先週の米国株式市場はナスダック総合指数が5/28に史上最高値を更新するも週間ベースでは反落。S&P500指数は小幅反落。NYダウは続落となりました。10年債利回りは4.4985％と小幅上昇。インフレ懸念が根強いなか、投資家の米政策金利の引き下げ観測もブレはじめているようです。加えて相場上昇を引っ張ってきたAI関連などの分野で息切れ感が見え始めたことなども影響しているようです。強欲指数は48/100と中立ゾーンも、50を下回りました。

今週は6日に欧州中央銀行（ECB）が政策金利の発表を行います。4月の会合では5会合連続で政策金利を据え置き。今回の会合では政策金利の引下げが実行されるか注目を集めそうです。週末金曜日には米雇用統計が発表されます。こちらも来週6/11〜12の米連邦公開市場委員会（FOMC）を控え重要なイベントとなりそうです。

エヌビディア（NVDA）が一身に市場の関心を集めているかのような、そんな錯覚に陥りそうな株式相場。現在は5/22に発表した1Qの好決算を折込みつつ6/10の分割待ち（6/7権利付き最終日）か。一方、半導体の関連銘柄物色から、生成AI全体に視野を拡大する動きもみられます。生成AI関連で次の打ち手が注目されるアップルは、来週月曜日から金曜日まで開発者会議（WWDC24）を開催予定です。

米国株式　エヌビディア（NVDA）の株式分割に伴う権利処理等についてのお知らせ

特集レポート　AI関連の物色は「電力株」にまで広がるのか！？

S&P500指数構成銘柄500社の動向は490社が決算を発表。売上高が市場予想を上回った企業が263社（53.8%）、調整後EPS（1株当たり利益）が市場予想を上回った企業は392社（80.5%）です（5/31時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ）。7/11にはペプシコ（PEP）を皮切りに2Qの決算発表が始まります。

クラウドストライク（CRWD）　6/4　引け後

世界のモダンエンドポイントセキュリティ市場においてシェアNo1の同社が掲げるミッションは「We Stop Breaches（データ侵犯を阻止する）」です。世界的にサイバー攻撃が拡大する中で、サイバーセキュリティへの需要が高まっています。同社のサービスプラットフォームは「クラウドストライク・ファルコン」で、次世代アンチウイルス、エンドポイントでの検知・対応、24時間365日体制のセキュリティエキスパートによる脅威ハンティングのサービスを提供しています。

3/5発表の4Q決算では4Qの売上高、利益が市場予想を上回りました。また1Qの売上高、利益見通しも市場予想を大きく上回り引け後の取引で株価は約23％の大幅高となりました。同社決算への警戒感が高かったことから、決算内容がポジティブ・サプライズとなったこと、攻撃側も生成AIを使用し攻撃速度がより高速化されるなか同社のクラウド対応のエンドポイント（使用者端末）向けサービスの優位性が評価されたようです。

今回の決算発表では、同業大手のパロアルトネットワークス（PANW）が発表した5/20の決算でやや期待外れだったこと、クラウドベースの顧客管理（CRM）大手のセールスフォース（CRM）の増収率が1桁台に落込み株価が急落したこと、などからクラウドストライクへの警戒感も高まります。足元の業績に加えて、2Q見通しやTAM（獲得可能最大市場規模）が拡大しているかなどが注目を集めそうです。決算発表時の予想株価変動率は9.99％（5/31時点）と高めとなっております。