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いま景気サイクルのどこに居るのか?

いま景気サイクルのどこに居るのか?

2021/5/21

1景気サイクルのどこに居るのかがわかれば対処のしかたがわかる

投資を進める上で役に立つのは、いま景気サイクルのどこに居る? ということを知ることです。それと言うのも普通相場が大きく崩れるのは景気サイクルの最終局面であることが多いからです。それを避けるだけでパフォーマンスは格段に向上します。

1まず起点はどこかを定める

景気サイクルを把握するにはまず起点はどこか? を特定する必要があります。これはカンタンです。景気サイクルそのものの起点と終点は全米経済研究所(NBER: National Bureau of Economic Research)が判定しています。同研究所はたくさんのノーベル経済学賞受賞者を含んでいるアカデミックな連絡組織です。その関係で米国経済がいつ不況を脱した? というようなタイミングに関してはかなり後になってからしか判定が得られません。

同研究所が最近米国の景気動向の転換点に関する公式発表をしたのは2020年6月で、そのときは「2020年2月が景気拡大局面の終焉だった」と判定されました。

米国の株式市場を代表するS&P500指数は2020年2月19日に3393.52の高値を付け、3月23日に2191.86の大底をつけるまで−35.41%の調整を見ました。

全米経済研究所は2020年2月から始まった景気後退局面がいつ終了したのか? に関しては未だ判定を示していませんが現在のS&P500指数が4127.83と前回のピークを遥かに超えていることからしても既に我々は新しい景気拡大局面に入っていることは明白です。

3通常の景気拡大局面と今回は違う

今回の景気拡大局面は通常の景気拡大局面とはかなり様子が違います。すなわち今回は新型コロナによる外出禁止令で突然経済活動がストップした関係で景気が崖から落ちるのもアッと言う間だったけれど、そこから這い上がってくるのもスピーディーだったということです。一例として下は米国の失業率ですが今回は棘(とげ)のように急に失業者が増えたかと思えば改善も目にも止まらないスピードで実現しています。

つまり今回の不況は伝染病がもたらした一過性のものである可能性があり、過去のサイクルとは一線を画しているのです。

■むずかしい判断
リーマンショック後の景気拡大局面は128ヵ月、すなわち10年以上も続きました。しかし今回は物事の起こる時間がすべて圧縮されているので前回同様、景気拡大局面が10年続くかどうかについては予断を許さないと思います。

米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)は金利政策を通じてなるべく景気拡大局面が長く続くように働きかけます。通常、景気が強い局面では利上げし、景気が過熱しないようにブレーキを踏むことで突発的なインフレを回避するわけです。

今回の場合、既に4月の消費者物価指数は前年同月比4.2%まで来ておりFRBがターゲットにしている2.0%を超えてしまっています。

これはひとつには去年の今頃は新型コロナの外出禁止令で物価が急落しており、その不自然に低い位置との比較になっているためです。このような統計上のトリックをベース・エフェクトと言います。それに加えて今は突然経済が再開している関係でいろいろな処でボトルネックを生じています。たとえば材木が足らないというような現象がこれに当てはまります。それらの「雑音」を取り除く必要があります。

■利上げは未だ始まってすらいない
上に書いたようにFRBは景気が拡大しはじめると利上げにより適宜ブレーキを踏むことで「スピードの出し過ぎ」を避け、なるべく景気拡大局面が長持ちするよう働きかけます。

しかし今は利上げもしていませんし、債券買い入れプログラムも維持したままです。

FRBがゆっくりしている理由は去年採用された新金利政策決定枠組みに従い、ゆっくりとした対応を心がけているからです。

3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBメンバーたちが経済予想サマリーの中で示した考えでは、現在の高いGDP成長率は去年の反動に過ぎず、来年以降、再び米国経済は低い成長率に回帰してゆくと想定しています。

このシナリオ通りに行くのなら、FRBが何もしなくても経済成長は鈍化し、軟着陸できるわけで、政策変更の必要性は無いということになります。つまり足下の強い経済とFRBのおっとりしたスタンスは矛盾しているわけです。

■まとめ
前回の景気のピークが2020年2月で、それ以降、我々は新しい景気拡大局面に入っている……この認識はカンタンだし、多くの市場参加者に共有されています。しかし難しいのは今回はすべてが極端に圧縮された時間の中でものごとが展開しているので、どうやら通常の時間軸(=10年)は当てはまらないという点です。

ひょっとすると今が景気改善の変化率ではピークなのかもしれません。その場合、FRBは動くべきなのか? それとも何もしない方がいいのか? そういう事すらハッキリしません。

低金利、空前の企業業績の伸び……そういったポジティブな要因が多いにもかかわらずマーケットが気迷い商状を呈しているのは、そのような理由からだと思います。

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著者

広瀬 隆雄(ひろせたかお)

コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター

グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。

広瀬 隆雄

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