先週は主要三指数が史上最高値圏に上昇し NYダウは40,000ドル大台に乗せて引けるという、印象的な一週間となりました。10年債利回りは小幅低下し4.4198％となりました。米国のインフレ鈍化傾向が政策金利の引き下げ観測を強めているようです。強欲指数は65/100まで上昇。投資家のセンチメントは強気に傾いています。

今週は月曜から地区連銀総裁が発言するイベントが多数予定されており、水曜日にはFOMC議事要旨の発表があります。先週末にはボウマン理事が「当面インフレの高止まりが続く、追加利上げもありうる」と発言。市場をけん制する動きも見られました。発言内容から金融政策の方向性が意識されそうです。また先行したインフレに終息の気配が見られる英国。水曜日には消費者物価指数が発表されます。英中銀が利下げに踏み切る判断材料として重視していると見られ、先行指標として注目されそうです。

個別株ではエヌビディアが現地水曜日引け後に1Q（2-4月）決算を発表予定。生成AI関連銘柄の本丸であり、決算内容や株価の動向は市場全体の方向性も左右しかねない、ビッグイベントとなりそうです。

S&P500指数構成銘柄500社の動向は466社が決算を発表。売上高が市場予想を上回った企業が254社（54.6%）、調整後EPS（1株当たり利益）が市場予想を上回った企業は368社（79.7%）です（5/17時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ）。

エヌビディア（NVDA）　5/22　引け後

同社はAIコンピューティングの世界トップ企業の一社。ChatGPTなど革命的なプラットフォームがサービスを開始するなかGAFAを筆頭に企業や各国政府がこぞってAI化に取組む。同社は半導体開発やAI向けのソリューションで業界をリード。米国上場の株式時価総額ではマイクロソフト（MSFT）、アップル（AAPL）に次ぐ3位となり、大きな存在感を放っています。

2/21発表の4Q決算発表では、足元急騰していた株価から期待が高すぎると一部警戒する声もありました。しかしふたを開けてみると11-1月期の売上高、調整後EPSは市場予想を大きく上回り、2-4月期売上高見通しや粗利益率見通しも市場予想を上回りました。株価は上昇トレンドを継続し3/8の史上最高値974ドルまで駆け上がりました。

今回の決算発表では、需要好調のAI向けプロセッサー「H200」の生産・供給動向、新しいアーキテクチャ『ブラックウェル』を採用した新型チップ「B200」などの性能詳細や価格、需要動向、個別企業向けのカスタムAIチップ支援などが注目を集めそうです。また1,000ドル大台に迫る同社株価。投資金額のハードルを下げる株式分割を行うか？なども気になるところです。