ナスダック指数の21年11月高値16,212ポイントからの半値戻しに加えて、S&P500指数も昨年10月安値から20%超上昇し、いよいよ強気相場入りか。市場のセンチメントは強気に傾いております。エヌビディア(NVDA)が史上最高値圏で強張るなか、アップル(AAPL)がMRヘッドセットの「ビジョン・プロ」を発表、テスラ(TSLA)が米国でのEV普及促進政策の一環としてモデル3が税額控除の対象となり11連騰するなど個人投資家に人気の銘柄が活況を呈しております。
今週はFOMC。政策金利は5~5.25%のレンジ据置きとの予想が大勢です。また15~16日には日銀も政策決定会合を行います。YCCは継続、政策に大きな変更はないと予想され、マーケットには資金供給が継続される見通し。緩和的な金融政策も市場参加者の強気を後押ししそうです。
これまでに決算発表を行ったS&P500指数構成銘柄498社の動向をみると、売上高が市場予想を上回った企業は335社(67.4%)、調整後EPS(1株当たり利益)が市場予想を上回った企業は388社(77.1%)となっています(6/9時点、Bloombergのデータより、SBI証券調べ)。
オラクル(ORCL) 6/12 引け後
4Q(3-5月期)決算を発表予定。アマゾン、マイクロソフト、グーグルの三大クラウドを追撃する同社。医療・ヘルスケア向け情報システムを手掛けるCerner(サーナー)を傘下に収め、ヘルスケア向けが売上を牽引するとみられます。また6/10にはAIスタートアップのカナダ企業「コヒア」に、エヌビディアなどと資本参加が報じられました。今回は4Qの本決算発表。23年会社計画と、AIの見通しなどに注目が集まりそうです。
アドビ(ADBE) 6/15 引け後
2Q(3-5月期)決算を発表予定。3/15発表の1Q決算では早速、23年通期の調整後EPS見通しを上方修正しました。デジタル・クリエイター向けに支持を集める同社。3月下旬には生成AI向けのサービス「アドビ・ファイヤーフライ」を発表。最初の1か月で7,000万枚以上の画像を生成し、同社史上で最も成功したベータ版の一つとしております。6/11付けのバロンズでも同社をAIの巨大事業化を狙うとし、インタビュー記事を紹介。AIで存在感を示す同社の決算発表も注目を集めそうです。
主要企業の四半期決算発表予定(6/12〜6/29)
発表予定 (現地時間) |
ティッカー | 銘柄名 | 株価(6/9) (ドル) |
目標株価 (ドル) |
目標株価 との乖離 |
決算発表時の 予想株価変動率 |
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06/12 | 引け後 | ORCL | オラクル | 109.85 | 111.53 | 1.5% | 3.2% |
06/15 | 引け後 | ADBE | アドビ | 454.00 | 435.64 | -4.0% | 3.4% |
06/20 | 引け後 | FDX | フェデックス | 223.76 | 251.66 | 12.5% | 5.8% |
06/22 | 寄り前 | ACN | アクセンチュア | 308.72 | 316.32 | 2.5% | 3.9% |
06/23 | - | CCL | カーニバル | 13.09 | 12.12 | -7.4% | 4.4% |
06/27 | 寄り前 | WBA | ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス | 31.42 | 40.25 | 28.1% | 4.8% |
06/29 | 引け後 | NKE | ナイキ | 105.86 | 134.20 | 26.8% | 6.8% |
※Bloombergのデータを基にSBI証券が作成。
※上記「主要企業」とはS&P100指数に採用されている企業に当社内売買代金上位銘柄30社(2022/10/1〜2023/3/31)を加えたものを指します。
※「目標株価」は、Bloombergが集計した各アナリストの目標株価の平均値です。「銘柄名」はBloombergのデータを用いて表示しているため、当社WEBサイト上の表記と異なることがあります(銘柄検索の際は「ティッカー」をご利用ください)。Bloomberg上にデータがないものなどは「-」と表示しています。
※23/4より表記項目を変更しました(予想売上高、予想EPSを除外、目標株価との乖離、決算発表時の予想株価変動率を追加)。
※目標株価との乖離は、ブルームバーグの平均目標株価と現在値の乖離率を表示しています。
※決算発表時の株価変動率は、決算発表日の予想株価変動率をオプションの動向から算出します。ただし変動率は上昇/下落の別は示しません。
※決算予定日はあくまで作成日時点の予定・推定日であり、予告なく変更される場合があります。