1Q(1-3月)決算速報(現地5/6引け後発表)
2003年に創業したビッグデータ分析などのソフトウェアを提供する企業です。米国のテロ対策当局や国防総省でも使用されている「Palantir Gotham(ゴッサム)」、組織のデータを一元的に扱うためのオペレーティングシステムを提供する「Palantir Foundry(ファウンドリー)」のプラットフォームを擁します。またAIを活用した新サービス「AIP(Palantir Artificial Intelligence Platform)」が3本目の柱に成長するかサービス内容を見極めたいところです。
●決算発表後の時間外取引(日本時間9:00時点):23.10ドル(-8.37%)
●売上高:6.34億ドル(予想6.16億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.08ドル(予想0.079ドル)△市場予想とほぼ一致した
●予想比較フリー・キャッシュフロー:1.49億ドル、前年同期比-21%
●4-6月期売上高見通し:6.49〜6.53億ドル(予想6.41億ドル)〇市場予想を上回った
●4-6月期調整後営業利益見通し:2.09〜2.13億ドル(予想1.99億ドル)〇市場予想を上回った
●24年12月期通期売上高見通し:26.8〜26.9億ドル、今までの26.5〜26.7億ドルから上方修正(予想26.8億ドル)〇中間値が市場予想を上回った
●24年12月期通期調整後営業利益見通し:8.68〜8.80億ドル、今までの8.34〜8.50億ドル以上から上方修正(予想8.47億ドル)〇市場予想を上回った
●24年12月期通期調整後フリーキャッシュフロー見通し:8.00〜10.00億ドルで据え置き
引け後の時間外取引のチャート
決算のポイント
●政府向け売上高:3.35億ドル(予想3.22億ドル)〇市場予想を上回った
●民間向け売上高:2.99億ドル(予想2.92億ドル)〇市場予想を上回った
●顧客数は前年同期比+41.7%の554社、(予想527.3社)〇市場予想を上回った
●米国の民間向けが好調。同売上高は前年同期比+40%、前四半期比+14%
●100万ドルを超える契約は87件成約、うち15件は1,000万ドル超
●6四半期連続でGAAPベースの黒字を達成した
●オラクルと提携を発表。グローバル・ベースで企業や政府向けのクラウドおよび AI ソリューションを提供
経営陣の主なコメント
●AIP*による契約と米国の民間部門が好調。売上高は前年同期比21%増の6.34億ドルとなった。
●新規顧客獲得にAIPの使用方法を説明する「ブートキャンプ」が有効。今四半期も多数開催。また契約に至るまでの期間短縮にも貢献した
●1Qは季節的に低調な四半期だが、今期は新規、既存問わずAIPの採用により契約が増加。米国民間で41社の新規顧客を獲得。米国最大の独立系ボトリング会社、大手エネルギー・インフラ企業や多国籍航空会社など多岐にわたった
●米国政府向けにも実績。米国陸軍から1.78億ドルを受注。TITAN**プログラムに基づく次世代ターゲティング・システムを展開する
*AIP(Artificial Intelligence Platform:人工知能を活用したプラットフォーム)
**TITAN(タクティカル・インテリジェンス・ターゲッティング・アクセス・ノード)は宇宙、空中、地上のセンサーから得られた標的情報を迅速に処理する地上局のプロトタイプを開発・製造。
決算を受けたマーケットの反応
売上高は市場予想を上回った。24年12月期通期の売上高、利益予想は上方修正と好調な決算発表だった。ただ引け後の取引で株価は約8.4%と下落。米国民間向けの売上高の伸び率が前回の4Q決算発表の+70%から+40%に「減速」したことなどが弱材料視された模様。ただ様々な事業においてAI化が進むなか、ロシア-ウクライナ問題、中東紛争などサイバーセキュリティに対するニーズは高まる一方と言えそうです。CEOのカープ氏は同社を「オンリーワン企業」とし「競争相手はいないと思う」としております。強弱感が対立しがちな同社。緩やかな上昇トレンドを形成する株価の勢いはしばらく続きそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:22.00ドル
アナリスト・レーティング:5段階評価の2.79
最低投資金額:3,900円(5/6終値、1ドル153円換算)