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中国:1−4月の統計は悪化、景気対策期待膨らむ

2014/5/15 SBIサーチナ株式会社

中国工業情報化部(工信部)はこのほど、2014年の旧式生産設備の廃棄について、目標数値を引き上げると発表した。

鉄鋼業界については、製鉄は1,900万トン、製鋼は2,870万トンと、「政府活動報告」で設定された目標から170万トンの引き上げ。セメント(クリンカ・破砕能力)は5,050万トンと、850万トン引き上げられた。

※工信部:14年の旧式生産設備の廃棄、目標数値を引き上げ(5月9日付サーチナ記事より引用)
(写真提供:CNSPHOTO)

習近平体制が発足してから1年以上になるが、一貫して経済の構造改革に注力している。当局は重点産業への政策支援や、インフラ整備、所得向上、金融改革、税制改革、市場競争の促進など様々な政策に取り組んでいる。記事にある旧式生産設備の廃棄の政策も構造改革の一環だ。目標数値の引き上げは、鉄鋼やセメントにとどまらず、コークス、合金鉄、炭化カルシウム、電解アルミ、銅(再生銅含む)製錬、鉛(再生鉛含む)製錬、など幅広い分野に及んでいる。そのほか、金融政策を通して、潜在的に不良債権化するおそれのある資産への投資抑制を行っている。

ただ、こうした長期に渡る投資制限や金融引き締めは、短期的には実体経済に少なからず影響を及ぼす。実際に、国家統計局が13日に発表した2014年1−4月の統計は、投資制限や金融引き締めの影響がうかがえる内容だった。

簡単に統計を振り返りたい。14年1−4月の都市部固定資産投資額は前年同期比17.3%増の10兆7,078億元だった。13年は20%の伸びをキープしていたが、14年に入り、20%を割り込んで推移している。投資の伸びはマクロコントロールの影響により、全体的に落ち込んでいる。ウエイトの高い不動産開発投資額も前年同期比16.4%増にとどまった。5月9日のリポートでも取り上げたが、不動産市況は悪化しており、投資の伸びに影響を与えていると考えられる。

消費の伸びも落ち込みが見られた。14年4月の小売売上高は前年同期比11.9%増の1兆9,701億元だった。うち都市部は11.7%増の1兆7,060億元、農村部は13.2%増の2,641億元だった。分野別では、宝飾品の伸びがマイナスになったことが目立った。13年と比べた場合、食品や日用品などのほとんどの分野で伸びが減速している。

内需の2本柱である投資と消費の伸びは、ともに習近平体制発足以来の最低水準まで落ち込んでいる。市場では、景気悪化が懸念され、預金準備率引き下げを期待する声も出始めている。一方で、李克強首相は中国共産党の機関誌「求是」の最新号に「経済体制改革の深化に関する若干の問題」と題する文章を寄稿し、財政赤字を拡大せず、金融緩和・引き締めを行わないとの方針を示した。李克強首相が金融緩和を否定しているということは、短期的に預金準備率引き下げが実施される可能性は低い。

ただ、現在の景気状況を踏まえると、引き締めを強化する余地も小さくなってきており、景気悪化を回避するために、何らかの部分的な政策を実施する時期に入ってきていると考えられる。したがって、相場は調整が続いているが、下値余地も小さいと考えられる。前回のリポートの繰り返しになるが、今後大きく調整するようならば、購入の好機となるだろう。投資分野としては、具体的な景気対策の一つとして、鉄道などのインフラプロジェクトの加速が打ち出されていることから、引き続き鉄道に注目したい。今回も、香港市場に上場の鉄道関連の時価総額上位銘柄を取り上げた。中国中鉄(00390)、中国鉄建(01186)、南車時代電気(03898)、中国南車(01766)、高速伝動設備(00658)。

  • ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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