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2020-10-26 22:30:37

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アメリカNOW! 今週の5銘柄 〜欧米の新型コロナウイルスによるインパクトは中国より大きい!?〜

2020/4/6
投資情報部 榮 聡

先週は米国の新型コロナウイルスによる死者数が10〜20万人に達するとの専門家の見通しで事態の深刻さが再認識されて反落となりました。今週も米国での感染拡大を見守るほか、原油価格に影響を与える可能性のある「OPECプラス」の会合、新規失業保険申請件数、消費者マインドなどの経済指標が注目されます。

今回は市場環境に大きな変化がなかったことから、先週掲載したユナイテッド パーセル サービス B(UPS)オラクル(ORCL)インテル(INTC)アマゾン ドットコム(AMZN)ネットフリックス(NFLX)を継続して今週の5銘柄といたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 1週 1ヵ月 3ヵ月
エネルギー 5.4% -28.1% -50.4%
生活必需品 3.5% -10.0% -11.4%
ヘルスケア 2.0% -10.5% -14.9%
通信サービス -1.4% -14.8% -22.3%
情報技術 -2.0% -13.0% -16.6%
S&P500 -2.1% -16.3% -23.3%
素材 -3.8% -20.0% -28.2%
資本財・サービス -4.5% -21.8% -31.9%
一般消費財・サービス -4.7% -17.1% -24.2%
不動産 -6.2% -23.7% -24.0%
金融 -6.8% -22.9% -36.1%
公益事業 -7.1% -22.4% -19.1%
騰落率上位(1週) 騰落率
コノコフィリップス 12.5%
オキシデンタル・ペトロリアム 12.0%
シェブロン 9.2%
ウォルマート 9.0%
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) 8.9%
騰落率下位(1週) 騰落率
キャピタル・ワン・ファイナンシャル -23.6%
ボーイング -23.1%
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) -19.8%
サイモン・プロパティー・グループ -19.7%
フォード・モーター -18.3%

注:個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

1日(水)は感染症の専門家が米国の死者数が急増する見通しを示し、トランプ大統領も「非常に厳しい2週間が待ち受けている」としたことなどを受けて4.4%下落しました。2日(木)はトランプ大統領が「サウジアラビアとロシアが日量1,000万バレルの減産で合意の見通し」と語ったことから原油価格が上昇して「エネルギー」業種がけん引して反発、3日(金)は低調な経済指標を受けて反落しました。S&P500指数は週間で2.1%の下落でした。

業種指数騰落率は、原油価格(WTI先物価格)が1バレル20ドル台前半から後半に上昇したことを受けて「エネルギー」が上昇しました。中国が原油の国家備蓄を積み増す意向が報道されたほか、今週予定されている「OPECプラス」の会合で減産に向けた動きが期待されたとみられます。

個別銘柄では、外出自粛による食料品の買いだめから恩恵を受けて売上が好調なウォルマート インク(WMT)が上昇の一方、先々週に政府による支援観測から70%の株価上昇となっていたボーイング(BA)が反落となっています。

経済指標では、3/28(土)に終わる週の新規失業保険申請件数は665万件と前週の328万件から倍増となりました。失業率はすでに9.5%程度まで上昇している計算になります。ムニューシン米財務長官は3/17(火)に失業率は20%に到達する可能性があるとコメントしています。

3月のISM製造業PMIは前月の50.1から49.1へ、ISM非製造業PMIは前月の52.5から43.0に低下、3月雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比70.1万人減といずれも悪化しています。

一方、中国の3月製造業PMIが前月の35.7から52.0へ、非製造業PMIが前月の29.6から52.3へ改善しました。大きく落ち込んだ前月との比較のため、経済活動の水準が戻っているわけではないようですが、新型コロナウイルスを抑え込むことができれば早期に回復基調に戻れるとの前例となりそうです。

今週の米国株式市場

今週は新型コロナウイルスの米国での感染拡大の行方に加え、米国のクレジット市場に影響が大きい原油価格の動き、また、新規失業保険申請件数、消費者マインドなどの経済指標も注目されます。

一時80ポイント台まで上昇したVIX指数(S&P500指数のボラティリティ指数)は50ポイント割れまで低下、市場は徐々に落ち着きを取り戻しつつあるとみられます。

米国の新型コロナウイルス感染者数は4/5(日)時点で27万人超、死者数は7,020人に達していますが、感染症の専門家が予想するように死者数が10〜20万まで増加するとすれば、まだまだ、厳しい局面が続くことになります。日々の新規感染者数は3万人以上、死者数は1,000人を超えています。

原油価格については、米国のシェールオイル企業の生産コストが40〜50ドルと言われていることから、20ドル台での滞在期間が長くなるほどエネルギー業界の信用不安が拡大するため、米国市場には影響が大きくなっています。

サウジアラビアとロシアの対立が続いており、石油輸出国機構(OPEC)とロシアは4/6(月)に予定していた「OPECプラス」による減産に関する会合が4/9(木)に延期されるなど、再び不透明感も出ています。

経済指標では、4/9(木)に4/4(土)に終わる週の新規失業保険申請件数(500万件の予想)、4月のミシガン大学消費者マインド(前月の89.1から75へ悪化の予想)の発表が予定されています。

企業決算では、主要企業の発表予定はありません。来週から1-3月期の決算発表が始まります。

中国の経済指標改善は米国をみるうえで参考になるのか?

先週中国の3月製造業・非製造業PMIが改善となり、新型コロナウイルスを抑え込めれば、早期に経済活動が回復に向かうという前例と考えられます。ただ、人口比でみた中国の感染者数は欧米よりもはるかに小さい点は注意が必要でしょう。

図表3は人口3,000万人以上、感染者数5,000人以上の国を抜粋して、4/5(日)時点の累計感染者数÷人口、累計死者数÷人口を計算しています。人口百万人あたりの感染者数と死者数は、欧米で大きく中国は相対的にみると小さくなっています。

患者認定の基準がそれぞれ違い、中国に関しては無症状の感染者は感染に含めていないとの報道もあります。しかし、中国の実態が報告数の3倍だとしても、欧米のレベルには到達しません。

経済へのインパクトがこの比率に比例するとは思いませんが、累計感染者が59ppmの中国と837ppmの米国では経済活動へのインパクトはレベルが違うと考えたほうがよさそうです。そのため、中国経済が回復に向かっているのは前例として歓迎できるものの、回復の軌道は中国と欧米で違うと考えておいたほうがよさそうです。

国によって感染の広がりに大きな違いが出ていることを説明する仮説として、結核予防のためのBCGワクチンが広く接種されている国とそうでない国で人々の免疫力に違いが出ているという説があります。深刻な状況にある米国とイタリアでは、国民に広く接種させる政策がなく、強力な対応策が必要となる可能性があるようです。

今週の5銘柄

今回は市場環境に大きな変化がなかったことから、先週掲載したユナイテッドパーセル サービスB(UPS)オラクル(ORCL)インテル(INTC)アマゾン ドットコム(AMZN)ネットフリックス(NFLX)の5銘柄を維持します。

S&P500指数がピークから20%を割り込んで下落がきつくなった3/11(水)〜3/26(木)まで、つまり、急落と急反発の両局面を含む期間の騰落率で相場の上下にかかわらず物色されている可能性がある銘柄になります。

図表3 米国の新型コロナウイルス新規感染者数推移

※WHOデータをもとにSBI証券が作成

図表4 新型コロナウイルス、国別のインパクトを探る

  累計感染者/
人口(ppm)
累計死者数/
人口(ppm)
人口
(百万人)
累計感染者数 累計死者数
スペイン 2,685 252.8 46 124,736 11,744
イタリア 2,061 254.0 60 124,632 15,362
ドイツ 1,106 16.2 83 91,714 1,342
フランス 1,047 116.6 65 67,757 7,546
米国 837 21.5 327 273,808 7,020
イラン 677 41.9 82 55,743 3,452
英国 631 64.9 66 41,907 4,313
カナダ 350 5.8 37 12,938 214
トルコ 292 6.1 82 23,934 501
韓国 198 3.5 52 10,237 183
中国 59 2.4 1,395 82,930 3,338
ブラジル 43 1.7 209 9,056 359
日本 26 0.6 127 3,271 70

注:人口3,000万人以上、感染者数5,000人以上の国。累計感染者数、累計死者数は4月2日時点のWHOデータ。「ppm」は百万分率で、1ppmは百万の1の割合を示します。
※WHO、IMFデータをもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

買付 チャート 銘柄 株価
(4/3)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートユナイテッド パーセル サービス B(UPS)90.00ドル12.8

【巣ごもり消費から恩恵】

・世界首位の小口貨物輸送会社で、米国内の郵便物・書類・小包等の配送および航空機による国際輸送、サプライチェーン事業を220以上の国・地域で展開します。新型コロナウイルスの巣ごもり消費で恩恵を受けると考えられます。19年12月期の売上構成比は、国内小包63%、海外小包19%、サプライチェーン&貨物輸送18%と、国内小包の構成比が高くなっています。

・20年12月期の利益ガイダンスが市場予想をやや下回ったことから、株価は年初の110ドル台から一時90ドル割れまで下げましたが、3月に入って下げ渋っています。19年10-12月期は、主力の国内小包の数量がeコマース拡大を受けて前年同期比7.5%増、同売上が同6.5%増と景気低迷による国際貨物の弱さをカバーして営業利益が同14%増と堅調でした。

買付チャートオラクル(ORCL)49.40ドル11.8

【データベース管理でトップのソフトウェア企業】

・マイクロソフトに次ぐ、世界第2位のソフトウェア企業で、法人向けのデータベース管理システムで世界トップです。アマゾンやマイクロソフトなどに市場が侵食されているものの、大きい顧客ベースがあり、事業に不可欠な性質のソフトウェアでもあり、景気後退局面で相対的に安定していると考えられます。

・3/12(木)に発表した19年1月-20年2月期は売上が前年同期比2%増、営業利益が同4%増と市場予想を上回ったほか、150億ドルの自社株買いを発表して好感されました。オンプレミスを含むライセンス部門が前年同期比2%減、ハードウェア部門が同6%減となる中、クラウドサービスが同4%増とカバーして過去2年間で最も高い売上の伸びを記録しました。
 

買付チャートインテル(INTC)54.13ドル11.2

【サプライチェーン分断の影響は大きいが、予想PERも10倍台】

・PCやサーバーのCPU(中央演算装置)を主力とする半導体企業です。PCやサーバーは多数の電子部品を使うため、サプライチェーン分断の影響が大きいと想定されます。ただし、新型コロナショック前にはサーバー市場の回復傾向が出ていたため、経済が正常化すれば増収増益に回帰すると期待されます。PERは20年予想EPSに対して10倍台と、中期的に割安な水準となっている可能性が高いとみられます。

・10-12月期はデータセンター向けがけん引して売上は前年同期比8%増、EPSは同19%増と好調でした。データセントリックグループの売上は前年同期比19%増の72億ドルとなり、市場予想の64億ドルを大幅に上回りました。20年12月期のガイダンスは売上が約735億ドルで前年比2%増、EPSが約5ドルで同3%増と堅調が見込まれていました。

買付チャートアマゾン ドットコム(AMZN)1906.59ドル47.1

【巣ごもり消費で需要が拡大】

・新型コロナウイルスの影響で、ショッピングセンターへ行くのを控えることや、スーパーでの買い物の頻度を落とすことが想定され、ネット通販に対する需要が拡大すると期待されます。3/16(月)にはeコマースの需要拡大を受けて10万人の追加雇用を発表しています。

・19年10-12月期決算は、北米事業の減益幅が予想を下回り、クラウドサービスは順調に伸びたことから、売上・EPSとも市場予想を上回りました。北米のネット通販では、プライム会員向けの無料配送期間を2日から1日に短縮するために物流網に先行投資を行っており、利益を抑える要因となっています。

買付チャートネットフリックス(NFLX)361.76ドル53.2

【巣ごもり消費から恩恵の可能性】

・インターネットTVの世界最大手です。新型コロナウイルスで消費者が「巣ごもり消費」する場合に、最も恩恵が大きい企業の一つと言えそうです。定額見放題のサービスのため、既存加入者が視聴頻度をあげても売上は変化しませんが、新規加入者数にはポジティブな影響が出ると期待されます。

・同社の株価は「Disney+」や「アップルTV」との競合が懸念されて昨年央にかけて調整しましたが、これら競合サービスが実際に開始されるにつれて回復基調となっています。10-12月期決算では、米国とカナダの新規加入者数が55万人と市場予想の61万人を下回ったものの、海外の新規加入者数は833万人と市場予想の720万人を大きく上回りました。また、業績も市場予想を上回って好調です。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。オラクルは21年5月期、その他は20年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
6(月)    
7(火) ・米求人労働異動調査(2月)
・米消費者信用残高(2月)
 
8(水) 中国・武漢市が都市封鎖解除
・日本機械受注(2月)
FOMC議事要旨(3月15日分)
 
9(木) ・日本工作機械受注(3月)
・米生産者物価指数(3月)
米新規失業保険申請件数(4月4日に終わる週)
ミシガン大学消費者マインド(4月、速報値)
 
10(金) ・米国市場休場(グッドフライデー)
・中国生産者・消費者物価指数(3月)
・中国資金調達総額(3月、15日までに発表)
・米消費者物価指数(3月)
 
13(月)   デルタ航空(E)
14(火) 中国貿易統計(3月)
・NFIB中小企業楽観指数(3月)
・米輸入物価指数(3月)
ジョンソン&ジョンソン、JPモルガンチェース、ウェルズファーゴ
15(水) 米小売売上高(3月)
・ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)
・米鉱工業生産(3月)
・NAHB住宅市場指数(4月)
米地区連銀経済報告(ベージュブック)
バンクオブアメリカ、シティグループ、ASMLホールディングス
ユナイテッドヘルスグループ、ゴールドマンサックス
16(木) ・中国新築住宅価格(3月)
・ユーロ圏鉱工業生産(2月)
・G20財務省・中央銀行総裁会議(ワシントン、17日まで)
米住宅着工・建設許可件数(3月)
・フィラデルフィア連銀景気指数(4月)
米失業保険申請件数(4月11日に終わる週)
ブラックロック、インチュイティブサージカル
17(金) 中国実質GDP(1-3月期)
中国鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資(3月)

・中国調査失業率(3月)
・日本鉱工業生産(2月、確報値)
・EU27ヵ国新車登録台数(3月)
・ユーロ圏消費者物価指数(3月)
ペプシコ(E)、シュルンベルジェ、モルガンスタンレー(E)
ハネウェルインターナショナル(E)、ラスベガスサンズ(E)

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1〜30位、青字のハイライトは31〜50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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