決算速報(現地8/5寄り前発表)
●決算発表当日の株価:75.80ドル(-3.39%)
●売上高:6,635万ドル(予想2,751万ドル)〇市場予想を上回った
●調整後EPS:-0.31ドル(予想-0.33ドル)〇市場予想よりも良好な結果
決算発表後のカンファレンスコールで新型コロナ向けワクチンの提供価格を当初は低く設定すると発言したことや、前日に競合するノババックス(NVAX)が開発中のワクチンについて良好なデータを発表していたことなどが重しとなり、株価は売りに押されました。
決算発表当日を含む、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地8/5までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●新型コロナ向けワクチンについて、各国から約4億ドルの前金を受け取っているとの発表がありました。
●現金および現金同等物の残高は31億ドルとなりました。
●ワクチン候補「mRNA-1273」の第3相試験について治験者の登録は9月に完了予定としています。
経営陣の主なコメント
●新型コロナ向けワクチンはパンデミックの最中は「その『価値』を大きく下回る価格」で提供する。
●ワクチン1本当たりの価格は政府との契約で数量が少ない場合32〜37ドルとなり、数量が多い場合はさらに低価格で提供することについて現在交渉を行っている。
決算を受けたマーケットの反応
前日に競合するノババックス(NVAX)が新型コロナ向けワクチンの良好なデータを発表しているなか、4億ドルの前金を受け取っているとのコメントはあったものの、目新しい材料がでなかったことが株価の重しとなったようです。
一部マーケット関係者の間では、ジョンソン & ジョンソン(JNJ)などがワクチン候補を米政府と1億回分供給することで合意したように、実際のそうした供給契約が発表されるのではとの期待もあったようです。しかしながら、決算発表後のカンファレンスコールではパンデミック中は価格を抑えて提供するなどといったコメントがあったのみとなり、目先の収益化の見通しについて具体的な材料が出なかったため、利益確定の売りが優勢となったようです。
Bloombergがまとめたアナリストの目標株価平均:89.50ドル(8/5時点)