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4Q(10-12月)決算速報(現地2/13寄り前発表)
100年以上の歴史をもつノンアルコール飲料の世界最大手。500以上のブランド、4,700種類以上の製品を展開し、炭酸飲料やジュース、コーヒー、ミネラルウォーター、スポーツドリンクなどを手がけています。61年に及ぶ連続増配を達成する同社。安定的な経営からバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが長年投資する企業としても注目されています。
●決算発表当日の株価:59.35ドル(-0.59%)
●調整後売上高:108.5億ドル(予想106.5億ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:0.49ドル(予想0.49ドル)△市場予想と一致した
●2024/12期通期調整後オーガニック売上成長見通し:6.0〜7.0%増(予想5.9%)〇市場予想を上回った
●2024/12期通期比較可能調整済EPS見通し:4.0〜5.0%増
決算発表当日のチャート

決算のポイント
●ユニットケース販売量:2.0%増(予想+2.11%)×市場予想を下回った
「ユニットケース」は全世界のコカ-コーラで使用される共通のケース単位(5.678リットル)
●調整後オーガニック売上成長:12.0%増(予想8.8%増)〇市場予想を大きく上回った
●調整後粗利益率:57.8%(予想57.2%)〇市場予想を上回った
●北米売上高:40.4億ドル(予想40.4億ドル)△市場予想と一致した
●欧州・中東・アフリカ売上高:17.2億ドル(予想16.1億ドル)〇市場予想を上回った
●アジア太平洋売上高:11.6億ドル(予想10.7億ドル)〇市場予想を上回った
●南米売上高:14.9億ドル(予想14.5億ドル)〇市場予想を上回った
経営陣の主なコメント
●インフレの影響や地政学的緊張などはあるものの、販売量の拡大は続いている。4Qはオーストラリア、インド、ラテンアメリカ、日本、韓国において強い需要が見られた
●注目すべきはほぼすべての市場でインフレが緩和または安定しつつあることだ
●デジタル化を推し進めるべく「スタジオX」を立ち上げた。以前のモデルではテレビ広告の作成に数ヵ月かかったが、現在は状況に応じた何千ものデジタル コンテンツを作成。結果をリアルタイムで測定可能になった
●資本政策に関しては61 年連続増配を続けてきたように、当社は配当を増やすことを重要な優先事項としている
●自社株買いの残枠は60億ドルある
●粗利益率は前年同期比で140bps改善された。自然な売上高の成長が原動力となったが、為替や原料コストが嵩み相殺された
●ベトナム、カンボジアのボトラーのフランチャイズの見直しが構造的に利益率改善の追い風となった
決算を受けたマーケットの反応
調整後オーガニック売上成長(買収などを含まない自立的な伸び)が12.0%増と市場予想の8.8%増を大きく上回った点が目を引く決算でした。またデジタル化の進展に引き続き注力。AIを活用した販売分析や宣伝広告への活用で従来獲得出来なかった層の顧客獲得の実績を得ているようです。同社の高いブランドイメージを有効活用するAI戦略は注目に値しそうです。
また経営陣はカンファレンスコールで連続増配を重要視していることにも言及。堅調な業績を支えに増配記録の伸びも期待できそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:65.20ドル
アナリスト・レーティングは5段階評価の4.48
税前配当利回り3.10%
最低投資金額:8,910円(2/13終値、1ドル150円換算)