決算速報(現地8/9寄り前発表)
●決算発表当日の株価:447.23ドル(+14.97%)
●売上高:53.1億ユーロ(予想35.0億ユーロ)〇市場予想を上回った
●営業利益:42.0億ユーロ(予想29.5億ユーロ)〇市場予想を上回った
●2021/12期通期新型コロナワクチン売上高見通し:従来予想の約124億ユーロから約159億ユーロへと引き上げた
2021/12期通期の業績見通しが引き上げられたことや、3回目の「ブースター」接種への期待などから株価は10%を超える大幅高となりました。
決算発表当日のチャート
決算のポイント
●4-6月期の売上高が市場予想を大きく上回りました。
●年間の新型コロナワクチンの売上高見通しが引き上げられました。
●新型コロナワクチンの収益を用いて、新型コロナワクチン以外のパイプライン(新薬候補)の開発を進めるとしています。
経営陣の主なコメント
●今年は22億回分、来年については10億回分の新型コロナワクチンの販売契約を締結している。
●今年の新型コロナワクチン製造能力は30億回分、来年は最大40億回分になる。
●インフルエンザワクチンの臨床試験は7-9月期に開始される予定。
●マラリアワクチンについては2022年末までに臨床試験を開始する予定。
●がんの領域でも進展があり、15のパイプラインについて開発が進められている。
●3回目の接種については当局と話し合いを続けている。
●今のところ変異株に対応させるために、ワクチンを修正する必要はないと考えている。
●現在のワクチンを3回打つ方法が全ての変異株に対して高い有効性を持つと考えているが、新型コロナの「デルタ変異株」に特化したワクチンの臨床試験も計画している。
決算を受けたマーケットの反応
市場予想を大きく上回る決算発表を受け、株価は大幅高となりました。
寄り前に決算発表が行われた直後から買いが優勢となりましたが、通常取引時間でも右肩上がりの展開となり、上値を伸ばしました。4-6月期の売上高などが市場予想を大きく上回ったことや、通期業績見通しが引き上げられたことのほか、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長が3回目の接種について支持しているといった報道が流れていたことも追い風となった模様です。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:211.83ドル(8/9時点)