4Q(10-12月)決算速報(現地2/6寄り前発表)
医薬品製造事業を展開する世界的大手企業。糖尿病治療薬のマンジャロや肥満治療薬のゼップバウンドが売上高拡大をけん引。将来、世界的に需要が拡大するとの期待から投資家の熱い視線を集めます。
●決算発表当日の株価:705.03ドル(-0.17%)
●売上高:93.5億ドル、前年同期比+28%(予想89.6億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●調整後EPS:2.49ドル、前年同期は2.09ドル(予想2.18ドル)〇市場予想を上回った
●粗利益率:80.9%、前年同期は78.8%(予想80.1%)〇市場予想を上回った
●24年12月期通期売上高見通し:404.0〜416.0億ドル(予想395.2億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●24年12月期通期調整後EPS見通し:12.2〜12.7ドル(予想12.56ドル)〇中間値が市場予想を上回った
4Qの売上高や調整後EPSなどの実績値に加えて、24年12月期通期の売上高、調整後EPS見通しも市場予想を上回りました。非常に良好な決算でしたが材料出尽くし感から株価は小反落となりました
決算発表当日のチャート
決算のポイント
個別医薬品売上高
●マンジャロ(糖尿病治療薬)売上高:22.1億ドル、前年同期比+690%(予想17.5億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●ゼップバウンド(肥満症治療薬)売上高:1.76億ドル、前年同期比較無し(予想1.41億ドル)〇市場予想を大きく上回った
●トルリシティ(2型糖尿病治療薬)売上高:16.7億ドル、前年同期比-14%(予想17.4億ドル)×市場予想を下回った
●ベージニオ(抗悪性腫瘍剤/乳がん向けなど)売上高:11.5億ドル、前年同期比+42%(予想11.8億ドル)△市場予想とほぼ一致
その他のポイント
●研究開発(R&D)費用:25.6億ドル、前年同期比+28%(予想23.9億ドル)
●24年の売上高は主に新製品によって牽引されよう、ただしトルリシティの売上は引き続き減少が予想され部分的に相殺される
●ゼップバウンドはFDAにより肥満治療薬として承認を受けた
経営陣の主なコメント
●アメリカではインディアナ州など二拠点の生産能力拡大、ヨーロッパではドイツで製造拠点の建設を行う。糖尿病や肥満治療薬を含む、当社の世界的な注射剤製品およびデバイスの製造ネットワークを拡大する
●この 1 年、当社は革新的な新薬を患者に提供。アメリカおよびEUでゼップバウンドなど複数薬品の承認を得た
●ベージニオは、堅調な需要の伸びと販売価格の上昇により売上は42% 増。早期の乳がん適応症と転移適応症における安定した治験が評価されている
●12/5、アメリカの薬局でゼップバウンドが入手可能になった
●6年連続で増配を実施、4Qは10億ドルを支払った
決算を受けたマーケットの反応
同社の株価は史上最高値を更新中で、年初からの上昇率も21%に達します。決算発表後の株価は好決算にもかかわらず目先材料出尽くし感から一服となりました。
同社は糖尿病治療薬のマンジャロや肥満治療薬として承認をうけたゼップバウンドなどの売上高が急拡大しております。生産能力の拡大にも注力。肥満治療向けに適正な使用を喚起する同社。治療には継続的な使用が必要とみられる同薬は、適正な処方により販売拡大余地は大きいとみられます。株価の上値余地も期待できそうです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:688.07ドル
アナリスト・レーティング:5段階評価の4.34
最低投資金額:10,500円(2/6終値、1ドル148円換算)