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2020-08-15 16:50:50

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アメリカNOW! 今週の5銘柄 〜NYダウが1,000ドル下落、押し目買いの好機となるのか?〜

2020/2/25
投資情報部 榮 聡

先週は新型コロナウイルスの中国以外での感染拡大が懸念され、また、企業景況感の悪化が嫌気されて下落しました。さらに2/24(月)に主要指数がいずれも3%を超える大幅な下落となって、これまで楽観的だった市場の雰囲気が変わっています。今週は新型コロナウイルスの状況をみながら、底入れのタイミングを探る展開となりそうです。

主力銘柄の押し目に注目するという観点から、直近発表の四半期決算が好調である大型銘柄より、マイクロソフト(MSFT)アマゾン ドットコム(AMZN)JPモルガン チェース(JPM)ロッキード マーチン(LMT)エスティ ローダー A(EL) を選んで今週の5銘柄といたします。

図表1 S&P500指数の一目均衡表(日足、3ヵ月)

※当社WEBサイトを通じてSBI証券が作成

図表2 業種別指数騰落率・個別銘柄騰落率

S&P500業種指数騰落 1週 1ヵ月 3ヵ月
不動産 -1.3% 3.2% 8.9%
公益事業 -1.3% 1.2% 10.8%
生活必需品 -2.6% -0.8% 3.0%
素材 -3.1% -1.9% -1.6%
ヘルスケア -3.8% -2.4% 1.4%
資本財・サービス -4.2% -3.0% -1.2%
金融 -4.5% -2.2% -1.1%
通信サービス -4.5% -3.0% 3.2%
S&P500 -4.6% -2.1% 2.9%
一般消費財・サービス -4.6% 0.4% 4.4%
エネルギー -5.6% -10.0% -11.9%
情報技術 -6.6% -2.4% 8.6%
騰落率上位(1週) 騰落率
ギリアド・サイエンシズ 7.9%
サイモン・プロパティー・グループ 1.3%
デューク・エナジー 1.0%
アラガン -0.1%
AT&T -0.5%
騰落率下位(1週) 騰落率
モルガン・スタンレー -11.0%
シュルンベルジェ -10.1%
ブッキング・ホールディングス -10.0%
アップル -8.2%
インテル -8.2%

注:騰落率は2/24(月)終値によります。個別銘柄の騰落率上位、下位はS&P100指数が母集団です。銘柄名はBloombergの表記により、当社WEBサイト・本文中の表記と異なる場合があります。
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成

先週の米国株式市場

2/17(月)にアップルが1-3月期のガイダンスの売上が達成できないとして新型コロナウイルスの企業業績への懸念が高まりました。また、日本の10-12月期実質GDPが予想を大きく下回って落ち込んだこともネガティブでしたが、週半ばまでは株価水準はおおむね保たれていました。しかし、新型コロナウイルスの感染者数が韓国、日本など中国以外で拡大していることで世界経済への懸念が高まり、相場は不安定になりました。

2/21(金)には新型コロナウイルスへの懸念に加えてマークイットのPMIが製造業・非製造業とも悪化したことが嫌気されてS&P500指数は1.1%下落しました。相場上昇をリードしてきたマイクロソフトが3.2%、アップルが2.3%、アマゾンが2.7%と下落したほか、フィラデルフィア半導体株指数も3.0%安です。S&P500指数は週間で1.3%の下落でした。

業種指数騰落率では、景気悪化リスクが意識されたことで配当利回りが高い業種、ディフェンシブな業種の値下がりが小さくなっています。過去3ヵ月の上昇相場をけん引してきた「情報技術」が最大の値下がり業種となっています。

個別では、世界保健機関(WHO)の高官によって新型コロナウイルスの治療薬として抗ウイルス治験薬「レムデシビル」が有望とコメントされたギリアド サイエンス(GILD)が2/24(月)に4.6%上昇しています。同社はエイズやC型肝炎の治療薬など抗ウイルス薬を主力とするバイオ企業で、新型コロナウイルスについて中国で2件の試験が進められています。

経済指標では、米国の2月マークイット製造業PMIは50.8と、前月の51.9、市場予想の51.5を大きく下回り、ネガティブサプライズとなったようです。一方、米国の1月住宅着工件数、建設許可件数とも市場予想を大きく上回りました。長期金利低下が支えているとみられます。また、日本の10-12月期実質GDPが前期比年率3.8%減の市場予想に対して実績は同6.3%減となりました。消費税引き上げや台風の影響があったものの、予想以上の不振に驚きが広がったようです。

今週の米国株式市場

2/24(月)の米国市場は、新型コロナウイルスの感染者が中国以外でも増えていることから(図表3)、「パンデミック」(世界的な流行)となる可能性が懸念されて急落しました。中国の新規感染者数は減少傾向が続いていますが、韓国、イタリア、日本などでの感染抑制を確認する必要が出てきたとみられます。

また、相場急落の要因として新型コロナウイルスのほかにも、前から分かっていたことですが(1)FRBによる月額600億ドルの国債購入が6月で休止となること、(2)民主党の候補者選びで左派のサンダース氏が勢いを増していること、も影響したとみられます。これまで米国株市場は様々なリスク要因にも関わらず上昇が続きましたが、市場参加者の間にはさすがに楽観的過ぎたとの見方が広がっているようです。

相場調整の目途については、新型コロナウイルスの動向次第ですので「日柄」がポイントになるでしょう。2/20(木)の高値3,389.15ポイントから2/24(月)終値3,225.89ポイントまで4.8%の下落となっており、「値幅調整」はかなり進んだ可能性がありそうです。

また、相場急落の要因に上記の(2)が含まれているとすれば、3/3(火)のスーパーチューズデーに対する市場の反応を確認したほうが良さそうです。全米レベルの支持率調査ではトップのサンダース氏が29%でバイデン氏の17%、ブルームバーグ氏の15%を引き離しています。サンダース氏のこの勢いが維持されると、相場にはネガティブになりやすいとみられるためです。

今週のイベントとしては、消費者信頼感、10-12月期GDPの改定値、耐久財受注など米国の経済指標のほか、週後半にかけては、2/29(土)のサウスカロライナ州民主党予備選が注目されそうです。

民主党の予備選では、失速したバイデン氏が盛り返せるか注目されます。サウスカロライナ州では黒人票が期待できるため、同州対象の支持率調査では20%台前半でトップを維持しています。

経済指標では、2/25(火)に米国の2月コンファレンスボード消費者信頼感(前月の132.3から131.6に低下の予想)、米国の1月新築住宅販売件数(前月比2.2%増の予想)、2/27(木)に米国の10-12月期実質GDP(前期比年率2.2%増の予想)、米国の1月耐久財受注(前月比1.5%減の予想)、などの発表が予定されています。

企業決算では、キーサイトテクノロジーズ、セールスフォースドットコム、ホームデポ、メーシーズ、スクエア、ブッキングホールディングス、ビヨンドミートなどの発表が予定されています。

今週の5銘柄

米国市場は大幅な調整となったため、今回は主力銘柄の押し目に注目するという観点から、過去3週間で取り上げた好決算銘柄より、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン ドットコム(AMZN)、JPモルガン チェース(JPM)、ロッキード マーチン(LMT)、エスティ ローダー A(EL)を選んで今週の5銘柄といたします。

図表3 新型コロナウィルス、中国以外で感染者数が多い国・地域

国・地域 感染者数
韓国 833人
イタリア 219人
日本 146人
シンガポール 90人
香港 79人
イラン 64人
タイ 35人
米国 34人

注:2/25(火)午前0時。日本は「ダイヤモンド・プリンセス」での691人を除いた数字です。
※各種報道をもとにSBI証券が作成

今週の注目銘柄

買付 チャート 銘柄 株価
(2/24)
予想PER
(倍)
ポイント
買付チャートマイクロソフト(MSFT)170.89ドル30.1

【クラウドのインフラサービスでアマゾンを急追】

・クラウドのインフラを提供する企業としてはアマゾンに次ぐ2位の位置にあり、急速に追い上げています。メールソフトの「Outlook」、ビジネスソフトの「Office」などで企業のIT部門に接点があるため、クラウドの新規開拓営業に有利と考えられます。また、19年10月に米国防総省の100億ドル規模の案件をアマゾンと競ってマイクロソフトが獲得したことも、同社のクラウドが加速するきっかけになるのではと注目されています。

・10-12月期決算は前年同期比14%増収、同37%増益と引き続き好調でした。全部門の売上が市場予想を上回って、売上は3%、EPSは14%それぞれ市場予想を上回りました。インテリジェント・クラウド部門が27%増収と成長をけん引、その中心である企業向けクラウドの「Azure」は前年同期比62%増と、7-9月期の同59%増を上回る伸びを記録しています。

買付チャートアマゾン ドットコム(AMZN)2009.29ドル49.3

【年末商戦の好調で北米の利益が予想を上回る】

・配送日数を短縮するための費用がかさんで利益を圧迫していますが、顧客囲い込みを進めるための先行投資と捉えられ、中期的な利益成長を高める施策と考えられます。一方、クラウドサービスは業界トップとして引き続き高い成長が期待されます。また、独占禁止法の調査に係るリスクも、フェイスブックやアルファベットに比べて小さいと考えられます。

・10-12月期決算は好調な年末商戦を受けて売上が前年同期比21%増、EPSも同7%増と7-9月期の減益から増益に転じて市場予想も大幅に上回りました。部門別の営業利益は、北米が19億ドル(市場予想は15億ドル)、海外が6億ドルの赤字(同9億ドルの赤字)、AWSが26億ドル(同25億ドル)でした。19年中は利益が伸び悩んだため株価は出遅れましたが、北米の通販事業の改善を受けて出遅れを縮める動きが想定できるでしょう。

買付チャートJPモルガン チェース(JPM)132.16ドル12.2

【消費者向けビジネスが好調】

・新型コロナウイルスによる経済の下押し圧力を受けて、20年1-3月期と期待されていた世界景気の底入れ確認は後ずれする可能性が高まっています。しかし、20年中には景気回復によって長期金利は上昇基調に戻ると期待されます。また、フィンテックの洗練度が競争力を左右しつつあり、大手銀行が優位な状況です。バリュエーションは10倍台前半にとどまり、割安感が強くなっているとみられます。

・10-12月期決算は、収入が前年同期比9%増、EPSが同30%増で、市場予想をそれぞれ5%、9%上回って好調でした。主力のコンシューマー&コミュニティバンキング部門はクレジットカードの好調などを受けて、前年同期比3%増収、同5%増益と堅調でした。コーポレート&インベストメントバンク部門は前年同期の水準が非常に低かったこともあって同31%増収、同48%増益となって全体を押し上げています。

買付チャートロッキード マーチン(LMT)419.35ドル17.3

【米国とイランの軍事的緊張から恩恵】

・軍事用航空機・宇宙関連機器の大手メーカーです。軍需関連の売上が世界最大であり、また、同売上構成比も88%に達することから、米国および世界の軍事費が増加する場合にその恩恵を受ける確度が高く、代表的な軍需銘柄です。特に同社売上の25〜30%を占めるF-35ステルス戦闘機は、米軍(空軍、海兵隊、海軍)が2,500機近くを調達する計画で、20年度の予算でも重点調達品としてあげられています。

・10-12月期決算は前年同期比10%増収、同21%増益と引き続き好調でした。主力の航空機部門が前年同期比9%増収となったほか、他の3部門もすべて増収と安定した伸びを示し、期末の受注残は1,440億ドルで前年比11%増加しています。20年12月期のガイダンス中央値は、売上が前年比6%増、EPSが同8%増と好調が持続する見通しです。

買付チャートエスティ ローダー A(EL)198.78ドル34.6

【スキンケアが伸びる】

・スキンケアの市場はベビーブーマーがユーザーとして残る一方で、ミレニアル世代や男性がユーザーとして増えつつあり、また、アジアを中心とした海外市場では中間所得層がより良い肌のための支出に積極的なことから成長市場になっています。同社の19年6月期の部門営業利益はスキンケアが75%を占め、スキンケア関連の筆頭格の会社と考えられます。

・10-12月期決算は前年同期比15%増収、同21%増益と引き続き好調でした。主力のスキンケア部門が「アドバンス ナイト リペア」などの好調で前年同期比27%の増収、同37%の営業増益となって業績拡大をけん引しています。アジア・太平洋地域の売上が同30%伸びているため、香港でのデモや中国の新型コロナウイルスの影響が見込まれ、20年6月期の売上は前年比7〜8%増から同6〜8%増、調整後EPSは5.85〜5.93ドルから5.6〜5.7ドルにガイダンスが引き下げられました。ただ、影響が一巡すれば、強い業績拡大トレンドが継続すると期待されます。

注:予想PERはBloomberg集計のコンセンサス予想EPSによります。マイクロソフト、エスティーローダーは20年6月期、その他は20年12月期です。
※会社資料、BloombergデータをもとにSBI証券が作成 

主要イベントの予定

  経済指標・イベント 企業決算・イベント
24(月) ・トランプ大統領インド訪問(25日まで)
・ドイツIFO企業景況感(2月)
・シカゴ連銀全米活動指数(1月)
キーサイトテクノロジーズ、HP
25(火) ・民主党候補者第9回討論会(サウスカロライナ州)
・S&Pコアロジック住宅価格指数(12月)
・コンファレンスボード消費者信頼感(2月)
セールスフォースドットコム、ホームデポ、メーシーズ
アメリカンタワー
26(水) ・米新築住宅販売件数(1月) スクエア、ブッキングホールディングス
TJX、ロウズ
27(木) ・ユーロ圏景況感(2月)
・米実質GDP(10-12月期、改定値)
・米耐久財受注(1月)

・米中古住宅販売成約(1月)
ブリティッシュアメリカンタバコビヨンドミート
ベストバイ
28(金) ・日本鉱工業生産(1月)
・ユーロ圏消費者物価指数(2月)
・米個人所得・個人支出(1月)
・米PCEコアデフレータ(1月)
・ミシガン大学消費者マインド(2月、確報値)
 
29(土) ・サウスカロライナ州予備選挙
・中国製造業・非製造業PMI(2月)
 
3月
2(月)
・米ISM製造業景気指数(2月)  
3(火) ・スーパー・チューズデー
(米大統領選挙の予備選挙・党員集会集中日)
・ユーロ圏生産者物価指数(1月)
・ユーロ圏失業率(1月)
・米自動車販売台数(2月)
ロスストアーズ、ノードストローム
4(水) ・ユーロ圏小売売上高(1月)
・米ADP雇用統計(2月)
・米ISM非製造業景気指数(2月)
・米地区連銀経済報告(ベージュブック)
ダラーツリー
5(木) ・OPEC臨時総会(ウィーン)
・米製造業受注(1月)
オクタ、コストコホールセール、ターゲット(E)
6(金) ・OPECプラス会合(ウィーン)
・米雇用統計(2月)
・米貿易統計(1月)
 

注:日付は現地時間によります。(E)はBloombergによる予想を示します。企業決算の赤字でのハイライトは、当社顧客保有人数の1〜30位、青字のハイライトは31〜50位を示します。
※Bloombergデータ、各種報道をもとにSBI証券が作成

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

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