決算速報(現地5/10寄り前発表)
●決算発表当日の株価:202.35ドル(+10.15%)
●売上高:20.5億ユーロ(予想19.5億ユーロ)〇市場予想を上回った
●営業利益:16.6億ユーロ(予想9.0億ユーロ)〇市場予想を上回った
●2021/12期通期新型コロナワクチン売上高見通し:従来予想の約98億ユーロから約124億ユーロへと引き上げた
新型コロナワクチンの売上高見通しが引き上げられたことを受け、株価は10%を超える急騰となりました。
決算発表当日のチャート
※出所:BloombergのデータよりSBI証券作成
決算のポイント
●年間の新型コロナワクチンの売上高見通しが引き上げられました。
●2021年中に最大3つのパイプライン(新薬候補)についてフェーズ2に進む可能性があるとしました。
●決算発表とは別ですが、引け後に同社の新型コロナワクチンについて米国で12歳から15歳の年齢も接種が可能になったと報じられました(時間外取引の株価:+3.29%、日本時間9:00時点)。
経営陣の主なコメント
●2021年末には、新型コロナワクチンの年間生産能力は30億回分に達する見込み。
●新型コロナワクチンが利用できる対象を増やすための複数の臨床試験が進んでいる(引け後に米国で12歳から15歳の年齢も接種が可能となったと報じられました)。
●現時点で変異種に対して現在の新型コロナワクチンが効かなくなる証拠はないが、それにもかかわらず、当社は将来的に必要になる可能性も考慮し複数の手段を検討している。
●他社のワクチンを含め、今後9〜12ヵ月で十分なワクチンは生産されると考える。そのため、特許適用除外の必要は全くない。
決算を受けたマーケットの反応
新型コロナワクチンの売上高見通しの引き上げをマーケットは好感し、株価は大幅高となりました。
寄り付き後は一旦売りに押され前日終値近辺まで値を下げる場面もありましたが、ほぼ日中の高値で引けました。また、引け後に米国で新型コロナワクチンの接種対象年齢が拡大されたと報じられると時間外取引で一段高となりました。
一部アナリストからは「新型コロナのワクチンはmRNA技術を利用したものが主流になりそうだ」といったコメントもあり、どうやらマーケットは同社が新型コロナワクチンの開発競争で勝者となりつつあると認識し始めているようです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:148.38ドル(5/10時点)