主要三指数は続伸。S&P500指数とナスダック総合指数は三週連続高。NYダウは四週連続高、営業日ベースでは23年12月以来の8連騰。3/21にマークした史上最高値、39,889ドルまで376ドルあまりとなりました。5/1のFOMC以降、年内利下げの可能性を改めて意識。長期債も買われ10年債利回りは4.49％台で取引されています。

1Qの決算発表が概ね一巡するなか、今週は15日に4月の米消費者物価指数（CPI）が発表されます。米国債相場の上昇が続くのか、流れを反転させるのか注目が集まります。金利動向はグロース株中心に株式市場への影響も大きいため、重要イベントと意識されます。

また個別ではグーグルが14日に「Google I/O 2024」を開催します（日本時間の15日午前2時）。グーグルのAIプラットフォームである「Gemini」に関する発表や、アップルとの提携などヒントを探る上でも注目のイベントと言えるでしょう。その前日には、グーグルのイベントに先んじてOpenAIがイベントを開催（日本時間14日午前2時）。ライブ配信を通じて製品アップデートを発表すると発表。マイクロソフト（MSFT）やアルファベットA（GOOGL）、エヌビディア（NVDA）などAI関連銘柄の動意材料となるか、必見のイベントと言えそうです。

S&P500指数構成銘柄500社の動向は459社が決算を発表。売上高が市場予想を上回った企業が249社（54.4%）、調整後EPS（1株当たり利益）が市場予想を上回った企業は361社（79.2%）です（5/10時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ）。決算発表も終盤戦ですが、今週はレポートをお届けするSBI証券の売買上位銘柄の決算発表予定はございません。来週22日には最注目銘柄の一社と言えるエヌビディア（NVDA）が1Q決算を発表予定です。

シスコ・システムズ（CSCO）　5/15　引け後

シスコ・システムズはネットワーク機器メーカー最大手の一角です。情報テクノロジーと企業向けのネットワークセキュリティー、ソフトウエア開発、データコラボレーション、クラウドコンピューティング、その他関連サービスなどを手掛けます。前回の2Q（11-1月）決算発表では3Q（2-4月）売上高会社見通しが121-123億ドルになると示し、市場予想の131億ドルを大きく下回りました。併せて従業員の5%規模の人員削減計画を発表。企業の支出抑制が厳しいことと同社が苦戦する様が報じられました。

今回の決算発表では、市場予想を大きく下回った売上高の着地点がどの程度になるか、ネットワーク事業やセキュリティ事業の動向などが注目を集めそうです。スプランク（SPLK）の買収を発表している同社。相乗効果から成長期待と短期的な逆風は株価に織り込んだとの指摘も見られます。決算発表が株価反転のきっかけとなるか注目です。

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ウォルマート（WMT）　5/16　寄り前

ウォルマートは世界最大級の小売企業です。前回発表の4Q（23/11〜24/1）の利益は市場予想を上回りました。消費者は買い物において選好色を強めているとみられますが、ウォルマート店舗の売上げは伸びました。また、スマートテレビメーカーの米ビジオ・ホールディングの買収で合意したことも発表。買収は広告部門「ウォルマートコネクト」の成長加速、同社とその広告主が顧客とのつながりの深化が狙いといいます。ウォルマートは高成長で利幅も大きい広告部門など非小売り事業を拡大しています。

1Q（2-4月）決算のポイントとしてはインフレによる利益率の低下や、消費者心理に陰りが見られる中売上高の伸びを維持できるか、期初であるため通期の見通し、またEコマース事業やAIの活用なども確認ポイントとなりそうです。