決算速報(現地2/22発表)
●営業利益:44.2億ドル(前年同期比-22.7%)
●純損益:291.6億ドル(前年同期は253.9億ドルの赤字)
●決算発表翌営業日の終値:221.69ドル(-3.33%)
※カバーしているアナリストの数が非常に少ないため、市場予想などは記載しておりません。
10-12月期は過去最大となる22億ドル規模の自社株買いが行われたものの、大型のM&A案件がなかったことから、手元現金は過去最高水準となる1,280億ドルとなっています。
決算発表翌営業日までの、過去1年間のチャート
※出所:トムソン・ロイター(現地2月24日までの過去1年間、移動平均線は52週)
決算のポイント
●自社株買いのペースが加速され、10-12月期は過去最高となる22億ドルの自社株買いが行われました。
●今後も自社株買いペースは加速する見通しです。
●2019年末の手元現金は過去最高近くの1,280億ドルとなっています。
●日本の台風や米国・オーストラリアなどの山火事により再保険事業が圧迫されたことなどから、営業利益は前年同期比-22.7%の44.2億ドルとなりました。
●純損益は保有するアップル(AAPL)などの株価が上昇したことを受け、291.6億ドルの黒字となりました(前年同期は253.9億ドルの赤字)。
経営陣の主なコメント
●各事業はこれまでの状況と比較した場合やや軟調となったが、これまでは「とても良い状況」にあったわけで、現在悪い状況にあるわけではない。
●航空関連で買収を行うことは「可能性が非常に低い」だろう。
●「ブルームバーグ」を買収することはないだろう。買収しようとしても、おそらく自分よりも高く買おうとするところが出るだろう。
●銀行株は他の業種と比較した場合、「とても魅力的」にみえる。
●仮想通貨は「無価値」だと思う。私は一切保有していないし、今後も保有することはない。
●新型コロナウイルスは投資活動に何も影響を与えていないが、国にとって悪影響をもたらす悲惨な存在であり、気温が上昇したからといってウイルスが死滅するとは考えていない。
●現在の長期金利をみれば、株式が債券よりも好パフォーマンスとなることは「まず間違いない」だろう。
●NYダウ指数が1,000ドル下がるような今日(2/24)のような相場の場合、当社は買いに回る場合が多い。
●今後15年間、当社の株式は上位10-15%に入るような好パフォーマンスは残せないだろうが、下位になることもないだろう。
●2,000万ドル以上の当社株式を保有し、当社に売却する意向のある株主は直接連絡してほしい。
決算を受けたマーケットの反応
決算発表後の月曜日は-3.33%となりましたが、マーケット全体の下落率とおおむね同水準の下落幅であることから、投資家は決算内容については中立的なスタンスであると言えそうです。
自社株買いが四半期としては過去最高金額となったことはやや前向きに捉えられているようですが、それでも引き続き手元現金は過去最高水準にあり、今後もこの手元現金がどのように使われていくのかについて注目が集まりそうです。