2Q(1-3月)決算速報(現地5/9寄り前発表)
同社はビットコインのマイニングを手がける企業です。米ジョージア州、ミシシッピ州などでデータセンターを独自に所有・運営します。同社はジョージア州について、税制や電力事情、労働力などから同事業を行う上で最適の州としています。
●決算発表当日の株価:16.59ドル(+1.34%)
●売上高:1.118億ドル、前年同期比+163%(予想1.049億ドル)〇市場予想を上回った
●予想比較調整後EPS:0.58ドル、前年同期は-0.23ドル(予想0.077ドル)〇市場予想を大きく上回った
決算発表当日のチャート
![](https://sbisec.akamaized.net/sbisec/images/media/2024/g_market_report_fo_america_er_20240510_CLSK_01_01.png)
決算のポイント
●調整後EBITDA:1.82億ドル、前年同期は0.13億ドル(予想0.544億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●現金/現金同等物:3.23億ドル(予想0.93億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●デジタル流動資産:3.58億ドル(予想1.79億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●資産総額:15.4億ドル(予想9.93億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●流動負債合計:0.55億ドル(予想0.44億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●直近のハッシュレート*は毎秒17エクサハッシュに達した
●取引終了後にワイオミング州のビットコイン・マイニング施設を1,875万ドル(約29億円)で買収すると発表。同施設は75メガ・ワットの発電能力を有し、完全稼働で毎秒4.2エクサハッシュの押上げ効果が見込めるという。また55メガ・ワットの拡張の可能性がある
*ハッシュレート:いわゆる採掘速度。ビットコインなど暗号資産をマイニングする際の計算力や採掘の速さを表したもの。ハッシュレートが高いということはそれだけ処理力が強いということになる。
経営陣の主なコメント
●当社のビットコイン生産量は堅調に推移。前四半期を上回り、業界で最も生産量の多い企業の 1 つとなった
●世界的にマイニング業者のハッシュレートが上昇している。しかし当社は世界的なハッシュレートを上回るペースで生産を拡大しており、生産能力は毎秒17エクサハッシュに達する。ジョージア州、ミシシッピ州のデータセンター8 か所とニューヨーク州北部に分散している
●ワイオミング州でビットコイン・マイニング施設を買収する。地理的なリスク分散を図り、成長目標を達成するための次のステップとする。24 年後半稼働を目標とする
●同施設については電力会社と協力。追加で55メガワットの拡張の可能性を探る。追加できれば合計 130 メガワットに拡大し、ハッシュレートは毎秒7.4エクサハッシュ押上げると予想
※カンファレンスコールは取引終了後に実施
決算を受けたマーケットの反応
世界的にマイニング業者の競争が高まるなか、同社首脳は経営力の差をアピール。引け後にはワイオミング州の暗号資産マイニング施設の買収を発表。地理的リスク分散や経営の安定、拡大に余念がない。同社の予想PERは24.98倍。同社株価も、他の暗号資産関連銘柄同様ビットコイン価格の影響を受けやすいものの、現在のPER水準であれば業績拡大が反映されやすい状況にあると言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:23.33ドル
アナリスト・レーティング:5段階評価の4.67
最低投資金額:2,600円(5/9終値、1ドル155円換算)