1Q(2-4月期)決算速報(現地6/4引け後発表)
世界のモダンエンドポイントセキュリティ市場においてシェアNo1の同社が掲げるミッションは「We Stop Breaches(データ侵犯を阻止する)」です。世界的にサイバー攻撃が拡大する中で、サイバーセキュリティへの需要が高まっています。同社のサービスプラットフォームは「クラウドストライク・ファルコン」で、次世代アンチウイルス、エンドポイントでの検知・対応、24時間365日体制のセキュリティエキスパートによる脅威ハンティングのサービスを提供しています。
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):326.20ドル(+6.75%)
●売上高:9.21億ドル、前年同期比+33%(予想9.05億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.93ドル、前年同期は0.57ドル(予想0.90ドル)〇市場予想を上回った
●5-7月期売上高見通し:9.583〜9.612億ドル(予想9.546億ドル)〇市場予想を上回った
●5-7月期調整後EPS見通し:0.98〜0.99ドル(予想0.91ドル)〇市場予想を大きく上回った
●2025/1期通期売上高見通し:39.8〜40.1億ドル、今までの39.2〜39.9億ドルから上方修正(予想39.7億ドル)〇市場予想を上回った
●2025/1期通期調整後EPS見通し:3.93〜4.03ドル、今までの3.77〜3.97ドルから上方修正(予想3.94ドル)〇中間値が市場予想を上回った
引け後の時間外取引チャート

決算のポイント
●ARR(年間経常収入):36.5億ドル(予想36.3億ドル)〇市場予想を上回った
●ネットの新規ARR(年間経常収入):2.12億ドル(予想1.96億ドル)〇市場予想を上回った
●予想比較フリーキャッシュフロー:3.22億ドル(予想3.15億ドル)〇市場予想を上回った
●サブスクリプション売上高:8.72億ドル(予想8.53億ドル)〇市場予想を上回った
●株式報酬:1.83億ドル(予想1.75億ドル)×市場予想より多かった
経営陣の主なコメント
●1Qは会社計画を上回る着地、並外れた強さを見せた四半期だった。ネットの新規ARRは前年同期比22%増の2.12億ドルで、1Qでは過去最高。期末時点のARRは36.5億ドルで前年比 33%増。サブスクリプション粗利益率は80%、フリーキャッシュフロー3.22億ドルでともに過去最高だった。当社は成長と収益性を実現している、唯一の大規模サイバーセキュリティ ベンダーであろう
●当社の強みはエンドポイント(末端の端末向け)向けに最適なアーキテクチャを構築したこと。業界で最も「軽量」(ソフトの動作が早い)で、センサーの追加設置が容易、AI実装、システム再起動不要などの特色を有する。異なるプラットフォームのつなぎ合わせによる「サイロ化」などはない
●CISA(米サイバーセキュリティ/社会基盤安全保障庁)によるマイクロソフトのセキュリティ面の調査結果(脆弱性対策を付記)を受け、当社に顧客の支援依頼が殺到した
●マイクロソフトのソフトウェアを使用する会社でサイバー攻撃を受けたFortune100にランクインする大手ヘルスケア企業とは百万ドル単位の契約を締結した
●ハイパースケーラー(巨大なデータセンターを運営するIT企業)が驚異的な成長を遂げ、エヌビディアが目を見張る成果を上げ続け、AI向けハードウェア支出がゴールドラッシュ状態にあるなか、クラウドストライクはセキュリティ分野のAI革命の「センター」にいる
●エヌビディアのジェンスン・ファンCEOは今期のクラウドストライク‐エヌビディアの戦略的コラボレーションの発表で「エヌビディアの高速コンピューティングと生成AI技術は、クラウドストライクのセキュリティと組み合わさることでサイバー攻撃の脅威が可視化され、ビジネスを保護できるようになろう」と述べた
クラウドストライク社プレスリリース(外部サイトに遷移します):https://www.crowdstrike.jp/press-releases/crowdstrike-nvidia-generative-ai-collaboration/
決算を受けたマーケットの反応
1Qの実績、2Q会社見通し、2025/1期通期見通し全て市場予想を上回る良好な決算でした。経営陣は自社の端末向けセキュリティ・プラットフォーム「ファルコン」の優位性を説明。好業績の理由を解説しました。
CISA(米サイバーセキュリティ/社会基盤安全保障庁)はマイクロソフトのソフトウェアの脆弱性を付記。社会的にAI活用が進むなかセキュリティ対策の必然性が高まります。そんななかクラウドストライクは、エヌビディアと戦略的コラボレーションを発表。同社サービスの信頼性はさらに高まると予想されます。セキュリティ分野、生成AI関連の「センター」銘柄として注目が集まる同社、株価の見通しも明るいと言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:401.57ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.80
同、相関チャート上位の同業はゼットスケーラー(ZS)、サービスナウ(NOW)、パロアルトネットワークス(PANW)、
最低投資金額:47,700円(6/4終値、1ドル156円換算)