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1Q(12-2月期)決算速報(現地3/27寄り前発表)
同社はクルーズ客船会社。北米、欧州、南米、アジア太平洋などでクルーズ・サービスを提供。90 隻を超える船団で世界の 700 以上の観光地に寄港します。
●決算発表当日の株価:17.19ドル(+0.94%)
●売上高:54.1億ドル、前年同期比+22%(予想54.0億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●調整後EPS:-0.14ドル、前年同期は-0.55ドル(予想-0.17ドル)〇市場予想を上回った
●調整後*EBITDA:8.7億ドル、前年同期は3.8億ドル(予想8.2億ドル)〇市場予想を上回った
●稼働率:102%、前年同期は91%(予想103.0%)×市場予想を下回った
●2Q調整後*EBITDA見通し:10.5億ドル(予想10.3億ドル)△市場予想とほぼ一致した
●24/11月期通期調整後*EBITDA見通し:56.3億ドルに上方修正、修正前は56億ドル(予想56.4億ドル)△市場予想とほぼ一致した
*EBITDAは利払い前、税引き前、減価償却前の意
決算発表当日のチャート
決算のポイント
●売上高、予約金は1Qベースで最高、予約数は過去最高だった
●今年の予約枠残は既に少ないが、2025 年以降の需要が旺盛で予約量は過去最高に達した
●サービス価格は引上げているにも関わらず予約は好調。なかでも欧州が牽引した
●乗船客数は300万人、前年同期比+11%(予想:312万人)
●米ボルチモア港での橋崩落事故によって拠点港を一時的に変更する必要があるが、通期の調整後純利益への悪影響は最大1千万ドルにとどまると推定
●5年ぶりに新型クルーズ船を発注、引き渡しは2027年と2028年を予定
経営陣の主なコメント
●今年はすべり出し好調で1Qはネット・イールド(利用可能な下位寝台日数当たりの売上)、クルーズ・コストなど様々な指標で会社計画を上回った
●なかでも予約金は前年の記録を13億ドル上回った
●予約に関してはコロナ後の特需などではなく、当社のマーケティング戦略の効果とみている。様々なチャネルでクルーズ旅行に対して提案し、広範な需要を生み出してきたと考えている
●多くの新規顧客を獲得、リピーター数も底上げしており、結果全体的な需要が増加している
決算を受けたマーケットの反応
米ボルチモアの橋梁崩落事故や紅海紛争の影響など想定外のマイナス要因があったものの、24/11月期通期のEBITDA見通しを上方修正。また予約が過去最高水準など好調さが目を引く決算発表となりました。クルーズ運航コストの削減も進んでいるようです。同社は好調な顧客需要はコロナ後に蓄積された特需などではなく、マーケティングの成果と誇ります。次の決算発表ではサマー・ホリデーの動向や感謝祭商戦なども視野に入るため、注目度も高まりそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:21.35ドル
同、アナリスト・レーティングは5段階評価の4.46
同、相関チャート上位の同業はノルウェージャン クルーズ ライン(NCLH)、ロイヤル カリビアン クルーズ(RCL)
最低投資金額:2,600円(3/27終値、1ドル151円換算)