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金利と株価の関係

2016/01/25

なぜ金利を気にするの?

投資を始めたばかりの人が戸惑うことのひとつに、日本銀行、米国連邦準備制度理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)などの打ち出す金利政策に関する、メディアのしつこい報道があります。

(どうだっていいじゃん、そんなこと)

実は私も最初に投資の世界に入った時は、その程度に考えていました。中央銀行の方針がどうであろうが、良い商品やサービスを持った企業がどんどん業績を伸ばせば、経済全体のことなど関係無い…そう思ったわけです。

これはある程度正しいですが、ハッキリ言って、そういう雑な発想では、遅かれ早かれ失敗すると思います。

なぜなら金利と株価は競争関係にあり、一方が有利になると、他方が凹む、いわばシーソーのような構図になっているからです。今日はそのことについて説明したいと思います。

金利と株価の関係

いま何もしなくても、ただ銀行におカネを預金するだけで魅力的な利子がついたとします。仮にそれを3%としましょう。

その場合、我々が自問すべきことは(銀行におカネを預けるだけで、リスクなしで3%もおカネが増えるというのに、わざわざそのチャンスを棒に振って、儲かるとも損するともわからない株式市場でリスクを取るの?)ということです。

セントルイス連銀のデータによると、1928年から2015年までの期間でS&P500指数の平均リターンは11.4%でした。すると上の仮定では、わざわざリスクを取ることによって得られる正味のリターンは8.4%ということになります。

ここで配当割引モデルと呼ばれる考え方を紹介したいと思います。これは「株式の値打は、その企業が将来出す配当を、資本コストで割り引いた結果で決まってくる」とする考え方です。

もちろん、これはあくまでも理屈であって、実際のトレード結果はセオリー通りにはならないことの方が多いです。でもここでは金利というものが、我々の投資の勝算に、どう影響してくるのか? というおおよその概念を説明するために、ごくさわりの部分だけを紹介します。

【配当割引モデルの計算式】
株式の値打=配当÷(割引率−配当成長率)

上の式で「割引率」とあるのは金利と置き換えてもらって結構です。するとこの値が大きくなると、他が一定でも、どんどん計算結果、つまり株式の値打が下がってきてしまうのです!

私が「金利と株価は競争関係にある」と言うのは、つまりこのことを指しているのです。

FRBは利上げしたばかりだが…

そこで「はっ」と気がつくことは、去年の12月16日にFRBが0.25%の利上げを発表したニュースです。

(あれは、まずかったんじゃないか?)

そうです。理屈の上では、政策金利の引上げは上で説明したような株式の値打の下落を招くわけですから、あれは歓迎せざるニュースです。

ただ、皆さんが今、銀行におカネを預けた場合、たくさん利子が付きますか?

たぶん、スズメの涙ほどの利子もつかないと思うのです。つまり利上げは確かに悪いニュースだけれど、それでは銀行預金のほうが断然有利か? といわれれば、顕微鏡で見なければわからないような利子は、まだお世辞にも「魅力だ!」なんて言えないわけです。

つまり去年暮れのFRBの一回の利上げが、株式と預金の力関係をひっくり返すようなソロバン勘定になっていたか? といえば、それはそうではないのです。

もちろん、これまでは米国では「実質ゼロ金利」でしたので、2008年冬から続いてきたその金利環境と決別したということは「一大事」には違いありません。最近のマーケットが荒れ気味なのも、そういう蜜月期間の終わりを惜しむ、投資家のすねたキモチを体現しているという風にも言えなくもないでしょう。

しかしたとえばダウ工業株価平均指数採用銘柄の現在の平均配当利回りは2.9%あるのだから、「銀行預金よりも、こちらの配当の方が魅力だ!」という力関係には、大きな変化は出ていないとも言えるのです。

別の言い方をすれば、利上げは、それが「これでもか、これでもか」と幾度となく繰り返されることで、ボディーブローのように効いてくるということです。つまり累積的な影響こそが問題にされるべきだということです。

フェデラルファンズ・レート(%、セントルイスFRB)

FRBは、なぜ意地悪するの?

ここまで読んでくれた読者の皆さんは、たぶん(なぜFRBは利上げなんて意地悪するの?)と思うでしょう。

そこで解説すると、「FRBが利上げをする狙いは、せっかく景気拡大が始まっている経済のモメンタムを、なるべく持続させるためだ」と言う事です。

いま線香花火をイメージしてください。線香花火は最後に「ポトッ」と落ちる前に、ひときわ燦然(さんぜん)と輝きますよね? 景気もそれと同じで、過熱し過ぎるとオワリも早くなってしまうのです。

一例を挙げましょう。去年、米国では州の定める最低賃金を引き上げるところが相次ぎました。ところが最低賃金の引上げが施行された州では、例外なく雇用成長のモメンタムに衰えが見られました。つまり雇い主は「賃金コストの上昇ペースが速すぎるので、利益が出せなくなるのではないか」ということを心配しているのです。

今は、まだそのような懸念を表明する人たちは少数派です。でも「ワッ」と賃上げが相次げば、経営者のセンチメントが一気に悲観に振れる可能性があるわけです。

FRBは、そのような過熱を未然に防ぐべく、利上げを始めているというわけです。

業績相場と金融相場

現在の米国は利上げがはじまったばかりです。このような局面では、すぐに景気がつんのめるリスクは低いです。そもそも利上げが出来るということは、それなりに景気が強いから出来るのであって、そのような状況下では、企業の業績も伸びやすいです。

言い換えれば、利上げから来る「ハードルが上がる」というマイナスを、企業業績の伸び(=それは一株当たり利益の伸長と置き換えても良いです)が補って余りある状態だということです。このような事情を背景に上昇してゆく相場のことを、業績相場と言います。

別の言い方をすれば、現在の米国株市場は、金融相場から業績相場への移行期に差し掛かったということです。

普通、金融相場の長さと業績相場の長さは7:3くらいで、金融相場の方が長いし、居心地が良いです。

その意味では利上げを経て、業績相場へと移行してゆくということは、誠に残念な、後ろ髪引かれる局面と言わざるを得ないでしょう。でも業績相場に移行したからといって、それほど悲観することはないと思います。

私は1988年から米国株をやっていますが、その経験から言わしてもらうと、まだまだこれからだって、じゅうぶん味わい尽くせる相場というのは来ると思います。

上でも述べたように、利上げというのは累積的に効いてくるものです。つまり本当にリスキーな局面は、何度も利上げが繰り返された末に訪れるものです。その頃には(なあんだ、利上げなんてチョロいもんだな)というマーケットを舐めた態度が、蔓延していることでしょう。相場からこっそり足抜きしなければいけない時期は、そのような時であり、それは今ではありません。

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