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アメリカで大ヒットの投資スタイル「ミニマム・ボラティリティ」!どんな銘柄を組み入れている?

2016/04/13
投資調査部 榮 聡

アメリカの株式市場で、「ミニマム・ボラティリティ」と呼ばれるETF(上場投資信託)が大ヒットしています。価格変動が小さくなるように組んだポートフォリオのETFで、株式市場のボラティリティ(価格変動性)上昇を受けて人気になっているようです。日本ではまだ届出されていないため同ETF自体に投資はできませんが、物色のトレンドを見る上でどのような銘柄が組み入れられているかを覗いてみるのは参考になりそうです。

今回は同ETFの組入比率が高い金融、ヘルスケア、情報技術、生活必需品、公益事業の5業種から、投資指標や株価の動向を総合的に考慮して各1銘柄を選んで、注目の5銘柄としてご紹介いたします。

図表1:注目銘柄リスト

銘柄 株価(4/12) 52週高値 52週安値
パブリック ストレージ REIT(PSA) 276.16ドル 277.06ドル 182.08ドル
ジョンソン エンド ジョンソン(JNJ) 109.60ドル 109.84ドル 81.79ドル
オートマチック データ プロセシング(ADP) 90.11ドル 90.99ドル 64.29ドル
プロクター アンド ギャンブル(PG) 82.83ドル 84.20ドル 65.02ドル
サザン(SO) 50.77ドル 51.79ドル 41.40ドル
  • ※当社WEBサイトをもとにSBI証券が作成
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アメリカでは「ミニマム・ボラティリティ」のETFが大ヒット

米国のETF市場で「iシェアーズ゙MSCI米国ミニマム・ボラティリティETF」が大ヒットしています。

ミニマム・ボラティリティとは「株価変動性が小さい」ことを指し、このような性質を目指してポートフォリオを組んだ上場投資信託(ETF:Exchange Traded Fund)です。

同ETFは1,200を超える米国上場の株式ETFを対象とした、年初来資金流入額のランキングでトップになっています(図表2)。また、ランキング7位にも同シリーズの一つで、米国およびカナダを除く先進国株に投資するETFが入っています。「ミニマム・ボラティリティ」は、米国で人気の投資「スタイル」になっているようです。

「ミニマム・ボラティリティ」シリーズのETFを紹介した米国ブラックロック社の資料によると、「株式市場のボラティリティが過去40年間を見渡して大きく上昇している一方、伝統的なセーフヘブンのキャッシュや債券は利回りが低下したことで選択肢としての魅力が低下している。そのような環境で、価格変動性を抑えた同シリーズは株式市場へ投資し続けることを可能にする商品として検討する価値があるのではないか」としています。

「iシェアーズ゙MSCI米国ミニマム・ボラティリティETF」について、過去の資金流入の推移を見たのが図表3です。米国株の変動性が高まった昨年夏から資金流入が定着し、16年初の株価急落を受けて流入が再度加速、株価が反発に転じた3月にも流入は続いています。

また、パフォーマンスも良好です。図表4の「相対株価」を見ると、12年から14年にかけての上昇局面では、同ETFはS&P500指数と同等か劣後していましたが、株価の変動性が大きくなった14年秋頃からはS&P500指数を上回る傾向が出ています。既に昨年来高値を更新しています。

同ETFは日本では届出されていないため、残念ながらこのETF自体に投資することはできません。ただし、ポートフォリオの変動性を抑えるために、どのような銘柄が組み入れられているか、昨年来高値を更新する原動力となった銘柄にはどのようなものがあるか、銘柄選択の参考とするのは有益ではないでしょうか。

尚、日本株では、ブラックロック社による「iシェアーズ MSCI日本株最小分散ETF」(1477)が東証に上場されています。同じ考え方で組成された日本株のポートフォリオであり、注目できるでしょう。

図表2:年初来「ミニマム・ボラティリティ」への資金流入が最大

  • 注:米国に上場している株式ETFが対象で、年初来、4/7までのデータです。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表3:「ミニマム・ボラティリティ」への資金流入が定着、加速

  • 注:iシェアーズ゙MSCI米国ミニマム・ボラティリティETFの月次資金フローです。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表4:14年秋より、S&P500指数をアウトパフォームする傾向

  • 注:「相対株価」は「ミニマム・ボラティリティETF」÷「S&P500指数」で算出したもので、「相対株価」の上昇は前者が後者のパフォーマンスを上回って推移したことを示します。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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ミニマム・ボラティリティにはどんな銘柄が組み入れられているのか?

では、「iシェアーズ゙MSCI米国ミニマム・ボラティリティETF」にどのような銘柄が組み入れられているか覗いてみましょう。

まず、ポートフォリオ全体を見渡すと、以下のような特徴があります(4/7時点)。

(1)組入銘柄数は169と、幅広い銘柄に分散投資している

(2)業種も幅広く分散している(図表5)
・ヘルスケア、生活必需品、公益事業など景気感応度が低い業種をオーバーウェイトする一方、情報技術、一般消費財・サービス、資本財・サービスなど景気感応度が高い業種をアンダーウェイトしている。
・オーバーウェイトの金融は景気敏感に分類されるが、組み入れが多いのは「不動産投資信託」である。

(3)株価バリュエーションは、組入銘柄の平均で見ると市場平均に比べて高めである(図表5)。

(4)ベータが低い銘柄が多く組み入れられている。

次に、組入上位20銘柄について、業種ごとに並べたのが図表6です。昨年来高値を更新している銘柄が多く、株式市場の物色の流れに乗っている銘柄が多く含まれています。

短期的には利食いが出やすくなっているものもあると思われますが、世界経済の減速傾向、世界的な長期金利の低迷、グローバル化による市場ボラティリティの増大など、これらの銘柄が物色されている背景は継続する可能性が高そうです。中期的にも注目できる銘柄群と見られます。

今回は組入比率が高い5業種から、投資指標や株価の動向を総合的に考慮して各1銘柄を選んで、注目の5銘柄(赤字でハイライト)としてご紹介いたします。

図表5:ディフェンシブな業種をオーバーウェイト、投資指標は高め

  • 注:S&P500指数とiシェアーズMSCI米国ミニマム・ボラティリティETFの、4/7時点の業種ウェイトです。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

図表6:「ミニマム・ボラティリティ」の組入上位20銘柄

  • 注:iシェアーズ゙MSCI米国ミニマム・ボラティリティETFの4/7時点の組み入れ上位20銘柄です。
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成
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物色の流れに乗る注目銘柄はコレ!?

銘柄名 株価
(4/12)
276.16ドル 予想PER
(倍)
40.3
ポイント
  • 同社は米国で時価総額2位(475億ドル)の不動産投資信託です。72年創業で米国および欧州で2,593ヵ所、1.87億スクエアフィート(17.4平方キロメートル)のレンタルスペースを個人・企業向けに提供しています(15年末)。全米の市場シェアは約6%ですが、2位〜4位企業の合計よりも大きく、進出都市の多くでは10%〜20%台のシェアを確保しています。
  • 15年12月期は売上が前年比9%増、純利益が15%増と好調です。増収は既存施設の売上が前年比6.5%増加したほか、買収による拡大が寄与しています。売上高純利益率が55%、ROEが21%、ROAが13%と高い利益率を達成しています。
  • 株価は世界的な金利低下を受けて配当利回りの魅力から買い上げられてきたと見られます。業界でのポジションの良さや利益率の高さも信頼感の背景となっているでしょう。「iシェアーズMSCI米国ミニマム・ボラティリティETF」では、組入比率1.7%でトップ銘柄(4/7時点)です。

株価チャート(週足2年)

銘柄名 株価
(4/12)
109.60ドル 予想PER
(倍)
16.8
ポイント
  • 医薬品、医療機器、消費者向け製品を広く手がける総合ヘルスケア企業です。広くグローバルに展開しているため、ドル高の影響を最も大きく受けている米企業の一つで、ドル高の影響が緩和する局面では業績の回復が期待できます。
  • 為替の影響に加えて事業売却等の影響を除いた基調ベースの売上は、主に医薬品部門の牽引で4-6月期の5%増、7-9月期の6%増、10-12月期の8%増と加速傾向です。16年の売上は、オペレーションベース(為替の影響を除いたベース)で4.5-6.0%増、調整後EPSは6.53-6.68ドル(前年比5.3-5.7%増)を見込んでいます。16年1-3月期の決算発表は4/19の予定です。
  • 「iシェアーズMSCI米国ミニマム・ボラティリティETF」では、同社事業の景気感応度が低く相対的に安定していることが評価されて組み入れられていると考えられます。組入比率は1.5%で第5位です。

株価チャート(週足2年)

銘柄名 株価
(4/12)
90.99ドル 予想PER
(倍)
28.0
ポイント
  • 人事、給与、税、社会保険業務処理のアウトソースを請け負う企業です。世界125ヵ国であらゆるタイプ・規模の61万社にサービスを提供しています。制度が複雑化する傾向があることが、当社の事業の追い風になっているようです。
  • 15年10-12月期決算は、売上が6%増、EPSが7%増と堅調、新規受注は15%増と好調でした。16年6月期は、売上が7%増、調整後EPSが12-14%増、新規受注は12%増と堅調な拡大が見込まれています。16年1-3月期決算発表は4/28の予定です。
  • 契約に基づいてサービスを提供する事業モデルのため、株価の変動性が比較的大きい情報技術セクターの中では相対的に安定度が高く、同セクターの組入トップ銘柄となっているようです。

株価チャート(週足2年)

銘柄名 株価
(4/12)
84.20ドル 予想PER
(倍)
23.1
ポイント
  • 世界最大の日用品メーカーです。主力の洗剤類は、アリエール、ダッシュ、ファブリーズ、ヘアケア・化粧品ではパンテーン、ウエラ、SK-II、マックスファクター、ベビー用品ではパンパース、その他髭剃りのジレット、ブラウンなどがあります。15年6月期の海外売上比率は63%です。
  • 15年10-12月期の売上は、ロシアやブラジルなどの通貨安の影響を強く受けて報告ベースで9%減少しました。しかし、為替や事業買収・売却の影響を除いたオーガニック成長は2%増で7-9月期の1%減から改善しています。販売管理費を14%削減して、営業利益は8%増を確保しています。
  • 16年の売上ガイダンスは1桁台後半の売上減少で、為替による売上押し下げは7%ポイントとしていましたが、その後のドル安を受けて今回の四半期決算で上方修正が期待されます。16年1-3月期決算発表は4/26の予定です。

株価チャート(週足2年)

銘柄名 株価
(4/12)
50.77ドル 予想PER
(倍)
17.9
ポイント
  • ジョージア州アトランタに拠点をおく米国最大手の電力持株会社です。米国南東部のジョージア州、フロリダ州、アラバマ州、ミシシッピ州で発電・送電事業を運営しています。
  • 15年10-12月期の売上は主に原油価格の下落分を顧客に還元したことにより前年同期比10%減でした。純利益は同4%減となっていますが、一時的費用を除いたベースでは17%増と好調です。
  • 米国の長期金利は1.7%台にとどまっており、高い配当利回りに注目できるでしょう。 今期の1株当たり予想配当額は2.22ドル(Bloomberg予想)で、予想配当利回りは4.4%です。

株価チャート(週足2年)

  • ※株価チャートは当社WEBサイトを通じてにSBI証券が作成
  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客様が損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。
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