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中国:不動産市場の調整が進行、年間経済成長率目標の未達の可能性

2014/9/26 モーニングスター株式会社

本土の不動産市場の調整が進行している。国家統計局が18日に発表した本土主要70都市の住宅価格統計によると、2014年8月の新築物件(低所得者層向けの保障性住宅を除く)価格が前月比で価格が下落したのは68都市に上った。不動産価格の下落は本土のほぼ全域に拡大していることが分かった。一方で、上昇したのは1都市にとどまり、前月の2都市からさらに減少した。上昇率は最大0.2%、下落率は最大2.1%。主要大都市の新築物件価格は前月に比べ、北京市が0.9%、上海市が1.1%、広州市が1.3%、深セン市が1.1%の下落。前年同月では北京市が2.1%、上海市が1.5%、広州市が2.1%、深セン市が2.5%上昇した。

(写真提供:CNSPHOTO)

不動産の販売の減少が続いている。2014年1−8月の分譲物件の販売面積は8.3%減の6億4987万平方メートル。7月と比べ減少率は0.7ポイント拡大している。うち住宅、オフィスはそれぞれ10.0%、8.9%減少した。分譲物件の販売額は8.9%減の4兆1661億元、うち住宅、オフィス、商業物件は10.9%減、19.5%減、7.5%増だった。

不動産投資の伸びも引き続き鈍化している。2014年1−8月の不動産開発投資額は前年同期比13.2%増の5兆8975億元。14 年1−7 月の13.7%増と比べ0.5ポイント低下した。新規着工面積も10.5%減の11億4382万平方メートルとなった。

上記の統計内容から、本土の不動産市場の調整がさらに進行していることがわかる。不動産市場への規制を緩和する動きは、5月初旬ごろから見られたが、各地方政府が独自で緩和策を打ち出しているものの、不動産市場の調整を止めるほどの効果は見られない。9月22日のリポートでも説明したとおり、不動産市場の調整が、実体経済に影響を及ぼし始めている。下半期は、経済成長率を目標の7.5%を割り込む可能性が高まっており、通期でもこの目標を死守するのは非常に難しくなってきている。

今年の経済成長率目標が7.5%に設定された後も、当局は数値の設定のぶれについて、ある程度は許容する見方を示しており、今年は無理に目標を達成しなくても驚く必要はない。政策の方向性を決める重要な会議である北戴河会議で、14年の年間GDP成長率が目標の7.5%を下回る可能性があることを容認することで合意したとの観測が最近本土メディアで報じられた。また、指導部が年内の経済政策について景気刺激よりも改革推進を優先させる方向で意見が一致したとも伝えられた。

ただ、仮に、当局がある程度の目標の不達成を容認するというシナリオが成立したとしても、様々な経済指標がさらに悪化していくことをそのまま放置するといったシナリオは成立しにくいのではないか。なぜなら、足元の雇用環境は悪化していないが、そのまま景気悪化を放置すれば、雇用状況に影響が出てくる可能性が考えられるからだ。国務院は13年に、中国経済の成長率が7.2%を下回る場合は雇用が悪化するとの見方を示した。上半期の経済成長率が目標の7.5%近辺で推移したことを踏まえると、経済成長率の低下余地は極めて小さいことがわかる。したがって、このまま景気悪化が続けば、年内に金融緩和を含むまとまった景気対策が打ち出される可能性も否定できない。

8月の経済主要指標の発表後、本土市場、香港市場ともに相場は調整している。様々な経済指標が市場コンセンサスを下回ったことや、当局が目標の未達を容認し、積極的な景気刺激策を打たないのではないかといったことが懸念されている。このところ、調整らしい調整がなかったため、よい押し目であると考えてよいだろう。特に、環境や鉄道の分野は、景気対策の意味合いで政策支援が期待できる。前回は鉄道銘柄をピックアップしたため、今回は環境関連銘柄をピックアップした。

銘柄名 中国光大国際(エバーブライトインター)(00257/メインボード)

中国光大集団傘下の環境関連事業会社 9月24日終値:10.52香港ドル

 ・ 長江デルタ、珠江デルタ、環渤海地区など中国本土を中心に、ドイツでも環境関連事業を展開する。売上構成は、廃棄物発電所、メタンガス発電所、産業廃棄物埋立場建設・運営などが72.9%、汚水処理施設、下水熱利用ヒートポンプなどの建設、運営が17.2%、太陽光発電、バイオマス発電、風力発電など新エネルギー関連事業が9.8%(14年6月末時点)。

 ・ 14年6月中間決算は19.3%増収、23.3%増益。都市化政策や環境保護政策の推進を背景に、上半期のプロジェクト受注件数は過去最高を更新した。市場全体の規模拡大が追い風。「都市部から農村部へ、沿海部から内陸部へ、国内から海外へ」との事業戦略を掲げ、引き続き市場シェア拡大を図る。

銘柄名 北控水務(ペキンエンタープライズウォーター)(00371/メインボード)

北京市政府系の汚水処理会社 9月24日終値:5.36香港ドル

 ・ 北京市政府系投資会社の北京控股(00392)が筆頭株主。売上構成は、汚水処理場建設・運営が87.9%、水道水供給が9.4%、技術コンサルティングが2.7%。事業主体として北京市の水環境整備事業なども手がける。中国本土とマレーシア、ポルトガルなどで、汚水処理場234カ所、浄水場61カ所、再生水処理場5カ所、海水淡水化施設1カ所を展開(14年6月末時点)。

 ・ 14年6月中間決算は38.1%増収、38.8%増益。主力の汚水処理事業と水道水供給事業が60%以上の増益となり、業績に貢献。9月にシンガポールの下水浄化施設プロジェクトを落札するなど海外進出も加速。当局の政策支援と汚水処理需要拡大が追い風になるとし、業界の再編・統合が進むなか、M&Aを通じて市場シェア拡大を図る。

銘柄名 粤海投資(カントンインベスト)(00270/メインボード)

広東省政府系の投資会社 9月24日終値:9.02香港ドル

 ・ 給水事業を主力とし、広東省東江から香港、深セン、東莞へ給水する「東深供水」プロジェクトが重要な収益源。売上構成は、給水が63.6%、不動産投資が13.1%、百貨店経営が9.9%、発電が5.8%、ホテル経営が7.6%(14年6月末時点)。広東天河城集団を傘下に置き、広東永旺天河城商業有限公司(広東イオン)にも26.63%出資している。

 ・ 14年6月中間決算は4.3%増収、1.7%増益。主力の給水事業は5.1%増収、不動産投資は7.5%増収。13年に有料道路・橋梁事業を売却したのに続き、14年は複数の汚水処理事業を買収したほか、海南省で給水事業を手がける企業を傘下に収めた。M&Aを通じて主力の水資源管理を中心に事業再編を推進し、収益拡大を狙う。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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