来週1月20日に大統領の就任式が行われ、いよいよバイデン大統領が誕生することになります。新型コロナウイルスの感染拡大という苦境が続く中での政権発足となりますので、就任後どのような政策を打ち出してくるのか、否が応にも注目が高まります。また、6日の米議会へのトランプ大統領支持者の乱入事件に代表されるように、ここ数年で深まったと言われる米国内の断絶をどのように融和させていくのかその手腕にも期待がかかります。本来であれば就任から100日間は批判が集まりにくい「ハネムーン期間」と言われていますが、差し迫った状況の中で早急に政策を実現に結び付けていくことが求められます。
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就任1年目の株価はどうなる?
間もなく新大統領が誕生する中で、株式投資家の1番の注目点は「新大統領の下で株価は上がるのか、下がるのか」という点ではないでしょうか。そこで、1977年以降の新大統領就任1年目の各月のS&P500指数のパフォーマンスを抽出したのが表1です。
平均すると、就任1年間でプラス12%強と良好なパフォーマンスを示しています(ちなみに最もパフォーマンスが良かったのは3年目でプラス15%強でした)。任期初年は新大統領への期待が高まり株高につながりやすいのかもしれません。ただし、就任直後の2月に関しては99.7と前年末を下回っており、短期的に調整が入りやすい時期なのかもしれません。
大統領の所属政党別で見ると、若干ではありますが民主党政権のほうが年間のパフォーマンスは良好であるようです(民主党:115.9%、共和党:110.0%)。今年は民主党のバイデン氏が大統領に就任しますので、良好なパフォーマンスが期待できるかもしれません。
ただし、ブッシュ(1期目)にはITバブル崩壊で大きく下落し、オバマ大統領(1期目)就任の前年にはリーマンショックからの反発で大きく上昇していたように、各年で見てみるとばらつきはあります。大統領就任1年目は比較的好調なパフォーマンスになる傾向があるということを大まかにとらえて、その時々にあった投資行動をとることが当然ながら大事になります。
バイデン大統領の公約を振り返る
そこで改めて重要になるのは、バイデン次期大統領がどのような政策を打ち出してくるかでしょう。選挙時に掲げていた公約を含めて今一度振り返っておく必要がありそうです。表2はこれまでに明らかになっているバイデン氏の主張・政策をまとめたものです。
まず注目されるのは新型コロナウイルス対策としての大規模な経済支援策の実現でしょう。一部報道では、2兆米ドル規模にのぼると言われています。その点では、5日に行われたジョージア州の上院議員選挙で民主党が2議席を獲得し、実質的に上院で多数を確保したことは非常に大きな意味を持ちそうです。ただし、バイデン氏は共和党と協調し、議事妨害(フィリバスター)阻止に必要な60議席以上の賛成を求める方針のようです。この方針を堅持するようであれば、経済支援策成立に時間を要し、株価に織り込まれている期待が剥落することになるかもしれません。
経済対策の財源の1つとみなされているのが、大企業や富裕層への増税です。具体的には、トランプ政権下で引き下げられた連邦法人税の増税(21%→28%)や所得税の最高税率引き上げ(37%→39.6%)などが挙げられます。特に、低い法人税のもとで好業績をあげていたIT大手などの大企業は期待が剥落することになりそうです。
株式市場に影響がありそうという意味でいうと、キャピタルゲイン課税についても見逃せません。バイデン氏は株式等の売買益に対する課税を最大で2倍近くまで拡大するとしています。株式市場で収益をあげても、その多くが税金として引かれてしまうということになれば、株式取引の魅力を損ね、取引が停滞してしまう可能性もありそうです。
ただし、一部の政策についてはトランプ政権時代から大きく変わることはないかもしれません。例えば、トランプ大統領が就任当初に離脱を表明したTPPについては、民主党の支持層である労働者層との関係からバイデン氏も復帰には慎重であると見られています。また、軍事力、経済力、技術力など様々な面で台頭する中国については、民主党内からも懸念が強く、早期の関係改善は見込みづらいと考えられます。
その他にも就任演説や一般教書演説等で重要な主張や公約が明らかになるかもしれません。関連する銘柄には物色が向かう可能性もありますので、各内容には十分に目を通しておくと良いでしょう。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 多田 幸大
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