4Q(10-12月期)決算速報(現地2/15引け後発表)
米国を拠点に、世界的大手の暗号資産取引所を運営する企業です。2021年、NASDAQ市場で暗号資産交換業を行う会社として初の上場を果たしました。同社取引所は、約24.5万の協業企業と共に100カ国以上で展開しています(22.12末時点)。
●決算後の時間外取引(日本時間10:00時点):189.29ドル(+14.26%)
●売上高:9.54億ドル、前四半期は6.7億ドル(予想8.26億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後EPS:1.04ドル、前四半期は-0.01ドル(予想0.01ドル)〇市場予想を大きく上回った
●比較EBITDA:3.05億ドル、前四半期は1.81億ドル(予想2.51億ドル)〇市場予想を大きく上回った
売上高、調整後EPSとも市場予想を大きく上回りました。ビットコイン現物ETFが承認され注目の決算でしたが、予想外に黒字転換を果たしサプライズ。引け後の取引で株価は急伸しました。
引け後の時間外取引のチャート

決算のポイント
●取引収入:5.29億ドル、前年同期比+64.3%(予想:5.09億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●サブスク&サービス:3.75億ドル、前年同期比+32.8%(予想:3.81億ドル)×市場予想を下回った
●カストディアル・フィー(保管機関収入):0.197億ドル、前年同期比+72.8%(予想:0.25億ドル)×市場予想を下回った
●総取扱高:1,540億ドル、前年同期比+6.2%(予想:1,430億ドル)〇市場予想を上回った
●1-3月期サブスク&サービス見通し:4.10〜4.80億ドル(予想:3.67億ドル)〇市場予想を大きく上回った
経営陣の主なコメント
●23 年、当社はコストを前年比 45% 削減。無駄のないチームでより迅速に対応することができた。23 年の純利益は 9,500 万ドルの黒字。調整後 EBITDA は 9.64億ドルの黒字だった
●新たなライセンスを取得することで世界各国で取引商品を拡大した。2023 年はバミューダ、ブラジル、カナダ、フランス、シンガポール、スペインで事業を開始またはライセンス登録を行った
●機関投資家向けの金融商品を拡充するためコインベース・アセットマネジメントを立ち上げた。ETFでは11銘柄中8銘柄のカストディアンに選ばれた。ビットコイン ETFの承認において重要な役割を果たした
●現在、G20 諸国の大多数は暗号通貨関連法案をすでに可決しているか草案作成中である。これは大きな進歩と言えよう。米国では現在、超党派の強力な支持を得て2つの法案が議会を通過している
決算を受けたマーケットの反応
1月、ビットコイン現物ETFが当局の承認を得ました。これを受けて投資家の暗号資産売買ニーズが、同社プラットフォームを利用した取引からETFに移行するのでは!?との懸念がありましたが、決算発表でその懸念を払拭したようです。また、サブスク&サービス売上高が3.75億ドルと前年同期比+32.8%と大きく伸びました。相場変動などに左右されにくい収益源として安定的な経営に寄与しそうです。
同社の経営陣は、米国SECとの係争に関して「短期で解決か時間がかかろうが結果は同じだ」と係争の解決に自信を見せます。暗号資産に対する理解が深まるにつれて、同社株に対するセンチメントも好転しつつあるようで、株価の先行きも明るいと言えそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:143.55ドル
アナリスト・レーティング:5段階評価の2.96
最低投資金額:24,900円(2/15終値、1ドル150円換算)