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2020-12-01 06:16:56

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新型コロナが米家計債務に与えた影響をチェック!

2020/5/22

新型コロナウイルスの影響は企業のみならず、家計への影響も大きいと考えられます。例えば、米国の失業保険の申請者数は米国でロックダウンの動きが出た3月中旬以降に大きく上昇しています。また、4月の米国失業率は14.7%と、史上最低水準を推移していた2月までから大きく上昇しています。

仕事がなくなり収入が減った世帯では、ローンの支払いが滞り、いずれはデフォルト(債務不履行)が多発する可能性があるかもしれません。もしそうなるとローン商品の売り手である金融機関の信用不安につながる可能性も否定できません。

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米国の家計債務は過去最大を更新

ニューヨーク連銀が5月5日に公表した2020年第1四半期の米国の家計における負債残高は14.30兆米ドルとなり、データを取得できる2003年以降で過去最大の負債残高を記録した前2019年第4四半期(14.15兆米ドル)を上回りました。内訳(図1)を見てみると、モーゲージ・ローン(9.71兆米ドル)、自動車ローン(1.34兆米ドル)、学生ローン(1.54兆米ドル)が2003年以降で最大となりました。

一方でクレジットカードの利用残高は前四半期から340億ドルほど減少しています。前四半期から減少するのは1年ぶりで、減少幅はリーマンショック期を超えて、2003年以降で最大となっています。新型コロナウイルスの影響で外出が制限される中、消費行動が大きく減速したことが要因と考えられます。

家計の負債残高の内訳として一番大きいモーゲージ・ローンは2008年第3四半期に9.29兆米ドルを記録しています。モーゲージ・ローンといえば2007年から2008年に表面化したサブプライム問題です。これは債務返済能力の低い層(サブプライム)向けのローンの焦げ付きでした。当時は不動産価格の上昇を背景にサブプライム向けの不動産を担保とするモーゲージ・ローンが積み上がっていましたが、不動産価格の下落によってモーゲージ・ローンの延滞や債務不履行が増え、株価の下落を伴い金融危機に発展していきました。

新型コロナウイルスの影響を受けて、米国の不動産市況もやや悪化しつつあります。リーマンショック前の水準を上回る不動産ローンが積みあがった今、収入の低下と不動産価格の下落が同時発生すれば、リーマンショック期以上の問題を引き起こす可能性を孕んでいるとも言えるかもしれません。

差押え件数とローンの延滞状況 次回発表に注目

サブプライムローン問題においては、差し押さえられた不動産の換金売りが市況を悪化させたと思われますので、差し押え件数も見てみましょう(図2)。件数は低い水準にとどまっておりまだ問題はなさそうですが、前年同期比はプラスに転じています。傾向を見ると今後差し押さえ件数は増えていくものと思われます。

ローンの返済の不履行の前にはローン返済の延滞があるだろう、ということでローン延滞状況について見たのが図3です。直近数年において債務不履行の割合はあまり変化がありませんが、120日以上の延滞は減少傾向が続いているようです。その傾向は新型コロナウイルスの影響が見られ始めた2020年第1四半期も変わっていません。少なくとも公表されている資料上では、延滞という点でまだ問題があるようには見えません。

ただし、延滞状況については「30日以上」の延滞をしたものについてしかカウントがされていないことには注意が必要です。例えば、ニューヨーク州で外出制限が始まったのは3月22日からですので、それ以降に収入が急減し、ローンの支払いが遅れるようになったものは第1四半期末時点にはカウントされていません。

一部解除され始めているとはいえ、いまだ外出制限は続いており、現在では上記資料よりも多くの延滞が発生していると思われます。第2四半期の家計債務の状況は8月に公表される予定ですので、改めてチェックをしてみる必要があるでしょう。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 投資情報室長 多田 幸大

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