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LIBORってなに? LIBORの上昇を心配すべき?

LIBORってなに? LIBORの上昇を心配すべき?

2018/03/30

LIBORとはロンドン銀行間取引金利を指します。わかりやすくいえば「銀行が、銀行同士でお金を貸し借りするときの金利」です。

最近、LIBORが急上昇しており、それが株式投資家の不安の原因のひとつとなっています。そこで今日はLIBORについて解説します。

1 最近のLIBORの動き

まず最近のLIBORの動きを見ましょう。下は3ヵ月物LIBORのチャートです。

現在LIBORは2.28%で、これは2008年末以来の高値となっています。去年のクリスマスの頃から起算すると+0.59%上昇したことになります。これはかなり急ピッチの金利上昇です。

2 LIBORの重要性

なぜLIBORの動きが重要になるのでしょうか?

LIBORは銀行が色々な金融商品の金利を決める際、ベンチマークとして使います。具体的には変動金利住宅ローン、スチューデント・ローン、クレジットカード・ローンなどの金利はLIBORを基準に決められているのです。

するとLIBORが上昇すれば、消費者が借りている色々なローンの金利も上昇することを意味します。結果として市民の暮らしがジワジワと締め付けられることになるのです。

LIBORは1)短期の金利の動向を反映するという性格を持っています。それに加えて、2)これは銀行同士でのお金の貸し借りのレートなので「銀行がお互いを信用しているか?」ということの指標であるとも言われています。もっといえば「信用力」を表現しているわけです。
するとLIBORが上昇すると「ひょっとして銀行はお互いを信用してないのでは?」という懸念が生じます。

リーマンショックの際、銀行はうかつな融資で酷い目に遭ったので、ずいぶん懲りています。だから最近は融資に際しても慎重を期しており、銀行の信用が揺るぐような無謀なことはやっていません。

言い換えればこのところのLIBORの上昇は、銀行経営への不信が原因なのではないということです。

LIBORが上昇している主な原因は、去年のクリスマス直前に成立した税制改革法案です。それは2つのインパクトを短期市場に与えました。

まず税制改革法案は実質的な大型減税を意味するので、アメリカ政府はそれだけ税収が落ち込みます。そうかといって日常の政府機関の業務は縮小できませんので、足らない分は国債を出すことによって辻褄を合せる以外ないのです。

そんなわけで2月以降だけで3000億ドルものトレジャリー・ビルが発行されました。これにより短期市場の需給関係が崩れ金利が上昇したのです。

税制改革のもうひとつのインパクトは「企業が海外に貯め込んだ利益を、アメリカに送金しなさい」という政府の指導が、オフショア市場で「ドル不足」を招くのではないか? という漠然とした不安です。

これは未だ現実のものになっているかどうか状況証拠不足で何とも言えません。

企業が海外利益をアメリカへリパトリエーション(本国送還)した場合、それで工場を建てる、M&Aする、自社株を買い戻す、配当を払う……など色んなお金の使い道があるだろうけれど、すぐには決断できません。その場合(とりあえず短期で運用しようか?)ということでコマーシャル・ペーパー(CP)に投資してお茶を濁すというようなことが行われているそうです。

さて、LIBORに関してはリーマンショック以降、いろんな批判が出ています。

まずリーマンショックの時には銀行が自分の保身のために他行に資金を融通することを止めてしまい、LIBORが急騰しました。それ以来、「不安の尺度」として負のイメージが定着しました。

さらにLIBORを銀行が示し合せて操作するというスキャンダルも起きました。

これを説明するために「LIBORはどうやって決定される?」というメカニズムを説明します。

LIBOR は16行のメガバンクが「うちはこのレートで他行にお金を貸します」という金利をアンケートのようなカタチで聞き取り調査して決定されます。その際、一番高いレートと一番低いレートを排除し、真ん中の14のレートの平均値を出すわけです。

つまり実際に貸すレートではなく、アンケートによる架空のレートというところがポイントなのです。

するとリーマンショックのような状況では、とりわけ高いLIBORを提示している銀行は「あそこは経営が危ないのでは?」という疑いの目をかけられるので、わざと低いレートを提示するということが横行します。

逆に平時には、その銀行のトレーディング・デスクのポジションに応じて、「より高いレートを提示したほうが会社全体として儲かる」という判断から、わざと高いレートを提示する場合もあります。

このように、とかくLIBORは悪用されやすいのです。

銀行が談合してLIBORのレートを捜査していたスキャンダルが明るみに出てからは「もうLIBORなんてやめてしまえ」という世論が高まりました。

しかしLIBORは廃止されず、こんにちも生き残っています。

2 株式市場とLIBOR

これまでの説明でわかったように、このところのLIBORの上昇は「銀行経営がおかしくなっている」というような、金融システムのストレスが生じているからではありません。その意味ではLIBORが上昇しているからといって相場の先行きを悲観するのは間違っていると思います。

しかしLIBORが消費者のさまざまな金融商品の金利を決めている関係で、それが高くなるとジワジワと真綿で絞めるように消費者が身動き取れなくなるリスクはあります。

それは今すぐに起こるということではなくて、今後半年とか1年、継続してLIBORが高止まりするならば懸念すべきシナリオでしょう。

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著者

広瀬 隆雄(ひろせたかお)

コンテクスチュアル・インベストメンツLLC マネージング・ディレクター

グローバル投資に精通している米国の投資顧問会社コンテクスチュアル・インベストメンツLLCでマネージング・ディレクターとして活躍中。
1982年 慶応大学法学部政治学科卒業。 三洋証券、SGウォーバーグ証券(現UBS証券)を経て、2003年からハンブレクト&クィスト証券(現JPモルガン証券)に在籍。

広瀬 隆雄

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