に低水準で、株式のバリュエーションにはプラスです。ストックス・ヨーロッパ600指数の予想PERは14倍台まで低下しています。欧州株式には投資チャンスが訪れているのかもしれません。

著名人でも欧州株に注目する向きがあります。米ペンシルバニア大学ウォートン校のシーゲル教授は6/27(月)にCNBCに寄せたコメントで、「新しいウィンドウで開きます。私なら短期的には米国株の前に欧州株を買うだろう(I'd buy European stocks before US stocks in near term: Siegel)」としています。EUは崩壊に向かうことはなく、バリュエーションが低いことに魅力があるとしています。学校の先生ではありますがETF運用会社ウィズダムツリーのアドバイザーを務め、金融市場の近いところにいる方ですので参考になると思われます。

米国株の代表的指数であるS&P500指数と汎欧州株価指数を比べると、07年以降9年間にわたって欧州株は米国株にアンダーパフォームしてきました(図表4)。欧州債務危機に加えて、欧州企業が広く事業展開している新興国経済の減速の影響を受けていると見られます。

一方、03年から07年に世界経済が好調であった時期には欧州株は米国株をアウトパフォームしていました。新興国経済の減速が和らぐような局面では欧州株がある程度負けを取り戻すと期待できるのではないでしょうか。

図表2:回復基調のユーロ圏のGDP成長率(上)と失業率(下)


  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:ストックス・ヨーロッパ600指数のEPS

  • 注:ストックス・ヨーロッパ600指数のEPS推移です。予想はブルームバーグ集計によるコンセンサス予想です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:汎欧州株価指数と米S&P500指数との比較

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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欧州株の投資対象は?

当社では欧州市場に上場する個別銘柄はお取扱いしていませんが、以下のような投資手段があります。

1. 欧州株ETFへの投資

欧州株式に広く分散して投資するには、以下のETFが利用できます。

iシェアーズ ヨーロッパ ETF(IEV)・・・「S&Pヨーロッパ350インデックス」(汎欧州指数)に連動を目指すETFです。

バンガード FTSE ヨーロッパETF(VGK)・・・「FTSE欧州先進国オールキャップ・インデックス」(汎欧州指数)に連動を目指すETFです。

iシェアーズ MSCI ドイツ ETF(EWG)・・・「MSCIドイツ・インデックス」に連動を目指すETFです。

また、通貨をヘッジして株だけにベットしたいという方には、以下が利用できます(ユーロの対ドルヘッジであるため、ドル円の為替変動リスクは残ります)。

ウィズダムツリー ヨーロッパ ヘッジド エクイティ ファンド(HEDJ)・・・「ウィズダムツリー ヨーロッパ・ヘッジド・エクイティ・インデックス」に連動を目指すETFです。

iシェアーズ 米ドルヘッジ MSCI ユーロゾーン ETF(HEZU)・・・「MSCI EMUインデックス(100%対ドル為替ヘッジ)」に連動を目指すETFです。

両ETFともユーロ圏の株式に投資しつつ、ドルに対するユーロの変動をヘッジしたETFです。円からの投資ですと、欧州株とドル円の変動にベットする形になります。

2. 米国に上場している欧州企業への投資

現在、当社では米国に上場している欧州企業28社をお取扱いしています(図表5)。一例としてユニリーバをご紹介いたします。

ユニリーバ ADR(UL) ・・・Dove、LUX、サーフ、クノール、リプトン、ハートブランドなど売上10億ユーロ(約1,100億円)を超えるブランドを13個保有する世界最大級の消費財メーカーです。15年売上は533億ユーロ、純利益は49億ユーロに達します。新興国への事業展開に積極的です(15年売上構成比は58%)。「環境負荷を減らしながらビジネスを2倍に」という目標を掲げるグローバルな優良企業と言えるでしょう。

図表5:当社取り扱いの欧州企業(米国市場上場)

英国

ARM ホールディングス ADR(ARMH)、アビバ ADR(AV)、アストラゼネカ ADR(AZN)、バークレイズ ADR(BCS)、BHP ビリトン ADR(BHP)、BP ADR(BP)、BT グループ ADR(BT)、ブリティッシュ アメリカン タバコ ADR(BTI)、ディアジオ ADR(DEO)、ランドゴールド リソーシズ ADR(GOLD)、グラクソ スミスクライン ADR(GSK)、HSBC ホールディングス ADR(HSBC)、インターコンチネンタルホテルズ ADR(IHG)、ナショナル グリッド ADR(NGG)、ピアソン ADR(PSO)、ロイヤル バンク オブ スコットランド ADR(RBS)、リオ ティント ADR(RIO)、スミス アンド ネヒュー ADR(SNN)、ボーダフォン グループ ADR(VOD)

ユーロ圏

エイゴン NYRS(AEG)、ドイチェ バンク(DB)、アルセロールミタル NYRS(MT)、ノキア ADR(NOK)、ロイヤル フィリップス NYRS(PHG)、フェラーリ(RACE)、ロイヤル ダッチ シェル ADR B(RDSB)、テナリス ADR(TS)、ユニリーバ ADR(UL)

  • ※当社WEBサイトデータをもとにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客様が損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

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