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2020-07-04 18:55:35

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アメリカNOW! 今週の5銘柄 〜感染第2波への懸念と経済指標の改善が綱引きか!?〜

2020/6/15
投資情報部 榮 聡

先週はFOMCの慎重な経済見通しが市場の楽観にブレーキをかけ、さらに米国でCOVID-19の新規感染者数が増加傾向にあることが気にされて大幅な反落となりました。今週はCOVID-19の新規感染者数の状況、パウエルFRB議長の議会証言、米中の経済指標などが注目されます。

今回は先週号に続いて景気敏感株のスクリーニングから、ゼネラルモーターズ(GM)ゼネラルエレクトリック(GE)スターバックス(SBUX)JPモルガンチェース(JPM)ターゲット(TGT)を選んで今週の5銘柄といたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 1週 1ヵ月 3ヵ月
情報技術 -2.0% 6.4% 18.2%
通信サービス -2.8% 4.6% 14.2%
一般消費財・サービス -3.2% 7.9% 25.0%
生活必需品 -4.1% 0.9% 1.7%
不動産 -4.2% 14.6% 0.8%
公益事業 -4.3% 6.7% 1.9%
S&P500 -4.8% 6.2% 12.2%
ヘルスケア -5.5% -2.8% 7.6%
素材 -8.0% 7.8% 18.7%
資本財・サービス -8.0% 15.5% 9.6%
金融 -9.3% 13.1% 3.4%
エネルギー -11.1% 9.9% 24.0%
騰落率上位(1週) 騰落率
アドビ 3.5%
アマゾン・ドット・コム 2.5%
アップル 2.2%
セールスフォース・ドットコム 0.7%
コルゲート・パルモリーブ 0.5%
騰落率下位(1週) 騰落率
サイモン・プロパティー・グループ -14.2%
シュルンベルジェ -13.6%
フォード・モーター -12.0%
バンク・オブ・アメリカ -11.8%
ウェルズ・ファーゴ -11.7%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

8日(月)は前週までの上昇の勢いが残って大幅上昇となりました。しかし、10日(水)にFOMC後の会見でパウエルFRB議長が「ゼロ金利は22年末まで維持される計画」としたことから、経済の回復に関して楽観に傾いていた市場にブレーキをかけました。

さらに、11日(木)にはカリフォルニア、テキサス、フロリダなどでCOVID-19の日々の新規感染者数が累計感染者数の2%を超え、感染第2波に対する懸念が台頭してS&P500指数は5.9%の下落となりました。S&P500指数の下落率が5%を超えたのは、3/18(水)以来です。S&P500指数は週間で4.8%の大幅な反落となりました。

業種指数では、COVID-19の感染第2波への懸念を受けて、2週連続で物色が鮮明となっていた「エネルギー」「金融」「資本財・サービス」などの景気敏感業種が大幅に反落しました。一方、COVID-19の打撃が小さい銘柄を含む「情報技術」「通信サービス」の値下がりは相対的に小さくなっています。

個別銘柄では、6/11(木)に3-5月期決算を発表したアドビ(ADBE)が上昇しています。顧客にはCOVID-19の打撃が大きい中小零細企業も多く、6-8月期の業績ガイダンスは売上・EPSとも市場予想を下回りました。しかし、社会のデジタル化に貢献するインフラ企業として物色が続いたようです。

経済指標では、6月ミシガン大学消費者マインドの速報値が78.9と5月の72.3から改善、市場予想の75.0も上回りました。

今週の米国株式市場

今週はCOVID-19の感染者数の状況、パウエルFRB議長の議会証言、米中の経済指標などが注目されます。また、6/19(金)には株価指数先物、株価指数オプション、個別株オプションの清算日が重複する四半期に一度のトリプルウィッチングを迎えます。

COVID-19の新規感染者数は、カリフォルニア、テキサス、フロリダなどで経済再開後の増加が目立ってきています。米国全体でも6/13(土)までの7日平均で2万千人台と、6/6(土)の同2万人台からやや増加となっています(図表3)。再び経済活動の制限に追い込まれる州がないか注意が必要でしょう。

また、世界の新規感染者数は、ブラジル、インド、ロシアなど新興国での増加が響いて5月初に8万人前後、6月初に11万人前後、6/13(土)に13万人近くと増加傾向です。こちらにも目を配っておく必要があるでしょう。

パウエルFRB議長による半期に一度の議会証言では、これまでに打ち出した経済支援策がどのような効果をもたらしつつあるのか、また、経済回復がどのような経路をたどると考えているかなどが注目されます。

S&P500指数の予想PERは、21年予想EPSに対して18倍を超えており、依然としてリスク要因の浮上に対して株価は脆弱とみられます。一方、FRBによる大規模な資産買い入れが金余りの状態を生んでいると言われ、リスク資産の価格を押し上げやすい状況が継続しているとみられます。

経済指標では、6/15(月)に中国の鉱工業生産(前月の前年比3.9%増から同5.0%増へ改善の予想)、小売売上高(前月の同7.5%減から同2.3%減へ改善の予想)、固定資産投資(前月の同10.3%減から同6.0%減に改善の予想)、6/16(火)に米国の5月小売売上高(前月比8.0%増の予想)、6/17(水)に米国の5月住宅着工・建設許可件数(着工件数は前月比23.5%増、建設許可件数は同17.3%増の予想)などの発表が予定されています。

重要経済指標に関しては、いずれも前月から改善の方向が示される見通しで、相場の下支えになることが期待されます。

企業決算では、オラクル、レナー、クローガーの3-5月期決算発表が予定されています。

今週の5銘柄

COVID-19の感染第2波への懸念が浮上していることから、物色は景気敏感株とCOVID-19の打撃が小さい銘柄群の間で気迷いとなることが想定されます。経済活動の幅広い再制限には至らないことを前提に、今回は先週号に続いて景気敏感株のスクリーニングを行いました。

S&P100指数採用銘柄のうち「資本財・サービス」「一般消費財・サービス」「金融」に属する37銘柄について、6/11(木)の株価とアナリストの目標株価平均の乖離が10%以上で、来期の予想EPS増加率が30%以上の銘柄を図表4に抽出しました。

ここから、ゼネラルモーターズ(GM)、ゼネラルエレクトリック(GE)、スターバックス(SBUX)、JPモルガンチェース(JPM)、ターゲット(TGT)を選んで今週の5銘柄といたします。

なお、先週取り上げていたアマゾンドットコムは、アナリストの目標株価との乖離が10%未満でスクリーニングからもれたため、ターゲットに入れ替えました。

図表3  米国のCOVID-19は感染第2波到来か!?

注:米国の新規感染者数の7日移動平均です。
※WHOデータをもとにSBI証券が作成

図表4  景気敏感株のスクリーニング(S&P100指数対象)

コード 銘柄 株価
(6/11)
(ドル)
予想
PER
(倍)
目標株価
(ドル)
目標株価
乖離率
(%)
予想EPS
今期
(ドル)
予想EPS
来期
(ドル)
EPS増加率
来期/今期
(%)
GM ゼネラル・モーターズ 26.50 32.5 34.12 28.7 0.82 3.23 295.7
GE ゼネラル・エレクトリック 6.95 63.8 8.31 19.6 0.11 0.39 253.2
WFC ウェルズ・ファーゴ 26.79 27.3 31.52 17.7 0.98 2.58 163.1
SBUX スターバックス 72.57 70.6 80.48 10.9 1.03 2.67 159.4
C シティグループ 48.39 17.4 63.25 30.7 2.78 6.16 122.1
JPM JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 97.21 19.9 108.83 12.0 4.89 8.56 75.2
AIG アメリカン・インターナショナル・グループ 31.61 11.5 38.07 20.4 2.76 4.56 65.4
BAC バンク・オブ・アメリカ 23.93 17.1 27.38 14.4 1.40 2.23 59.8
GS ゴールドマン・サックス・グループ 194.13 14.1 222.12 14.4 13.73 21.70 58.1
USB USバンコープ 36.14 17.1 42.17 16.7 2.11 3.09 46.3
TGT ターゲット 118.01 23.3 129.79 10.0 5.07 6.70 32.3
RTX レイセオン・テクノロジーズ 62.85 21.6 73.31 16.6 2.91 3.84 31.8

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

買付 チャート 銘柄 株価
(6/12)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートゼネラル モーターズ(GM)27.96ドル34.1

【自動車は景気敏感な耐久消費財の代表格】

・経済状況によって購入のタイミングが前後する耐久消費財は、景気回復への信頼感が高まる局面で物色されやすいグループと考えられます。その中でも金額が大きい自動車は代表的なものです。米国の自動車販売台数は今年2月までの年率換算17百万台前後から、3〜5月の平均は10.7百万台まで落ち込んでいますが、今後は回復が見込まれます。

・1-3月期の決算は売上が前年同期比6%減、調整後EBITが同46%減でした。北米の売上は同7%減でしたが、利益率が高いピックアップトラックの販売が増えて調整後EBITは同16%増となり、海外部門の落ち込みを一部相殺しました。北米の販売台数シェアは上昇基調が続いており、19年1-3月期の16.2%から17.3%に改善しています。3月末の流動性は334億ドルと十分とみられます。

買付チャートゼネラル エレクトリック(GE)7.25ドル65.9

【航空機エンジンがカギ】

・19年の産業部門利益で65%を占め、航空機エンジンを製造する航空部門がCOVID-19のパンデミックによる航空需要の減退で甚大なダメージを受けると見込まれています。一方、先週は米国の航空各社が運航便数の増加を発表したことが刺激材料となって、ボーイングとともに株価が反発しています。パンデミックが収まり、航空需要が順調に回復するなら、株価に戻り余地があるとみられます。

・1-3月期決算は、ヘルスケアの利益が前年同期比15%増となったものの、電力、再生エネルギー、航空とも同減益となり、産業部門の利益は同42%減でした。注目の航空部門は売上が前年同期比13%減、部門利益が同39%減、受注が同14%減となっています。キャッシュフローは、22億ドルのマイナスとなり、COVID-19によるパンデミックが約10億ドルのマイナスに寄与したとしています。

買付チャートスターバックス(SBUX)76.38ドル28.7

【店舗閉鎖で打撃も、先行きの完全回復は可能と】

・COVID-19のパンデミックにより各地で店舗を閉鎖したことから、打撃が大きくでた企業の一つです。一方、先行きについて会社は、中国事業での経験をもとに考えると、時間の経過とともに完全な回復は可能としています。

・1-3月期はアジアと欧州での店舗閉鎖が響いてグローバルの既存店売上が前年同期比10%減(米州が同3%減、海外が同31%減)となり、売上が同8%減、営業利益が同43%減でした。業績見通しについて、米国は不確定要因が大きいとして示されませんでしたが、中国の既存店売上に関して4-6月期は前年同期比マイナス35〜マイナス25%、7-9月期は同マイナス10〜0%が見込めるとしています。

買付チャートJPモルガン チェース(JPM)99.87ドル20.4

【高水準の引当金積み増しが続くが、4-6月期が底の見込み】

・COVID-19によるパンデミックを受けて高水準の信用コストが発生している上、金利の低下により金利収入も減少して、収益が大幅に悪化した状態が続くと見込まれます。ただ、利益の底は4-6月期と見込まれ、その後はパンデミックが終息すれば回復が期待されます。

・1-3月期は、企業向け、消費者向けともに貸し倒れが増えることに備えて貸倒引当金を68億ドル積み増しました。これを含む信用コストは83億ドルと前年同期の15億ドルから大幅増となって、純利益は前年同期比68%減でした。ダイモンCEOは4-6月期も貸倒引当金は約70億ドルになるだろうとしています。また、通年の純金利収入は約555億ドルで、570億ドル以上とした従来見通しを引き下げています。一方、自己資本比率(CET1比率)は11.5%を確保、1兆ドル以上の流動性リソースがあり、財務的な体力は十分としています。

買付チャートターゲット(TGT)116.90ドル23.0

【COVID-19下でも市場シェアの拡大が続く】

・19年1月期まで3期連続で営業減益と不振が続いていましたが、2017年に始めた店舗イメージやサプライチェーンへの投資の効果が出てきて業績は回復基調にあります。2-4月期もコアの商品カテゴリー5つすべてで市場シェアの拡大が続いているとしています。COVID-19による購買行動の変化は利益にプラスになっていませんが、終息とともに利益は回復が期待されます。

・2-4月期決算は、既存店売上が前年同期比10.8%増(店舗は同0.9%増、ネット通販が同141%増)となって売上は同11%増となるも、COVID-19による購買行動の変化から粗利率が同4.5%ポイント縮小して、営業利益は同59%減となりました。21年1月期の市場予想は売上が前年比6%増、EPSが同21%減が見込まれています。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。スターバックスは21年9月期、その他は20年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
15(月) ・中国鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(5月
・中国新築住宅価格(5月)
・中国調査失業率(5月)
・ニューヨーク連銀製造業景気指数(6月)
 
16(火) ・日銀金融政策
・ZEW景気期待指数(6月)
・パウエルFRB議長の議会証言
(上院銀行、住宅、都市問題委員会)
・米小売売上高(5月)
・米鉱工業生産(5月)
・米NAHB住宅市場指数(6月)
オラクル、レナー
17(水) ・EU27ヵ国新車登録台数(5月)
・パウエルFRB議長議会証言
(下院金融サービス委員会)

・米住宅着工・建設許可件数(5月)
エピックゲームズ(未上場)がFortniteのシーズン3を開始
18(木) ・フィラデルフィア連銀景気指数(6月)
・米新規失業保険申請件数(6月13日に終わる週)
エレクトロニックアーツが「EA Play Live」のイベントを開催
クローガー
19(金) ・米先物オプション清算日(トリプルウィッチング) カーニバル(E)
22(月) ・ユーロ圏消費者信頼感(6月)
・シカゴ連銀全米活動指数(5月)
・米中古住宅販売件数(5月)
 
23(火) ・じぶん銀行日本製造業PMI(6月)
・マークイットユーロ圏製造業PMI(6月)
・マークイット米製造業PMI(6月)
・米新築住宅販売件数(5月)
 
24(水) ・G7サミット(12日まで、米フロリダ州)
・ドイツIFO企業景況感(6月)
・米耐久財受注(5月)
 
25(木) ・米実質GDP(1-3月期、確報値)
・米新規失業保険申請件数(6月20日に終わる週)
アクセンチュア
26(金) ・米個人所得・個人支出(5月)
・米PCEコアデフレータ(5月)
・ミシガン大学消費者マインド(6月、確報値)
 

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1〜30位、青字のハイライトは31〜50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

免責事項・注意事項

  • 本資料は投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたもので、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。万一、本資料に基づいてお客さまが損害を被ったとしても当社及び情報発信元は一切その責任を負うものではありません。本資料は著作権によって保護されており、無断で転用、複製又は販売等を行うことは固く禁じます。

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